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変えるための方法・・

     「手が暖かい人は、心が冷たいんだよ」と云うがオレは手が暖かろうが、冷たかろうが、心は温かいと思う。 睦


 彼女の手は、それまで冷たかったオレの手を温かくしてくれた。

「あ、あのぉ〜・・・」

いつまでも握られているとちょっと困るので、と彼女の手をどけた。

「・・・あっ!ごめんね。興奮してた!私はね-たまき-って名前。よろしく」

「環」と名のったその子は、肩ぐらいまで伸ばしている茶色の髪の毛を二つに束ね、花柄のシャツを着て膝より少し短いくらいのスカートをはいていた。

「う、うん、よろしく!でも何でオレの名前聞いて騒ぎ出したの?」

オレが首を傾げて質問すると環は、小鳥のような声で喋りだした。

「きぃちゃんに聞いたの。ここに来る前に、俺が連れてきた人間がいるって!名前は睦だって!だから!思った以上にむっくん可愛いかも!!」

オレは、「むっくんですか!」とつっこみを入れたかったが一つ聞くことがあった。

「きぃちゃんて誰?」

「え?知ってるはずだけど・・・鬼衣瑠のことだよ?」

「あぁ〜鬼衣瑠の-き-を取ってきぃちゃん・・・ておいっ!」

オレも考えれば気付くものだった。オレの名前まで知っているのは、鬼衣瑠とまっしー位なのだから。

「鬼衣瑠って本部?に行ったんだよな。何の本部なの?」

「んん〜えっとねぇ・・・」

環はオレの横に座り話を始めた。


              〜その頃、本部〜

 鬼衣瑠は、ガチャっとドアを開けた。そこには、大きなソファがあり、テーブルがあり、窓があった。鬼衣瑠はそこの匂いが懐かしいのか一瞬眼を閉じ、匂いをかいだ。目蓋を開けるとソファには誰かが座っているのが見えた。

「久しぶりだね鬼衣瑠。何ヶ月ぶりかな?」

少し大人っぽい低い声だった。

「あぁ、久しぶりだな・・れい。元気そうで良かった。」

鬼衣瑠は前にも一度口にした事のある零という男と話をしていた。零は、ムースをつけたような黒髪で綺麗な整った顔をしていた。だが、体は細身で華奢な少年だ。

「ねぇ、僕の質問に答えてくれる?何ヶ月ぶり?」

黒く吸い込まれそうな瞳は、少し殺気のあるものだった。その眼を見て焦って鬼衣瑠は答えた。

「えぇっと、二ヶ月ぶりくらいだな?」

鬼衣瑠は、磨仔芦に助けを求めた。

「は、はいっ!そのくらいです。」

ふっと笑い零は青い空を見上げた。そして、あっと云うように鬼衣瑠の方を振り向いた。

「人間を連れてきたんだってね!どんな子だい?」



・・・環の話を聞いたら少し呆然としていた。オレの予想を超えていたから・・・ね。

「私たち魂操者は、ここでは封印が解かれてしまった魔物や魔獣、魔力を封印する活動・・任務を行っているの。本部っていうのは、その偉い人たちが居たり、会議を行う場所な訳!私もやってるんだよ。多分、むっくんもやると思う。  気をつけてね。封印するだけと思っては駄目だからね。下手したら・・・死んじゃうから」

「え・・・・?」

こんな会話をしていたら、オレは少し悟った。封印とかしなきゃ人生は変わらないのかな、と。でも、鬼衣瑠が守ってくれると云ったからオレは命を預けた。オレは信じている。少し安心した。

「ありがと!環・・・助かったよ」

うんっと可愛く頬を赤く染め頷いた。オレは再び寝転び空を見上げた。



「ふぅーん・・そんなに強い力なんだ、楽しみだよ・・・」

「あぁ!楽しみにしてなっ!」

二人もまた、睦と同じく青い空を見ていた。


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