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伝説の始まりは現実の終わり  作者: 一ツ柳八重
アンダーグラウンド
13/53

服選び

服屋に来た由紀は、少女に言われるがまま服選びをすることに。

でも、それはただの興味にだんだん成り代わり……。

服選びのお話です。

 中に入るとそこにはいろいろな服が……。

 と思ったけど何も飾られてなく、あるのはカウンターと棚、その棚に置かれている物は服にまったく以って関係なさそうな小瓶や、怪しい液体、蛇の生首など仕立て屋とは到底思えない内装だった。

 光源は普通だと信じて明るい方を見ると、そこには至って普通のランプが置かれているのと、天井からぶら下がってる二つがあった。

 僕は中に入っていろいろ観察する。

 広さは大体入口側が奥行き6メートルの幅4メートル高さが5メートルくらいの直方体と感じる。それに加えカウンターの奥にもまだ広がっているみたいで、もう少し広い感じもする。

 そして、入口と、奥に続く出入り口が1か所の計二か所。窓の類は無いからアンティークの感じを出すにはもってこいだった。


「おじさん! 居る? 服がほしいんだけど!」

「またこれはご立腹だ」


 すると奥からハンサム? な男性が中から出てきた。

 話し方から察するにかなり親しいように感じるのは間違いじゃない。


「で、今回は何の用だい?」


 いたって普通の声音でかなり聞きやすい声だと感じた。

 人の耳には男性の低い声が聞き取りづらいと言う事がある。それは守るべき者でないからでもあって、その逆に守るべき者は聞き取りやすい傾向にある。例えば子供とか女性とか。

 でも、近年女性の方が強く、男性の意義って言うものが薄れてきている気もする。


「この子の服がほしいんだけど」


 素っ気なく注文をする。

 それを聞きうけた――ここでは服屋さんとしよう、服屋さんは試行する上で僕の事をじろじろ舐め回す様に見ていた。


「ほほう。これは中々の逸材だな。はだけてかなりのエロスを感じるに加え、髪型はショートでブレスレットに赤の鉱石か。これなら制服系だが」

「そんなのやめてちょうだい!」


 やっぱり制服がデフォルトなんだ。

 女の子はかなり怒っている様子で服屋さんに突っかかっている。


「と言われてもな……。ファンタジー物でも行くか? ちょうど君のメインの服みたいな」

「ちょ!? 何でそれ今言うのよ! 私の今の服装見えてるでしょ!」


 僕は言われて今初めて女の子の服装を見た。白い生地に赤いラインが十字に腕に入っていて、方からマントみたいなのが腰のあたりまで垂れている。ボトムスは赤いミニスカで、白いロングブーツを履いている。

 これは意外にシンプルな衣装なのでは?


「そう怒るなって。そもそも、制服系じゃなかったらかなり迷うぞ? ファンタジーもなしなんだろ? とりあえず俺の店にある物を出してやっから君ブレスレットを出してくれないか?」


 言われるがままにブレスレットを出す。

 服屋さんは僕のブレスレットに緑の鉱石が付いた銀色の羽をかざした。羽から緑色の光が少しの間出て、ブレスレットの銀色部分を緑色に発光させる。


「いいぞ。それで試着してみろ。オープンって言って試着ってボタンがあるからそれを押せば選べる」

「わかりました。オープン」


 赤い粒子が四角く型を作り囲われた中に文字が浮かび上がる。

 その中に試着と言う文字が点滅していたのでそれを押すとたくさんの衣装がハンガーにかかったイラストで表示された。


「これなんか良いんじゃない!」


 女の子に何も言わない間に押されて赤い粒子の竜巻が僕を包み込む。

 収まったそこに居たのは、ピンクのミニスカにピンクの白衣を着ていて頭には長方形の物が乗っていた。それに加え何故か白いニーソに、3㎝位の白いハイヒール。


「お? これは中々の眺め。これなら髪の色も染めるのも有りかもな! 染めてみるか?」

「嫌だよ!」


 服屋さんの視線はさっきまでは頭に向いていたけど、今は太ももに刺さっている。


「おい、変態野郎。どこ見てんだ」

「わりぃな。お前じゃ見せてくれない物をな!」

「男って皆こんな屑なこと考えてる訳?」

「失敬な。俺はいたって正常な反応だぜ? こんな美少女ナースが居たら触りたくもなるだろ?」

「屑が」


 僕の着ていたのは紛れもなくナース服だったけど、これ着せたのって彼女じゃないんですかね?

 早く着替えたいからいろいろスライドさせてみていく。

 するとまた手が伸びてきて押された。

 今度は赤いハイヒールに網タイツ、スク水みたいなものだけど方に留める物が無く、方から鎖骨まで丸見えだった。胸元も開いていて頭にはウサミミが。

 これは僕に何の恨みがあってこんなのを着せるのか問い詰めたい。ワザとじゃなければ許せるけど、これは確実にワザとだと分かる。


「今度はバニーか。眼福眼福」

「お前の目玉つぶしてやろうか?」

「あなたが押したんですよね? これ?」


 突っ込みを入れてみると、直ぐにこちらを向いて顔を赤くしながらなんか言ってきた。


「だ、だって、可愛いからお色気路線でも悪くないかなぁって」

「パジャマだと襲われるって感じで言ってたのは誰でしたっけ?」

「だって、女の私でも可愛く映るんだからしょうがないでしょ!」

「それを言うなら俺だって健全な男子なんだからエロくてもいいだろ!」

「貴様は黙れ!」


 カウンター越しの服屋さんに向かって何かを投げた。それは銀色で尖っていて長さは30㎝前後の――短剣に見えるものだった。

 それが勢い良く服屋さん目掛けて飛んで行ったが、紙一重で回避した。飛んで行った後にはピンク色のラインが引かれていてオーロラみたいにうねっていた。


「おわ!? あぶねぇじゃねえか! お前の短剣は尋常じゃないんだから投げるなよ!」


 短剣は壁に刺さっていたけど、その壁が少しだけクレーター状にへこんだ。


「エロい男性を串刺しにするには勿体ない代物よ。感謝しなさい」

「殺す気か!」

「ええ。もちろんそのつもりで投げたんだけど?」


 さも当然のように答えている。こうゆうのをクールと言うのかな?


「ぼ、僕の服選ぶんじゃ」


 僕はいつの間にか呆れ果てていたらしく元気がなくなっていた。

 仕方が無いので自分で今度はスクロールするものの、また手が伸びてきて。

 今度は紺色の毎度おなじみのスク水。


「これは胸が強調されていいわね。それにスタイルもいいし」

「これはいろいろとまずいな。そもそも素体が良すぎる。こんな瑞々しい白い肌なんてそう居ないぞ」

「そうそう。こんな子はめったにいないわ!」


 なんか意気統合してる。僕って着せ替え人形か何かなのかな!

 そして新しいのを探す度、手が伸びてきた。警官に、タンクトップとホットパンツのセット、ビキニにバスタオル、ウエディングドレスに、パーカー、何かのアニメのコスプレに、何種類ものの服を着せられた挙句我慢できずに大声を上げた。


「やめてくださいよ! もう自分で決めます! こんな事されるならパジャマのままがいいです!」

「え!? なんで! 私の好奇心を満たしてよ!」

「俺もオカズをくれ!」

「僕は食べ物じゃありません!」


 そして僕もショートソードを出して、女の子には振って服屋さんには投げた。投げた剣は霧散しながら飛んでいき壁を壊すことになった。


「お、おい? ちょっと待て。威力がシャレになってねぇぞ?」

「ご、ごめん悪かったわ。できれば消えてすぐリアクトしたのをしまってもらえない?」


 声が震えながらそう言ってきた。

 僕は素直にしまって服選びを再開する。


「解ればいいんです」


 そうして一人でスクロールして、ファンタジーと言う項目に辿り着く。その中は沢山の仮想衣装があった。普通じゃ着ない様な魔法使いの衣装に、簡易性の戦士の鎧。ドラゴンメイルとかもあって、その中の一つに目を奪われてクリックする。

 それは青を基調にして白いアクセントがある物だった。二段のスカートで、一段目は白で二段目が青。胸元は少し開いているし肩の所も見えているけど。首から鳩尾の前でクロスするように羽衣みたいなのが付いていてあまり胸は見えない。


「商品名は、水龍の法衣か」

「お? それにするかい? なかなか似合っているじゃないか」

「確かに。白い肌といい具合で合わさっていて羽衣がなかなかの美女オーラを増幅させているわね」

「今回のオカズはこの衣装にそのふとも!?」


 全部言い終わる前に短剣が勢いよく飛んで行った。


「次言ったらスキル使うわよ?」

「いきなりはやめてくれ。死ぬ」

「何度も言って分からないからでしょう?」


 この二人は何なのだろう。人の事を人形にした挙句、利害が一致しないと物理的に攻撃をし、そうじゃ無ければフレンドリーにして。


「この服のお代は私が払うわ」

「そうかい? じゃあ、君、ブレスレットをまた貸してくれるかな?」


 そう言われたので僕はブレスレットを服屋に貸した。すると同時に衣装は解除され元のぶかぶかのパジャマ姿に戻る。

 先ほどと同じようにかざしたら色が消えていつものブレスレットに戻り、緑色の光が球体になり僕の鉱石に吸い込まれた。


「ほら、これでいいぞ。リアクトしてみろ」

「リアクト……水龍の法衣」


 すると、ブレスレットから赤い光が出て、紅葉の竜巻が起きたように僕を包み込む。

 それが収束し綺麗な粒子がいたるところで細やかに散っている中で僕は先ほど買ってもらった水龍の法衣を着ていた。


「うわぁ、こんな服着たの初めて」


 女の子の服なんて制服のみだったからすごく新鮮。


「お前さっさと金払えや。代金は五万八千円だ」

「解ってるわよ! オープン」


 すると女の子は腕に付けていたガントレットをかざして操作し、ピンク色の球体を出した。それは服屋さんが手を伸ばしたことによって銀色の羽に吸い込まれる。


「毎度あり!」

「さっさと出て行くわよ! こんな屑のいる所なんて長いしちゃダメ」

「おいおい、それは無いんじゃねーか。これでもかなりの種類揃えて……っていねーじゃねえか!」


 僕たちは既にお店の外に居て、中からの声を背中に受けた。


前回から大分時間が経過しました。

多分二カ月くらいでしょうか? お待たせして申し訳ありません。

あの後から何人か読者様にいろいろ感想をいただき、精神的にダメージを受けるものが多々ありまして……。

そんな私情によるところがほとんどなのはここで謝らせていただきたいと思います。


かれこれ、その間何もしてなかったわけではなく、何話か書いておりました。クオリティなんてたぶん今までの中で、これからの方が悪くなりそうですが、もともとの部分は何も変えずに頑張りたいと思います。

一時の気持ちの整理をつけて、また不定期になりますがこれからも更新しようと思います。


そして、本編の方ですがやっとまともに動かせるところまできました。ここがスタートラインです。

戦い、スキル、ステータス、対人戦に買い物。これですべてが出そろったと思います。

ここからが本当の話になり、楽しめるとうに頑張って行きたいと思います。

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