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龍神の白  作者: 良さん
顕現せし龍神と
18/22

町の問題 前編

「巫女様、お待たせ致しました。町の長が到着したようです」


真白は一定のリズムでつまんでいたお菓子への手を止める。


『菓子はそこまでだ、真白』

『美味しかった……ふぅ。さて、帰りますか』

『目的を忘れるな!』

『じょ、冗談ですよ、流石に……半分くらい』


扉が開き、やや年老いた男が一人入ってきた。

禿頭でやや小柄のその男は、真白と机を挟んで向かい側へと進み名乗り始めた。


「巫女殿、私がこの町の代表……長をしております、ハンスと申します。以後、お見知り置きを……」


ハンスと名乗った男が腰を折り礼をする。

兵が椅子を引いたところに、「御前、失礼します」と断りつつ席についた。


「それで巫女様、この町にはいかなる御用向きでしょうか?」


『そういえば、なんでわざわざ寄ったんです?』

『……菓子を食っている間に説明したつもりだったが?』

『す、すみません。あんな美味しいもの初めてで……これっぽっちも覚えていません』

『……説教は後だ』


「……龍神様は、この町が厳戒態勢に入ったことをご存知です」

「それは……」


慌てた様子で弁明をしようとするハンスを、真白は軽く右手を上げて留めた。


「責めているわけではございません。龍神様は、突然龍が現れれば当たり前の反応だ、と寛大にも仰っています」

「お心遣い、痛み入ります」

「そちらからの手出しが無ければ、危害を加えることはありません。龍神様の(めい)は、私と龍神様へ危害を加えるなというものです」

「勿論でございます。こちらにとってもありがたいお話です」

「そして、こちらは要求ですが、物資を多少融通していただきたいのです」

「……どの程度でございましょう?」


ハンスの眉がわずかに寄る。


「こちらには数日滞在する予定ですので、その間の衣食住……龍神様へは食料のみで結構ですが、それを保証していただきたいのです」

「龍神様はいかほどお召し上がりに……?」

「ご安心を。私と同じで大丈夫です」

「ああ……それは助かります。あのお体であれば相当量を召し上がられそうでしたので」


その言葉に対して、真白は微笑む。

ハンスの後ろに控える監視の兵が身動ぎしたのが視界の端に映る。


『ま、私がいっぱい食べるんですけどね!』

『わざわざ心を読ませて伝えることがそれか』


「ただ……要求、というのであればお断りすることもできる、ということかと思います」

「ええ。要求を飲んでいただけるなら、龍神様は何か一つ、望みを叶えようと仰せです」

「……!そ、それは、真ですか!?」


(龍神じゃなくて、神龍だな)


記憶にある、願いを叶える龍の姿を思い浮かべる龍。


「限りはございます。例えば、死者を蘇らせるといったようなことはできません」


当然ながら、いくら魔力があるとは言えできることとできないことがある。


「また、あなた個人の望みでは無く、この町としての望みを聞き届けます。そのためにあなたをお呼びしたのです」


億万長者や不老不死を願われないための予防線。

無論、ギャルのパンティーなど(もっ)ての(ほか)である。

どちらにしても、龍には叶えられない類の望みだ。


「それでは……どうかお力をお貸し願いたい!」

「……詳しい話を」


ハンスは後ろを振り返り、監視の兵を見て頷く。

それを受け、兵が口を開いた。


「ではそちらについては私、傭兵団『オデッセイ』第一部隊長フェルガーよりご説明致します」


今、この町が抱える問題が語られた。

ブックマークありがとうございます。


なんとなく前後編に。

べ、別に後半思いついてないわけじゃないんだからね!大筋はきまってるんだから!

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