表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の勇者ならワンチャンあれば十分です~全く問題ありません!  作者: ゆきちゃん
第2章 メインストーリー
45/72

45 植物系魔族2

一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。

なろう投稿する第2作目です。

 多くの客でにぎわっている舞台小屋に、2人の男が訪れていた。

 そしてその2人は、できるだけ顔が見えないように大きなマフラーを巻いていた。


 観覧料を支払う窓口で、受付の女の子が聞いた。

「お客様達は今日、初めて来られたのですね。他の皆様のようにぼ―っとしていらっしゃいませんね。私達の歌劇にまだ魅了されていないみたいです。」


 ホークが答えた。

「実は私達は舞台芸術家で、世界を回っていろいろ観覧して、そのすばらしいところを調査しているのです。今日は今この地域で最大の観客を集めている歌劇を見ることができて、とても楽しみです。」


「そうですか。舞台芸術家さん達に良い評価をしていただけるか大変不安です。でも、必ず楽しんでいただけますので、どうぞ御期待ください。」


「わかりました。」

 2人は舞台小屋の中に入った。


 全席自由席だったが、不思議なことにちょうど真ん中で歌劇を見やすい場所の席が、2つぽっかり空いていた。




 この小屋で歌劇を演じているのは全て植物系魔族で、上級魔族であるマリの部下達ばかりであった。

 舞台小屋の奥、楽屋にいたマリは報告を受けていた。


「マリ様、今日初めてきた観客の中に特別な人間が2人いました。この舞台小屋全体の空気に影響を与えている私達の妖力に全く影響を受けていません。」


「そうですか、その者達は今どこに座っていますか。」


「私達の歌劇の影響を最も受けやすい、観客席の真ん中に座るよう他の客を妖力で動かし、席が空くよう誘導しました。」


「そうですか。もしかしたら、ザラ様の婚約者であるランスロかもしれませんね。私が確認しに行きましょう。」

 その後、マリは舞台袖から幕をめくって、そっと観覧席を見た。


 すると、他の客とは全く違う2人が座っていた。

 2人ともマフラーで顔を覆いよく見えなかったが、人間として最高のオーラを身にまとっていた。

 特にその内の1人は、魔界でもうわさが高い、真の勇者の候補がもつ神聖の力をまとっていた。


「よし。魔界の上級魔族第8位として、必ず私の精神感応で縛ってみせる。ただ、普通の人間とは異なり、私の全力の妖気を放出しなければいけないだろう。」




 歌劇が始まった。

 それは、人間世界で最高級の劇団が演じたとしても、そこまでの内容にまで達することができないほどすばらしいものだった。


 悲劇の主人公の女性が恋人のために、いわれのない無実の罪を背負って死んでしまう物語だった。

 ホークがランスロに言った。


「あの主人公の女性を演じている主演女優は、何か強い妖気を放っている。この席の方向を見て歌った時には意識を失いそうになる。ランスロはどうだ。」


「司令官のおっしゃるとおり、時々この席に向かって強烈な妖気が放出されます。まるで、たくさんの花粉が風に舞うように飛んできます。ただ、今のところは心に影響は出ていません。」


 一方、主演を演じている植物系魔族のマリは大変驚いていた。

「上級魔族である私の精神感応でも縛ることができないとは、なんという精神の力だろうか。もう少し強く攻めてみよう。」


 その後、マリは一層の力をこめて妖気を放った。

 その力が最高に達した時、ホークがあわてて言った。


「ランスロ。私はもうこれ以上抵抗できなくなってしまう可能性が高くなったから、一旦、外に逃げることにするよ。どうも、あの魔族の力は特殊みたいだ。注意して、もし意識を支配されそうになったら躊躇(ちゅうちょ)しないで外に逃げてくれ。」


「はい、司令官。あぶなくなったら外に出ます。」


 その後、ホークは外に出て行き、だんだん高まった植物系魔族の妖気の影響で、ランスロ以外の観客はみんな完全に意識を失っていた。


 そのうちに歌劇は、大変すばらしい内容でクライマックスを迎え終了した。




 観客席で意識がまだあった人間は、ランスロだけだった。

 そして彼は、1人立ち上がって拍手をしていた。

 歌劇の内容に、ほんとうに感動した結果だった。


 舞台の上で、出演者がそろって御辞儀をした。

 マリが彼に向かってお礼の言葉を言った。


「今日はほんとうに最後まで私達の舞台を御覧になっていただき、心から感謝申し上げます。もうおわかりと思いますが、私達は魔界からやって来た植物系の魔族です。私マリは上級魔族として最大の妖力をあなたに放ち続けましたが、残念ながらあなたを精神支配できませんでした。」


「今日、とてもすばらしい歌劇を観覧させていただいてありがとうございます。僕はこれまで、このようにすばらしい芸術を見たことがありませんでした。マリさん、あなたの歌や演技は最高でした。僕はすっかり心を支配されました。」


「本来、私の歌や演劇は副産物で、一番の目的は妖力で相手を支配することです。上級魔族として失格ですね。」


「マリさんの妖力はとても強かったです。でも御自身にとっては副産物かもしれませんが、マリさんの歌や演劇力が訴える力の方がさらに強かったのです。違った意味で、人間界を支配できるくらいの至高の力です。」


「あなたはほんとうに価値あるもの見つけ出し、それを評価して(たた)え、素直に気持ちを表す方ですね。勇者であれ魔王であれ、自分自身だけを(ほこ)る者が多い中、不思議な魅了をもつ方ですね。」

お読みいただき心から感謝致します。

もし、よろしければブックマークや評価していただけますと、作者の大変な励みになります。


※更新頻度

土日祝日の午後です。

少しずつ頻度を増やし、計画的に更新できるようにがんばります。


ウィークデーは不定期ですが、夜11時までの時間に更新させていただく場合があります。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ