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夢の奥で  作者: 関根ゆい
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エピローグ

 季節はすっかり冬になった。朝起きるのが辛くなったな。

 昨夜はちょっと夜更かしして勉強しすぎたかもしれない。どうしても今度の模試の成績が気になる。

 でも、コウヤは期末テスト前だとか言ってもっと遅くまで起きてたみたいだ。


 寝ぼけた体で階下に降りて朝ごはんの席につくと、既にコウヤは俺の隣の席でごはんを食べ始めていた。

 「なんだ、今朝も補習か?」

 「うん。数学だから行く。」 

 コウヤの中学校は難関私立中高一貫なだけあって、テスト前になると1限の前から自由参加の補講があるそうだ。今までは行ったことなかったくせに、なぜか今回からは真面目に毎朝出ているらしい、特に数学の日は。

 どういう事情で心を入れ替え、熱心に勉強を始めたのかはわからないが、家族としては心配が減った。

 

 母親は弁当を詰めながら、何も言いはしないが、コウヤの方を見てうれしそうな顔をしていた。そして、さりげなくコウヤの弁当の方にだけひとつ唐揚げを多く入れる。あ、ずるい。


 「いってきまーす」

 制服の首元にネックウォーマーして、顎を半分うずめ、ポケットに手を突っ込みながら家を出る。ほっかいろあったかいな。

 最近は部活の朝練がなくなったから前より家を出るのがうんと遅くなった。だいぶ日が高い。

 街路樹は葉をおとし、足元は枯れ葉でサクサクいって、ちょっと寂しい光景。

 でも、こういう感じも嫌いではないな。


 学校の最寄りで電車から降りると、まだ始業時刻には余裕があるせいか、改札はぼつぼつとしか人がいなかった。


 (あ…)

 寺井だ。後姿だけで俺には分かる。

 彼女はブレザーの上からコートを着ていた。寒そうに背中を丸めてポッケに手を突っ込んでいる。


 最近、学校の中で会うと寺井から挨拶してくれるようになって、ちょっと驚いている。どうしたのかは知らない。前よりも雰囲気が開けた気もする。


 そんなもんなのかもしれない。

 コウヤも知らぬ間にちょっと成長したし。

 寺井もそんな感じなのかもしれない。

 そういうお年頃なのかもしれない。

 俺も知らぬ間に変れたりするのかもしれない。


 追いかけて、おはようって言ってみようか。

 学校まで一緒に行かない?って誘ってみようか。

 途中で自販機であったかいココアでも買って、寒そうな寺井に渡してやろうか。


 俺は足早に改札をぬけて、寺井を追いかけた。


 



最後までお付き合いいただきありがとうございました!


拙い箇所が目立ったと思います汗が、筆者はとても楽しんで書かせていただきました!

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