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伝説の始まりは現実の終わり  作者: 一ツ柳八重
アンダーグラウンド
9/52

由紀の村は……

いろいろ前設定を隠していたので、ここら辺でいろいろ出していこうと思います。

温かい目で見守っていてください。

 街の出来た経緯と錦戸さんの気持ちも分かったところで、今度は僕の番になる。

 部屋には三人しか居ないけど、説明しされていた時とは違った配置になっている。

 説明時はボードを見て、入口側に錦戸さん、テーブルを挟んでもう一つの部屋側にクリス博士、そして博士と対になるように座っていたのが僕って感じだった。

でも今は僕の話を聞くために、二人とも僕と向かい合う形で座って居る。

「じゃあ聞かせてもらうかのぅ」

 僕は何が聞かれるか分かっている。理解はしているんだけど。

「あ、あの、答えられる事だけしか答えられませんからね?」

 何故か予防線をはる。

 どうしてそんな事を言ったのかは簡単な事だった。

 記憶が全く以て定かじゃないからだ。

 一年前の事を聞かれても、嫌な事しか思い出せない。それと、何か言われたこと位だ。

 それも何を言われていたかも思い出せないしNPCだったのかも分からない。

「そうじゃのぅ。先ずは村についてじゃ。始まりの村があったじゃろ?」

少し考えたのちの言葉。他にもいろいろ気になる事があるけど、それでもこれは先に聞かなければならないと言う感じだった。

「初めて来たときに居た所ですよね?」

「そうじゃ。村は発展こそしないが、初心者プレイヤーが基礎を知った時に自動的にロック――つまり基礎を知った者は出されて入れないが、知らないままだと出れない、と言う場所じゃ」

 そうなんだ。そんな事覚えてないけど。

 でも、僕は逃げた時に普通に出れている。だからこうしてここに居るのだと思うんだけど。

 関心した感じで僕は質問を聞きながら答えていく。

「確かに僕は村からスタートしました。ですけど、スタートして武器の出し方を知った前後に、確かモンスターに襲われたんです」

「モンスターにとはな」

 ありえない話を聞いたという感じで驚かれる。

 さっきも言ったけど、僕は村から出れてここに居るんだけどな……。

「そんな事はあり得ないと思うぞ? そもそも始まりの村はシステム的に保護されている。確かにルールも何もないと言ったが、この世界は現実と同じでリアルバーチャルの名を冠しているんだ。そもそも、本当のリアルには親が子供に生き方や考え方を教える。ゲームの場合はチュートリアルだ。その役割を持っている村が襲われることはまずないんだが?」

 錦戸さんがそう言っているのも分かる。分かるんだけど。

 くどいけど、出れているからここに居るのであって、そんなにありえない、ありえないと言われ続けていると、僕自身を否定されている感じがして、物理攻撃よりも精神に来るんですけど。

「でも事実なんです。僕の村はスライムに襲われたんです」

「なぜにスライムなんじゃ?」

「知りませんよ」

 そう、そもそもあの時にスライムに襲われたって事自体嘘みたいな事だと思う。今では簡単に倒せるし、逃げ出した後も苦戦する事なんて無かった。

 でも、あの時はスライムになす術もなく村は襲われて逃げるしかなかった。

 話しているうちに少しずつ思い出してきていることに内心驚いてた。人の記憶は何かをトリガーにしたら少しずつ思い出すんだ。

「じゃあ他のプレイヤーはどうした? 何人かいただろ? 一人だと危ないからチームについての説明の為に……な」

「確かに何人かは居たと思います。でも、襲われた直後の事しか思い出せないんです」

「バグか何かなのじゃろうか?」

「聞いたことないな。そもそも、徒党を組んで街起こしした人たちも村を襲われている。だがそれは人災だ。入る事は出来ないが、モンスターは入る事が出来る」

 戦闘について教えるためだろうと言う事はわかる。そうじゃ無いと、村から出れないのに戦闘について説明ができない。

「人災って、始めた時にはもう何かそんな事が出来る人が居たんですか?」

「居たのじゃ。一人だけな。モンスターを操る事の出来るプレイヤーが……な」

「それって装備スキルなんですか?」

「違う。それは普通のスキルだ。戦い方によって発芽するのは前に話しただろ? それもスキル枠に自動的に更新されるのも経験してるはずだ」

 確かにスキル習得の際に、ステータスとかもチェックされて条件が……とか言われていたけどモンスターを操るスキルなんて、そもそもそんな戦い方なんて初期じゃできないんじゃ?

「いろいろ考えているところ悪いが、操ると言うのは嗾けるとも言う。犯人が唆し他人に犯罪をやらせることも実行犯もしくは教唆って言うだろ? それと同じだ。モンスターにターゲットをとらせ大量に居るのを他のプレイヤーの攻撃の瞬間に割り込ませる。そうする事でモンスターはその人に集団で襲いかかる……そうゆう事だ」

「でも、ここはゲームの世界でもあるんですよね? 僕はゲームとかあまりした事ないですけど横取りとかって事も可能なんですか?」

「この世界でシステムによって保護されているのはステータスと戦闘だけじゃ」

 じゃあそれ以外は全て制限なし……。そもそもこの世界はゲームじゃないんだもんね。

 僕は本当に何も知らないんだと痛感する。

「お前本当に一年やっていたとは思えないほど何も知らないな。しかもリアルとか言われているのに、どこかにゲームであってほしいとも感じる節がある」

 そんな事ないとは思っているけど、たまにゲームだからと感じている事は確かにある。

 二人の顔を見ると訳が分からないって感じの顔をしているし。

 僕だって分からない。男なのに女になるし。そもそもこれは現実なのかすらも分からなくなっていく。

「そもそも、鏡には矛盾が多すぎる。存在自体が矛盾しているように思えるのだがジジィ……どう思う?」

 そう問いかけられたクリス博士は試行しているようで少しの間唸っていた。

 それから十分の間、誰も話さず回答が来るのを待っていた。

「確かにのぅ。お主の事はこの世界と矛盾が多すぎるのぅ。先ずは村の事じゃ。そもそもスライムに襲われて壊滅するって事はありえん。何せ説明の時に初めに倒すのがスライムだからじゃ。そして、犯罪が跋扈している世界でゲームと感じているのもおかしいのぅ。この世界で死人が出た事は知っておるはずじゃ」

 その話は聞いたことがある。

 この世界で自殺をした人の話。その事が切掛けで、ゲームではなく本当の世界だと世間が認識したのだから。

「知ってますけど……。でも本当なんです。僕はスライムに襲われ、武器の出し方しか教えられてないんです」

「お主、それ以外の事は何も覚えておらんのか?」

「はい」

 正直に頷いた。

 街に何度か来ようとした。その都度村の事を思い出す。そして前後の事は何も分からない。気が付いたら草原に居た。それから、スライムだけを倒していた。

「そうなるとじゃな……記憶を戻すことは出来ぬが、村の所在なら何とかなるじゃろ。今の状態でも新規は増え続けておる。お主の村を特定せねばいけないのぅ」

 博士はそんな事を言っているけど、そもそも村は見えるのだろうか? 見えるなら僕が草原でスライム狩りをしている時に遭遇しそうなんだけど。

「海坊主。本当に都合がいい。ここの建物が周りからLTSと言われている所以を今使えぬか?」

「悪いがジジィ。それは無理だ。ここのシステムは使えない」

「どうしてじゃ!」

「どうもこうもあるか! あのシステムはそもそも検索機じゃねぇ」

「お堅いのぅ」

 何の話をしているのだろうか?

 ここのLTSって初心者を助けるためって言ってたのに。そもそも何で初心者とか判別できるんだろう……。

「あ、あのう、話が見えないんですが」

「おっとわりぃな。鏡に話さないとな。ここには転送システムがあるって言ったろ? そもそもおかしくないか? 人のアクセス機の情報を書き換えて務所に転送なんて」

 確かにそうだけど、そんな事気にもしてなかった。

「ここの地下にある処刑場もそうだが、特殊なプログラムを組める部分も確かに存在する。痛みを感じるプログラムもそうだ」

 ここの世界と矛盾するプログラム……。それが実行出来る場所ね。

「その中の一つがマスターコンピューターだ。それがここのメインシステムとして組み込まれている」

「そのコンピューターじゃが、メインプログラムに何か影響を及ぼすのは削除を自動に行い、新しいプログラムを連結させるいわば、メインプログラムにアクセスできる端末よのぅ」

「そのプログラムは解析こそできないが、始まりの村の置位なら特定する事は可能なんだ。一度特定したら記録されるからな。何より廃村したところも分かるんだ」

 そんなのチートじゃない? 悪用されたら初心者がどんどん出たそばから快楽目的で殺されるかもしれない。

 でも、誇らしげに言ってるけど、僕にとってはどうでもいいような気がする。

「取り合えず、使えねぇよジジィ」

「仕方がないのぅ……。この問題はまた方法を考えるかのぅ」

 なんか勝手に閉められた。

 できれば僕にも分かるように話してほしい。

今回も読んでいただきありがとうございます。

今回と次回で問題の提起をしようと思っています。

それはすなわち、由紀と街の外、後は深夜の街の状態について。今回と次回は由紀についてですが、これからは一部のクライマックスに向かっていけるように頑張りたいと思います。

勿論人間味も出せたらいいですが、何分そこらへんが自分でもわかるほど下手で。それに加えて情景描写も。

そんな感じですが精いっぱい書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

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