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転生したら魔王が勇者になりました。  作者: よく分からん生命体
三章 白の死神 第二幕 タルタロスの迷宮
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89話:繰り返される経験

 シーサーペントとは、主に海中に生息しているドラゴン種の水中生物である。


 そしてここは迷宮(ダンジョン)内に生成された地底湖。


 ということで、こんな化け物がちっぽけな地底湖にいるなんて思うわけないでしょうがぁぁ!!


 影の触手(シャドーテンタクル)


 足に絡まってるのはどうせ水草かなんかだろ?

 すぐに排除して……違うわこれ、タコの足だわ。


 てめぇ何してんだ!

 俺も触手出してたからって親近感でも湧いちゃったか?


 じゃないんでしょうが!


 バケモンが襲いかかってきてんだよ!


 頼むから離してくれ!


 でなければ貴様の足を切り落とすことになるぞ……。


 ”ビクッ……”


 お、離してくれた。


 物分かりのいい子だったな。あと少しであの子が今夜の晩餐になるところだった。


 急がないと俺がシサペンの晩餐になりそうなんだけどね!?


「ぷはっ!!死ぬかと思った!」


 飛び出てきたからちょっと肺が痛いけど。


 外には敵はいないな。


 というか全員大集合してるし。


「無事だったか兄ちゃん!

 俺はてっきり死んじまったのかと……。」

「死んじゃいないよ、なんとかね。」


 本当にギリギリだった、少しでも触手を使うのが遅れてたら片足は食われていたな。


「すぐ火焚くから待ってろ!」

「助かるよ。」


 さすがに体温を持ってかれるのはきついからな。できるだけすぐに対処したい。


「ゲホッ……。」


 あれ、今の誰の声だ?

 ここにいるメンバーの声じゃないし、俺の胸の中から声が聞こえたような……


「あ、カナメ悪い!」

「ほんまやわ!おかげで死ぬとこやったんやで!?

 なにが「ダンジョンの中にいる時は危ないから隠れていろ」や!

 隠れとっても死にかけてるやんけ!」


 はい、今回の件はあなたがいることを忘れていた私の不注意でございます。


「なんだそれ、喋るネズミ?」

「あ、えっと、その辺で見つけ……って、君誰。」


 こんな女の子ここにいたっけ。


 明るい綺麗な栗色の髪と瞳


 いや待てよ?俺より少し低いくらいの身長で少し細身。

 この体格に合致するやつが一人いた。


「……もしかして、ナーヴァ?」

「え、そうだけど?」


 女の子だったんですね気づきませんでした。


「はぁ……。」

「何?」

「いや、デジャブだなって思って。」

「はぁ?」


 俺が直近に外見で性別が判断しにくい子に会っているなんて思うわけないよな。


 そもそも自分がややこしい格好しているなんて自覚もなさそうだし。


 それにしても、ターバンがないと普通に女の子だな。


「なにさ。」

「別に。」


 この感じ、下手なこと言ったら怒られそうだな。


 お口にチャックしておこう。


「なんやこの姉ちゃん。

 なんか顔見てるだけで異様にイライラしてくるな?」

「おぉ?なんか言ったか?」

「何言ってんだろうねこのネズミは。」


 余計なこと言ってんじゃないぞこの畜生が。


「ぐぇ、やめろや。

 そないに強う腹押されたらしんどいで……。」

「あの、さすがにやめてあげたら?」

「わかったよ。」


 本人に止められたらな、今回はこのくらいで勘弁してやろう。


「おーい!火が焚けたぞ!」

「わかった!

 さ、早く温まろう?」

「うん!」


 前から思っていたが、迷宮(ダンジョン)の中はそこまで暑くないんだよな。

 そのせいで迷宮(ダンジョン)内で濡れると体温を一気に持ってかれる。


 もしかしたら、迷宮(ダンジョン)は何かしらの通気口があるのかもしれないな。


 そういえば、焚き火をして二酸化炭素が充満しないのもこれが理由なら納得できるか。


「くしゅん……!なんか、火に当たってるのに寒くなってきた。」

「当然だよ、服が濡れたままなんだから。

 早く着替えないと風邪ひくよ?」

「あ、そっか。」


 というか俺も着替えよう。


 着替えはどこにあったか、後で物陰で影から取り出そう。


「よっと……。」

「は?ちょ、待て待てここで脱ぐな。」

「え、なんで?」

「なんでもクソもねぇよ。」


 なんていう恥らいの無さ。


 ここは体育前の小学生の教室じゃねぇんだぞ。


「おぉ……。」


 おい見るな変態共。

 三人とも目玉くり抜いてやろうか。


「着替えるならせめてあっちの陰に隠れて着替えてくれ。」

「だからなんでだよ、こっちの方が暖かくていいじゃん。」


 ちょっとこの子真面目に言ってるのかしら?


 え、こんな気色の悪い目線を感じないの……?


「あのねナーヴァ、人のいるとこで肌を見せるなんてはしたないことなのよ?」

「そうなの?」


 はいそうです。キーラさんの仰る通りです。


「あ、でも着替えはあるよ。

 別に裸になるわけじゃないし、いいじゃん。」

「おぉ……!」

「待て待て出すんじゃない!」


 なんでよりにもよって下着を取り出すんだこのバカ!


「キーラさん、強制連行。」

「承りました……。」

「え、ちょ離せぇぇえ!」


 些細なことをきっかけに色んなもの滅茶苦茶にして、なんか嵐みたいなやつだったな……。


「思ってたよりでかかったな。」


 コソコソと、女の目がなくなったらすぐこれなんだ。


「俺は着替えてきますね。」

「はーい!」


 男ってほんとバカよねぇ、こうも機嫌が良くなっちゃって。


 どうして一回りくらいも年下に欲情できるのか、理解に苦しむ。


「そういえば、シャカはああいうの興味無いのか?」

「まぁな、見たってしょうがねぇし。

 てか、なんでそんなこと……はっ!?」


 え、何?今なにを思いついたの?


 「まさか、実はお前もあっち側なのか……?」

「それだけは断じてない。」


 あの下衆共と一緒にするんじゃないよ全く。


「それじゃあ俺も着替えてくるから。」

「……変なことするなよ?」

「するかよ!!」


 最悪だ、あいつらのせいでシャカに対して変な目で見られるようになった気がする。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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正直でいいので感想を書いてくださると参考になりますのでそちらもよろしくお願いします。

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