07. 一つの条件
「ルカ」
レオの声に反応し、ドアのほうを見ればそこにはルカがいた。どうやら今入ってきたようだ。
サトリを少しの間見てから部屋の中へと入ってきた。
「霰、霰」
ルカでもレオでもなく、聞き覚えのある声が耳に届く。それは機嫌良く声を弾ませている。
ーーあ
ルカの足元にいる主を確認して驚愕した。彼もわたしの存在を知り、どちらともなく固まり見つめ合う形となってしまう。
「あ、オマエあの時の」
最初に言葉を発した赤い体をした鬼……天邪鬼のほうだった。
道端で偶然会って逃げてきた相手。怖くてたまったもんじゃない。
ぎゃあーと心の中で叫び、さりげなくレオの後ろに隠れようとする。
「知り合いか?」
ルカが問う。
「道端で会ったんだって。怖くて逃げてきたみたいだけど、どうしてルカが?」
わたしの代わりにレオが言ってくれた。
「こいつ、ハウラの居場所を知ってるようだから連れて来た」
「ハウラの?」
「だから、ちょっとした情報だって言ってんだろ」
信じられないというようなレオの雰囲気を察したのか、天邪鬼はルカを見上げ抗議する。
「で、その情報は? 」
「霰を貰ってからだ」
レオが優しく訊いたにも関わらず、ふんっと偉そうに腕を組む。
「アラレって、もしかして……お菓子? 」
二人とも何も言わないから間に口を挟んだ。
「おう、そうだ。持ってるか? 」
不機嫌そうな表情を一転させ、目を輝かせて訊いてくる。
「うん……いちよう」
仕方なくも頷いた。
霰をあげればハウラの居場所の情報を教えてくれる。ハウラを見つければ、わたしの目にある氷力石も取れる。
そう考えたら霰だけで済むなんて安い。




