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伝説の始まりは現実の終わり  作者: 一ツ柳八重
アンダーグラウンド
41/53

パートナー・そして……

今回で、一部が完璧に終わります。

パートナー制度や、システム、管理者に関して大まかな内容が書かれてます。

どうぞ、楽しんで読んでいただけたらと思います。

前回の更新からかなり時間が経ちましたが、やっと、本来の道に進めそうです。



「起き……」


 声が聞こえる。

 意識がまだはっきりとしない中で、その声の主が誰なのか、考えていた。


「由紀! 目を開けて!」

「はっ!?」


 その言葉に一瞬で覚醒した。

 遠い昔に同じことを言われた。

 あの時は、僕が小学生の頃だった。

 当時の僕は、見た目の事をとても気にしていて、髪を後ろだけ切る様にしていた。後ろだけ切っていた為、前髪が長くて、顔はほとんど見えなかったし、切ったとしても理髪店の人に女の子の髪型にされてしまっていた。

 その他にも、身体もちょっとだけ違っていて、周りは皆筋肉が付き始めていた。身体テストでも、男子の記録には遠く及ばず、女子平均だったこともあり、からかわれていた。

 そんな時に事件、いいや、虐めだったんだろう、親や学校は大事にしなかった事が起きた。

 そう、クラスメートによって、服を脱がされた。

 何年生かは忘れたが、男子よりも女子の方が成長が早かった。

 その結果? その影響があってか、早い男子は性に興味を持つようにもなっていた。

 そして、僕の性別を確認しようとしたんだ。

 女の子だったら、男子として存在しているんだから許されると思ったんだろう。

 そして、結果は。

 男子だった。そして、一人が僕を橋から突き飛ばした。

 服を投げてから。

 落ちているときに確か声がしたがその時に、助けてくれたのも。


「アリス?」

「何よ?」


 そう、確かアリスみたいな感じで声を掛けてくれた。


「どっかであったことある?」

「は? そんな事より、身体は大丈夫なの?」

「え?」


 改めて自分の身体を見ると、至る所が紅い粒子で形成されていた。


「な、なんなの?」

「こっちが効きたいんだけど? シンさん、この状態って」


 声を掛けたほうを見ると、そこにはヨシュアさんが居て、件の男性と話していた。


「彼は大丈夫だった?」

「平気よ。貴方の力のおかげでね。覚醒はこの世界では最も強いスキルの様ね」


 男性は問題ないようで、安心した。

 僕はふら付きながらも立ち上がり、男性の方に歩み寄る。


「すまなかった」


 僕の顔を見たとたんにそう声を掛けられた。


「いいえ。貴方も大変だったんです。それと、お子さんが来たんですから。そんな顔よりも笑顔でいてください」


 そう伝えた。

 本来はありえないんだろう。

 人の人生を狂わせる事をしたんだから、軽蔑や暴言を吐くべきなんだろう。

 でも、それって誰に向けて吐くことなのだろうか?


「あんた、偽善者みたいね」

「でもいいんだよ。僕は今でこそ女だけど、もし現実で起きたら偏見だけは持ちたくないから」

「甘い。被害あってからは遅いのは分かっている?」

「追い詰めるのと、諭すのは違うと思うから」


 アリスと話ながら、親子の再会を見守る。


「二人ともちょっといいか? これからの事を決めたい。街の権利に関して、早急に決める事、それと鏡、君はコンタクト取ったはずだ。他のパートナーとの独自コネクト。それについても話してもらいたい」

「はい」


 僕たちはその場を後にした。

 そして、その空間から移動する際、身体を覆っていた粒子が一瞬反応した。

 一部と言うよりもノイズに近かったが、それが何なのか僕にはわからなかった。


♢  ♢  ♢


 あの後、いつものシンさんの執務室に移動して話が始まった。

 その場にはシンさん、アリス、錦戸さんに、クリス博士が一緒に居た。


「さて、クリス、錦戸、今のところ後遺症とかはないんだな?」

「ああ。俺は平気だが、このじじぃは結構辛そうだ」

「何をいう! わしだってまだまだ現」


 そう手を振り上げるも、その場ですぐ下げてしまった。


「確かに俺含めて、男性は全員、筋肉痛に近い症状や、何人かは骨折、肉離れなどかなりの重体になっている人もいる」

「わしもまだ若ければ、これしき平気だったわけだが、もう隠退かのう」

「わかった。アリス。そっちはどうだった?」


 即答しないのは多分。


「とてもいいにくい事だけど、約三割の人は何とか持ち直してました。ですが、残りの七割の人の大半は未成年が多かった事もあり、依存状態になっている人が多数。反対の症状で、苦痛や恐怖、現実への不安と言う人もいれば、幻覚も起きてる人もいます」

「それを治療できる人は?」

「残念ながら、あの時刻に居た人たちの中には存在しませんでした」

「わかった」


 報告を聞き終えたヨシュアさんは、何かを考え始めた。

 何分かわからない時間が過ぎ、口を開く。


「錦戸。例の物に関して、クリスとの報告は可能か?」

「もちろんだ。これがその資料になる」


 空中を操作したのちに、紙束が出てきてそれを机に置いた。

 ヨシュアさんは、その紙束に目を通しながら話し始める。


「鏡。今君はこの街の全権を握っているのは理解してるな?」

「はい」

「今回の、主に女性に関してだが、この後に話す事にかかわってくるが、君の断罪を管理者権限を使い走らせてほしい」

「そんな事出来るんですか?」


 断罪とは、スキルだ。

 何度も使ってきたが、それは攻撃しかできなかったはずだ。


「クリス。ここに書かれているのは、各省が持ててる物で間違いないか?」

「それは残念ながら無いのう。だが、メインコンピューターに対して行える、追加モジュール、システムなどの事から、わしらの様なものでも可能なのは既に知っておるはずじゃ。その中で、海坊主のシステム権利と、ヨシュア、あんたの鉱石、今では七光鉱石のシステム権限が合わさって、可能と言うならば、可能じゃろう。とくにスキルの代理公使に関しては、リンクシステム含め行えた訳じゃからな。今の由紀にはその権限の他に、感覚共有、システム外リンク、その他ステータス、登録情報の書き換えまで行えるはずじゃ。だか、それを行うにはパートナーが必要になるのう」

「あの、そのパートナーって?」


 意識を失った時にも聞いたパートナー。

 簡単に言えば、七光鉱石には専用に一人パートナーが存在するようだ。

 感覚的には護衛に近い。


「パートナーは、現実、本来の世界で、七光鉱石の所有者本人にとって必要な存在を意味する。それは、結婚とかそうゆう物ではなく、オカルトチックだが、魂の対となる存在だ。その人が居ればいいと言う訳ではなく、現状を打破する為にその人が居ないとそもそも解決しないと言う人物を言う。ほとんどの場合、現実で出会ってる人が対象になりやすいが、俺みたいに外国にいる人もいる訳だ。その場合、こっちの世界で引き合うようにできている。その人物は七光鉱石が選別して、登録時に紐付けされている」

「それって、つまり運命の人ってことですか?」

「違うわ。運命は決まってしまっている事柄よ。七光鉱石が選んだパートナーは運命の外に要る存在。つまり、運命ではなく、もっと言えば、運命を壊すイレギュラーな存在になるのよ」


 でも決められているって。


「そもそも、その人と関わらないで生きてる人なんて沢山いる。だから、運命なんてそんなのは出会った時に感じるものではないわ。もし、関わるような事が起こるなら、その状態を変えるために出会う事になる。言い換えれば、変えられるからこそ出会う、そして結果が必ず変化を起こす事に該当する事。つまり、必然的に出会う事になる人よ」

「そうだ。パートナーと言われる人は、運命なんて馬鹿な後付けで生まれる者じゃない。既に関わることが決まっていて、行動を起こすと必ず出会う事になり、同時に会う事が決まっている、その事柄を打開するときには何度同じ問題に直面し、それをどんな形でも変えるときには必ず出会う存在と言う事だ」


 じゃあ、運命って。


「運命なんて口触りがいい妄想と、陽キャや頭お花畑の馬鹿が見ている言葉よ」


 そうなんだ。

 女の人にも色々いるんだな。


「と、反れたが、鏡、君のパートナーはそのアリスだ。波長から性質、反作用に関して間違いない。君が現れた時に彼女の鉱石が反応を示した。そして錦戸と同じ効果を発揮したのを確認している。同時に、彼女は無意識に君に接触してしまう状態でもあり、もっと言えば、君を守ろうとした。あのゴブリンの時に俺に喧嘩を売るほどに」


 その言葉が続けば続くほど、アリスの顔が赤くなっていく。

 ええっと、なんで赤くなっているんですか?

 いや、さすがに業とらしい。

 僕からしても、恥ずかしさはある。

 理由は、気を失っていた時に、昔助けてくれた女の子を思い出したから。

 それは、アリスだったらいいな、って一瞬しまったから。


「アリスさんが僕のパートナー?」

「そうよ! 悪い?」


 言葉はきついのに、どこかその声には嬉しさが混じってるような感じを受ける。

 アリスは僕の方を全く見ることなく背けてるが、組んでる腕が小刻みに動いている。


「話進めるぞ。それでだ、君たちは一度向こうの世界に帰った方が良い。今の時間が夕方の18時だ。しかもこっちに来ている時間は丸二日に該当する。この詳しい時間に関しては、後程わかるだろう。それと、あと少し共鳴するようになると、専用の空間に意識が飛ばされるはずだ。その状態にあと一か月で達成するんだ。同時に、来週に今回話したものを実行する。本来は俺がすべきものなのだが、鏡に頼るしかないのを、改めて謝罪させてくれ」


 そう言うとヨシュアさんは、深々と頭を下げた。


「いいえ! 大丈夫です!」


 確かに現状僕がしないといけない。

 それをしないと、この街に居た人たちが辛い思いをするだろう。後遺症に苦しんでいる人もたくさんいるし、それを招いた元凶に等しい訳だし、何よりもこの街の決定権をすべて奪ってしまったのは僕自身なのだから。


「それで、僕はアリスさんと共鳴するにはどうしたら」


 共鳴。

 分からない事だらけで、アリスには変化あった訳だけど、僕には何も変化なかった。

 あったとしても、他の人との共鳴だった訳で、それがどうしてなったのかすらわからないのだ。


「アリス、君はまず本名を教える所からだ。君たちの事情は把握しているが、それでも離さないといけない。何で君がこの世界に来て、彼を見つけられたのか」


 隣から、煙が出るほどの空気が伝わってくる。

 恥ずかしがっているようだけどどうしてだろう?

 そもそも、今更気が付いたが、アリスにはヨシュアさんは『彼』と言う。

 でも、錦戸さんたちには『彼女』と言う。

 どうしてだろうか?

 そんな事を考えていたら、顔に出てたのだろう、ヨシュアさんが話してきた。


「その疑問は本人に聞くと言い。君にとって今後必要だろうから」

「はい」

「儂らは用済みじゃのう。では、ヨシュアよ。儂らはこれから準備に取り掛かる。それと、また行方を眩ますんじゃろ。シンとして」

「ばれてたか。そうなる。その話は、彼女たちが去ったのちに話そう。それでは解散だ」


 そう言われ、僕たちはその部屋を後にした。

 アリス、その名前は偽名だった訳で、本名が別にある。

 でも、何だろうか。彼女の名前は知っている感じを受けた。

 あの恥ずかしがり方、昔確かにあっている気がする。

 でも、それはいつだっただろう。

 遠い昔。

 思い出せないことが本当に悲しくなる、そんな感覚だった。


いつか必ずユリ展開書いて見せる!

そんな思いを持っていますが、今回はパートナーアリスに関しては触れない様にしました。

次回で直ぐにかきますが、奴隷都市の攻略に関して、一人では無理なのは明白です。絶対悪と言う概念がこの世界には存在します。

反対に絶対善も概念としては存在します。ですが、物語の中で、何が正しくて何が間違っているのか、それは読む人によって変わってくるかと思います。

人を操ることが悪なのか? 弱みに付け込むことが悪なのか? それをすべて忘れさせることが正しいのか?

それは人によって違っていて、後遺症と言う重い症状も不幸だと言う方も世の中に居ます。

ですが、それを長所、自分なんだと受け止めて頑張っている人も世の中にはいます。

私の書き方、それ以外にも文章力が追い付いていないが為、表現が出来てない事も多々あるかと感じます。

何が悪で何が善なのか? それを考えるそんな一章になってくれたらと思います。

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