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日本円でダンジョン運営  作者: sterl
一章 獣神王の迷宮
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side 羅勇士 三太 part 9

 学者は洞窟の入口の壁に触れてなにやら呟いている。風を操って声を拾ってみると、


「――魔の物を生みだせし邪なりし力よ、我の呼び掛けに応えよ。かつて天地を創造し、大悪を生みだせし其の力を、今此処に讃えよう――」


 全く意味が解らなかった。しかもこれで詠唱のほんの一部とか、やっぱり高位魔術は意味わかんねぇ。俺には風の使い手が似合ってるな。


 考えるだけで腹立つ屑隊長はというと、


「なんで僕がこんな退屈な仕事なんだよ。王の考えは本当にわからない」


「隊長、言い過ぎると不敬罪で訴えられますよ」


「ここには僕たちしかいないだろ。あ、そういえば瘴気のこともわからない馬鹿なおじさんがいたな」


「聞こえてるぞ」


 わざと聞こえるように大きな声で言ってやがる。


「おっと、失敬。これは失礼したね。ところで瘴気のことは教えてもらえたかい?」


「んなこたぁどうでもいいだろ」


「ふっ、それもそうですね」


 ……そういえばこいつのせいで有耶無耶になってたな。ちくしょう、してやられたか。


「うわぁああぁあ!」


「っ、どうした!」


 学者を見ると、尻もちを付いて倒れているのが見えた。慌てて駆け寄ると、何かに怯えた様子の学者の表情が目に写る。


「どうかしましたか!」


「大変だ、もう終わりだ……。混沌迷宮が、混沌迷宮が復活してしまった!」


「こ、混沌迷宮だと……!?それは本当なのか!眉唾物だろ!?もし、本当なら、近い内に邪神が復活してしまうんだぞ!?」


 学者の言葉を聞き、屑隊長が学者に詰め寄っている。


「混沌迷宮なんてっ、俺はこんなところにはいられんぞ!」


「おい待て!1人で行くな!俺も行く!」


 騎士どもが騒ぎ始めたかと思うと、次々に街へ向かって一目散に走り出している。


 ……混沌迷宮って、一体なんだ……?

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