どう足掻いたって・・
「大空の下、今出来る事。探すのさその笑顔、何処かに隠れてる」
「へぇ、睦って人間なんだ。頼りにしてるから!頑張ろうぜ」
風の魂操者、晴樹。ここの住民で一番気が合いそうなやつだった。他にも沢山楽しいやつが居て、それでも皆強くて本当に勇気をもらえる。ありがとう。
「じゃあ、どうする?魔物とサクルスのやつらを倒すの分けたほうがいいか?」
鬼衣瑠を中心として話し合いが始まった。皆意見を出し合い、世界を救う方法を考えていった。オレも意見を出し一緒に考えた。その結果、零さんが云った「7人ずつにわけて終わったら手伝いに行く」ということになった。オレ、鬼衣瑠、零さんは魔物の相手をする事になった。
それからシュミレーションが始まった。零さんと鬼衣瑠のソウルは凄まじく瞬きも出来なかった。オレも、本気の力を出してやった。ただ、6日後のために水竜は使うなという事・・。
ハイ。わかってます。水竜を疲れさせちゃいけないんでしょ・・。 休憩していると眼の前に鬼衣瑠が来てオレに云った。
「睦、最後にお前を見失わず、お前を変えろ・・出来たら俺のとこに来い」
オレにそれだけを云ったら鬼衣瑠は、ニコッと笑いオレの前から去っていった。鬼衣瑠の云っていた意味が分からなかった。オレを見失わずにオレを変える・・・?決戦が近いのに何でそんな事をいうのか全く分からない。でも、まだオレに足りないところがあるということだろう。シュミレーションが終わってリラックスも必要だという事で休み時間が多く取られる。その時間にオレは考えてみる事にした。
見失わないで変える、オレを見失わないでで変える・・・?気分を変えようと外に出てみたが、気分は変わらなかった。この、意味のわからない言葉を解明しないと・・・・。でも、わっかんねぇ〜。零さんとかが居たら分かったかもしれないけど、なぜか居ないんだよなぁ。あぁ、と
町の隅っこで蹲って(うずくま)いると、肩にポンポンと手が乗せられた。振り向くと環が居た。いっつもこんな時居てくれるのは、環だよな!!
「どうしたの?蹲っちゃって。シュミレーションそんなにきつかった?私のほうよりきついか・・・。」
「それがさ、鬼衣瑠にオレを見失わないでオレを変えろって云われてさ・・・。その意味が分からなくて。それって、オレに足りないところがあるって事だと思うんだけど・・」
環の手を借り立ち上がると、はぁとオレはため息をついた。でも、環はオレを見て少し笑っていた。
「きぃちゃんの云ってること分かる気がする。むっくんこの頃変わりすぎだなぁって思ってたもん。急いで自分を変えなきゃって思ってたんじゃないの?でもね、自分を見失っちゃ駄目だよ。むっくんは、むっくんなんだから。強くなるだけでいいよ、自分を変えないでね。どう足掻いたってむっくんはむっくんのままなんだから。慌てるなってことだよ」
環の云っている事はオレの心に響いた。あぁ、オレはオレ自身を変えようとしてたんだなぁ。やばいくらい焦ってたのかもしれない。・・・でも、オレを見失ってしまったらオレは誰になるんだ?環の言葉はあっていた。
「ありがと・・。オレわかったよ。オレを見失わずに強くなるから・・」
もう一回ありがとうと云うと、オレは鬼衣瑠の所へ駆けていった。
「鬼衣瑠!!オレ、自分を見失ってオレを一生懸命変えようとしてた。でも、オレはオレでどう足掻いたってオレなんだよな!もう、焦らないよ・・ありがと」
いきなり鬼衣瑠の所に行き喋った。なぜだか笑いが止まらなかった。鬼衣瑠もオレの答えを聞いたら笑っくれた。
「その通りだ!焦るなよ。そのままでもお前は強いんだから!!」
嬉しかった。そんなに安心させてくれる人は他にいないだろう。
「この封印が終わったらお前の願い叶うかもしれないな!!」
その言葉を聞いて笑いが止まった。そうだ。オレはずっとここには居られないんだ。この封印が終われば皆とは、別れるんだ。寂しいな。でも、しょうがない・・・か。
封印の日が近づいている。その時間を皆と大事に使いたい・・・・。




