56話
「あらどうして? だって彼は私を裏切ったのよ? それに彼、もうすぐ死ぬはずだったの。だから、私が助けてあげたの。だからこれは愛の奇跡なの」
「そんなわけないでしょ!?」
と、リリーは声を荒げます。
「もしそうだとしても、あなたは絶対に地獄に落ちるべきよ」
しかし、マートルは動じずに続けます。
「そうかしら? 私は別に悪くないもの。悪いのは全部彼だもの。私を振ったのが悪いのよ」
その言葉を聞いた瞬間、リリーは我慢の限界に達してしまいました。
そしてマートルに向かって、魔法をかけようとしました。
しかし、
「わたしには効かないわよ?」と言って、彼女はそれをかわし、どこかへ行ってしまいました。
それ以来、リリーはここに来る度に必ずマートルに会いました。そしていつも同じような会話を交わして、最後に決まって「復讐」して帰ったそうです。
しかし、今回は違いました。
「ねぇあなた、今日が何の日かわかる?」
と言われました。
「もちろん、わかっているわ。大帝国大学入学の日」と答えました。
しかし、そうではなかったようです。
マートルはこう言いました。
「じゃあ、あなたはどうやってここまで来たの?」
リリーはドキッとしました。実はリリーは、試験を受ける前に一度、この学校に来ていたのです。
そしてその時に迷ってしまったのです。そしてたまたま通りかかったゴーストに道を教えてもらったということがありました。
なので彼女は焦りました。
「えっと、その、それは……」
何も言えないまま、沈黙が流れていきました。
そしてそのあと、マートルはゆっくりと口を開きました。
「あなたもそうなのね」
と、とても悲しそうな声で言いました。
「えっ、どういうこと?」
と、リリーは問い詰めました。
「実はね、私も同じなの。この学校に迷い込んだ時に、ゴーストに助けられたことがあるんだ」
リリーは驚いてしまいました。こんな所にマートル以外のゴーストがいるなんて思わなかったからです。
「でもね、私はゴーストがあまり好きではないの。彼らは皆、自分勝手だし、他人の不幸を喜んでいるだけだもの」とマートルは続けます。
そして、リリーはこう言いました。
「私も同感よ。私もゴーストが苦手なの。だからあなたの気持ちがよく分かる」
「なら良かった。あなたとは仲良くなれそうね。よろしく」
マートルが笑顔になりました。リリーはなんだかほっとしました。
それから、マートルとリリーはすぐに打ち解けて友達になりました。
そしてよく女子トイレに来て話すようになりました。
リリーはマートルのことを親友と思うまでになっていたのです。
ここまでにしておきます。
では
『イギリス神話』ですが、これまたたくさんのお話があります。
その中でも特に有名なものをご紹介いたします。
まずは「狼男」です。
彼はある日、森の中で一人の旅人と出会いました。
そして彼は、旅の途中で病気になってしまいました。しかし、その薬を買うお金がなかったのです。
そこで彼は、その旅人に助けを求めました。
「どうか僕を助けてください」
するとその人は、「いいだろう」と返事をして、すぐに家に連れて行ってくれたのです。
しかし、そこには恐ろしい怪物がいました。
「お前は何者だ!」とその人が言うと、
「私は森に住む魔女さ」と言いました。そして続けて「私の呪いを解くことができたら逃がしてやるよ」と言いました。
旅人は必死になって戦いました。
しかし力の差は歴然でした。ついに追い詰められた彼は殺されそうになったのです。
すると、そこに偶然にも狼がやって来ました。
彼は自分の命の危険を顧みず、勇敢にも立ち向かいました。
そして、なんとか倒すことに成功したのです。
「やったぞ!」
と喜んだその時、
「うーん」
と声が聞こえました。なんと旅人は無事だったのです。
どうやら気を失っているだけのようでした。
その後二人は無事に村へと帰りました。
そして、薬を買ってもらって元気になった彼は、村人たちから英雄として称えられました。
そして、二人の仲はさらに深まったのです。
次に紹介する話は、かなり有名ですね。
「ハーピー」についてのお話です。
ある時、あるところに男の子がおりました。
彼は両親と共に幸せに暮らしていました。
しかしその幸せな生活は、突然終わってしまったのです。
彼の両親は、何者かに襲われて死んでしまったのです。
しかもその日は、なぜかいつもよりずっと夜が早く明けました。
まるで、誰かに時間を止められているかのように……。
そして犯人は見つかりませんでした。警察も諦めてしまいました。
そしてその次の日の夜、彼が一人で散歩をしていると、不思議な光景に出くわしました。
なぜか木の上に鳥の巣があったのです。
彼は不思議に思いました。なぜなら、昨日はこんなことはなかったはずなのに……と。
しかし、彼は好奇心に負けて巣に入っていきました。
そして中を覗くと、卵がありました。
しかし、一つだけ割れてないものがあったのです。
それを見ていると、急に眠くなりました。
そしてそのまま倒れ込んで寝てしまったのです。
目を覚ますと、そこは見知らぬ場所でした。
しかし、彼はすぐに気付きました。ここは自分が先ほど見た場所だと。
そして、周りを見渡していると、あるものを見つけました。
それは、真っ白なドレスを着た美しい女性でした。
彼女は彼に向かってこう言いました。
「あなたは、私の夫になる人ですか?」
彼は驚きました。
なぜそんなことを聞かれるのか、彼には全く分かりません。しかし、彼女はさらに続けます。
「もしそうなら、一緒にここを出て行きましょう」
と言ってきました。
当然、彼には意味がわかりません。
「どういうこと?」と聞き返すと、
「それはね、今、世界は大変なことになっているからよ」と答えました。
「あなたはこのままここにいても死んでしまうのよ」と。
彼は彼女の言っていることがよく理解できませんでしたが、とにかく彼女について行くことにしました。
「どこに行くの?僕はまだ死にたくないよ」と言うと、
「心配しなくても大丈夫。私が絶対に死なせないから」
と言いました。
そして二人で山を下りていきました。
途中何度も怖い目にあいましたが、二人はなんとか生きて帰れそうです。




