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アメ=遠藤亜魅編 第三部

グロテスクなシーンあり

ご注意を

放課後の時間が、一番好きで、一番嫌い。

好きな理由は、学校という束縛から逃れられるから。

嫌いな理由は、偽者と顔をあわせなきゃならないから。


「亜魅!おかえりっ。おやつあるわよ?」

「後で食べる。置いといて」

家に居座っているこの女。香水のにおいがぷんぷんする。食欲なんて、すぐ失せる。


ばたん。

あぁ、おちつく。

やっぱり、私は私の部屋が一番好き。

誰も入ってきてほしくない。

ここは、私の領域なのだから。

偽者の母親。それをなんとも思わない父親。


私の頭に、一つの案がよぎった。

ケス。

!?

ちょっと待って。それは、犯罪でしょ・・・。

いくらなんでも、やばい・・・・。


「あーみーっ。いつまで寝てる気!?寝坊して学校遅刻よ!」

昨日、そのまま寝ちゃったみたい。

まだ、頭には、二文字の言葉がよぎっている。


ケス・・・・・・・・・・・


ふいに窓の外を見ると、人間がたくさんいた。

ごみ捨てにきたとか

朝のジョギングとか

犬の散歩とか・・・・・・・・。


嫌だ。自分以外の人間を見るのは。母親と自分以外を目に映したくないっ!!

「亜魅。さっさとご飯食べて・・・・・」

私は無意識に包丁を取ると、ギロリと目をむいて、そこにいる女に突き刺した。

「死ねっ!偽者!お母さんをかえせ!偽者!偽者!死ね!!」

グサ。

グサ。

父は目を丸くしている。

私の息は荒かった。

「ぜぇ・・・ぜぇ・・」

「亜魅!お前・・・何をしているんだ!!」

父の方に振り向くと、今度はそいつを襲った。

「なんで!お母さんを捨てて、ほかの女と結婚したの!!

私、あいつがだいっきらい!今のお父さんも、だいっきらい!!!!」



血で薄汚れたまま、学校へ。

誰にも会わずに学校へ行けた。

それもそうだろう。

だって、もう、一時間目始まっちゃってるから。


「遠藤さん!遅刻ですよ!」

先生が私を叱った。男子がニヤニヤ笑ってる。


(アイツラモ、ケサナキャ・・・・・)


いつもどうり、けなされて

いつもどうり、かばわれて

うんざりする。毎日が。

人間なんて、生まれなきゃよかったのに。


理科室を通りかかった、そのときだった。

理科室の中から、声がする。

よく聞くと、恵理華の声。

「亜魅。今日遅刻してたね。ばかみたぁ〜い」

「ちょっと優しくしてやったから、気ィぬけたんじゃね?」

「そのままセンコーにも嫌われちゃえばいいのに!」

理科室に高らかな笑い声が響く。不思議と、悔しくも悲しくもなかった。

ただただこみ上げてきた思いは・・・殺意。


ガラッ!

恵理華たちは驚いていたが、気を取り直したように、私の方へ歩いて来た。

「どーしちゃったの?負け犬さん?また男子に絡まれちゃったの?」

私は何も喋らなかった。

「何とかいえ!クソアマ!!」

一人が、私の頬を引っぱたいた。痛くなんかない。

これから、もっと痛い目にあってもらうから、こんなの痛いうちに入らない。

グサ。そいつの腹に包丁を突っ込んだ。

「いぎゃぁぁぁっ!!」

「痛い?痛いだろうね。少なくとも、さっき私が感じた痛みよりは」

そいつはすぐ死んだ。ガキは生命力が少なすぎる。


2人、3人と、私の目の前から姿を消した。

「いやぁぁぁ!」

「ぐぁぁぁああ!!」

残りは、恵理華一人。

「ご・・ごめん。亜魅・・・。誤るから、お願いだから・・。殺さないでっ・・・」

「無理。私、あんた嫌い。トップだからって調子に乗って、いい子気取り。虫唾が走る」


さよなら


理科室は血まみれ。あいつらの心もきっと血まみれ。私の心は、達成感と、青空。



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