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転生したら魔王が勇者になりました。  作者: よく分からん生命体
第三章 白の死神 第一幕 相棒との出会い
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75話:砂漠の遺跡

 なんで俺は従者以外とパーティーを組むとこうも予想外のことが起こるんだろう。


「ひぃふぅみぃ……うへぇ、ざっと二十体はいるんじゃねぇの?」


 さすがに、ハイエンドグリズリーの大群と一緒に迷宮(ダンジョン)に落ちる。


 なんて考えもしなかったけど。


 この迷宮(ダンジョン)は……柱が大量に生えてる。


 遺跡型か、最悪のケースだな。


「ガルルルルル……」


 とはいえ、あちらさん方もちょっと経験した事の無い事象に混乱してらっしゃる。


 こんなのと戦わないで済むならそれに越したことはないが。


「ガォォォォォォ!」

「やっぱ来ますよね……。」


 五匹ごとに隊列を組んでこっち突っ込んでくるのか。


 多分違う群れが混ざっているのに統制が取れているのは、俺とシャカを共通の敵だと認識して結託しているのか。


 こいつら、猛獣のくせに頭がいいな。


「シャカ、突っ込むなよ?」

「わかってる!」


 この隊列はさっきのシャカの戦闘スタイルを見て学習した結果だろう。


 シャカは流れるような剣舞で、乱戦に見えて一体ずつ確実に処理していた。

 でも、この隊列は前衛がやられている間に後衛の熊たちが一気に押し寄せてくる。


 いわば前衛の犠牲を前提とした相手を確実に殺しにくる戦術。


 現に前衛には少し動きの鈍い熊が配置されているし、老い先短いやつが率先して来たんだろ。


 倒すなら隊列を崩すのが一番手っ取り早いよな。


 さて、どうやって崩そうか。


「アルタロム、口開けてっと舌噛むぞ?」

「え?」


 あの、なんで俺抱え上げられてんの?


 待って何する気?


 やめてね?


 絶対届かないからさ?


「いっせーの!!」

「人の事投げるんじゃねぇぇぇえ!」


 なんていう怪力……。


 熊さんたち動きを止めて呆然とこっちを見あげちゃってるよ。


「後ろから頼んだぞ!」


 俺を投げ飛ばして挟み撃ちをしようってことね。


 強引で極端なやり方だけど、おかげで苦戦せずに片付けられそうだ。


 影の触手(シャドーテンタクル)


「なにそれ!?」


 まぁ、こんなの見た事ないよね。


 説明するのが面倒だなぁ……。


「あ、ちょっ!俺の分も残しとけよ!」


 そんなの面倒だわ。


 八本の触手でさっさと全部倒しちゃうよ。


「あーあ、全部首が落ちてら。

 これじゃ生きているやつなんて居ないよなぁ。」

「上に出たら取り逃した三匹がいるだろ?

 場所はわかっているから、後でそれを倒せばいいさ。」

「まじ?やった!」


 ここまで来て取り逃がして依頼失敗なんて絶対に嫌だからな。熊に影を仕込んでおいた。


「シャカも戦うことが好きなんだな。」

「あ?いや、好きっつーか、最近は動いてねぇと落ち着かねぇんだ。」

「落ち着かない?」

「色々あってな!」


 戦う時はずっと笑っていたから戦い好きだと思っていたんだがな。


「それよりさ!ここ迷宮(ダンジョン)だよな?

 さっさと攻略しようぜ?」

「待った。君は本当にS級なのか?

 遺跡型の迷宮(ダンジョン)はなにか厄介な構造をしてるんだよ。」


 前に入ったのはフィーアとイフと入ったやつか。


 あの時は暗闇が特殊構造だったようだし、入ったら何が起こるか。


 影で撤収できるかな。


「いや、この迷宮(ダンジョン)は未発見だったろ?

 未発見の迷宮(ダンジョン)を発見したら報奨金。攻略したらさらに高額を貰える上にランクアップまでさせてもらえるんだぜ?」

「早く攻略しよう!」

「現金なヤツ。」


 そっちが焚き付けたんだろ。だから幻滅したような目で見るのはやめてくれよ……。


「遺跡型の守護者(ガーディアン)って、どんな魔物かね?」

「んー、守護者《ガーディアン》は迷宮(ダンジョン)のある環境に左右されるからな。

 砂漠の遺跡ならゴーレムとかかな。」

「ゴーレムかぁ、硬いだけでやった気がしねぇんだよなぁ……。」


 戦うのが好きじゃないのに相手の好みはあるんだな。


 いや、戦いが好きじゃないからこそか?


「とにかく入ろうぜ?

 入ってみないとわかるもんもわかんねぇだろ。」

「……はぁ、それもそうだな。」


 まぁ、どれだけ強力な迷宮(ダンジョン)でも俺がいれば問題は無いだろ。


「入口ってあるのかな。」

「あそこにでけぇ扉があるぞ?」


 うわぁ、ほんとだ。すげぇ綺麗な扉があるわ。


 ……いや待てよ?


 なんだこれ、いくら自然からかけ離れている迷宮(ダンジョン)だからってこんな彫刻のある扉なんてありえない。


 この扉は人工のものだ。


「待って、シャカ。」

「あ?」


 あー、開けちゃった。


 この異様な魔力の流れを感じて迷宮(ダンジョン)かと思ったけど、ここは迷宮(ダンジョン)じゃない。


 人工の建築物だ。


 でもなんでこんな砂漠のど真ん中に?


 そんなもん決まってる、誰かが隠したいものがあったからだ。


「お、おい。なんか立ってんぞ……?」

「あれは……食屍鬼《グール》か?」


 広い円形の空間に一人佇む屍喰鬼(グール)……こりゃ本格的にヤベェ感じの雰囲気だ。


 うん、懐かしい腕を掴まれる感覚。


「シャカ?どうした?」

「ぐーる?いや、ちょっとなにあれ……。」


 ……あれ、この世界って屍喰鬼(グール)って居たっけ。


 いや、いない。


 ツギハギの顔と肌、あれは明らかに漫画とかゲームにいた屍喰鬼(グール)だ。


「あっ……あっ……。」


 動いた。そりゃ動くよな不死者で有名な屍喰鬼(グール)だし。


 問題はこの屍喰鬼(グール)の縫い目が真新しく人為的につけられている点。


 間違いない、この屍喰鬼(グール)は人工的に作られている。


 それも、俺の居た違う世界から来た人間によって。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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