争いを止めるために
EVENT:騒動鎮圧
それはまさしく「戦争」と呼ぶにふさわしいものだった。病院を襲撃し物資を奪い取るもの。それを防ごうと銃弾を放つもの。そして逃げる襲撃者を追いかけ追撃を加えるもの。
戦闘が戦闘を呼び、個人単位での小競り合いから組織だった病院への襲撃――あるいは“病院側”による“襲撃側”への攻撃。双方の思惑が関わり合い、それはもはや「私財を集めるものとそれを奪おうとするもの」というような簡単な対立とはかけ離れ、争いへと変化していった。
「こんな……こんなことって……」
治療薬を病院に寄付しようと病院に向かった勇人は、この実情を見て絶句した。
「なんで、みんな争おうとするの? なんでこんな簡単に人を殺そうとできるのさ!」
“人々を救う為”の争いが、多数の被害者を生む。それが、今の現実だった。たしかに「院長」の理念は崇高なものかもしれない。だが、その結果がこの争いでは、意味がないだろう。
そして――勇人の目の前でまた一つ、命が失われようとしていた。
「っ……! やめろ!」
勇人の剣が、とどめを刺そうとしていた人物の腕を裂く。奇しくもそれは病院側の人間だった。
「ぐあっ!? な、ナニモンだてめえ!」
「……これ以上の戦闘行為は認められない。いや、正義の名のもとに行われる殺人なんて見逃しちゃいけない。……大丈夫だった? ほら早く逃げて。これに懲りたらもう襲撃なんて考えないことだね」
勇人が手傷を負っていた人を逃がし、残った人間に相対する。
「……君も、これ以上人を傷つけるようなことはしないこと。いいね?」
「るっせぇ! 俺たちは“正義”だ! 病院を襲撃するような奴なんて死んで当然なんだよ!」
「なら、しょうがないか……。無嶽流免許皆伝、高崎勇人。君の考えを叩きなおしてあげるよ」




