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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

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準備回

「では、準備に取りかかれ。」


 ギルドマスターの指令と共に職員が去る。

 レベリアラ達も会議室から出る。

 すると、アリアがグレンチームに合流する。


「はいこれ。ハンターカード。」


「裏方の分は?」


「後で渡しておくわ。」


 裏方組は来ていない。

 手に持っていたハンターカードをハント組に渡していく。

 アリアがメンバーのカードを集めていたようだ。

 それを見たエリクが驚く。


「なんか、星が多くないか?」


「本当なんよ。」


 シルファも確認した。

 確かに、元々上げる分の星よりも多い。

 アリアが言う。


「最高ランクよ。応援かしらね。」


「サービスしておくからしゃんとやれよと。」


「そうとも取れるわね。」


 つまるところ、発破をかけたのだ。

 ギルドなりの応援なのだろう。

 アリアが言う。


「それよりもあなた達。怪我は良いの?」


「誰に言ってんだ。完全復活だぜ。」


 エリクが拳を上げる。

 雷の傷は、もう無いのだろう。

 グレンが言う。


「あぁ。もう大丈夫らしい。鈍っているかもしれないがな。」


「そうね。なら、明日までに慣らしておいて頂戴。」


「分かっている。帰ったら早速特訓だ。」


 しばらく安静にしていた為に、動いていなかったのだ。

 戦うには、体を動かしておく必要がある。

 アリアと別れたハント組はギルドハウスを出る。 

 グレンが言う。


「いよいよか。」


「ま、まだ時間がかかるけどな。」


「武器届けたばかり。」


「つまり、それが終わればなんよ。」


 武器を見てもらっているのだ。

 戦いの途中で壊れたら、目も当てられないからだ。

 エリクが言う。


「エリア鬼か。」


「当時すごい騒ぎだったのを覚えてるんよ。」


「聞かない日が無かった。」


「確かに。どの新聞もあの事しか書かれて無かったからな。」


 惨劇として語り継がれるほどだ。

 グレン達も当然耳にしている。

 シルファが言う。


「そんで、そのエリア鬼に挑むと。人生何が起こるか分からんよ。」


「同意。」


 普通なら、歴史に残る出来事に関わるとは思わない。

 そう話していると、エメリナの研究所に着く。

 慌ただしく獣達が走り回っている。

 シルファが言う。


「ありゃりゃ、忙しそうなんよ。」


「邪魔にならないようにしないとな。」


 避けるように、研究所の中へ。

 そして、体を動かすべく裏へ出る。

 作戦の準備が進んでいく。



 それから、次の日の事だ。

 体を動かしていたハント組が、トーパに呼ばれる。

 外に出れば、アリアとトーパが荷車の横にいた。


「来たわね。」


「おーい。こっちこっち。」


 二人の下に向かう。

 その間に、二人が荷車から何かを取り出す。

 布で包まれた武器だ。


「点検が終わったのか。」


「そうだよ。見てみて。」


「どれどれ?」


 武器を渡すと、布をほどいていく。

 現れた武器は、しっかり磨かれ鈍く光っている。

 そして、グレンが違和感に気づく。


「重くなったか。」


「注文通りに出来たはずよ。どうかしら。」


「中々良いな。」


 激しい戦いを繰り返していく内に、力が強くなったハント組。

 それと同時に、武器が軽く感じて強く振れなくなったのだ。

 なので、武器をさらに重くしたのだ。

 トーパが言う。


「重くしてと言われて重くしたけどどうかな?」


「ぴったりだ。お前達も問題ないな?」


「中々良い感じなんよ。」


「あぁ。問題ないぜ。」


「同じく。」


 ハント組が答えていく。

 武器の問題は無いようだ。

 頷いたトーパが、新たな物を取り出す。


「それじゃあ、次はこれを。」


「これは、防具か。」


「そうだよ。漆黒竜と雷のドラゴンの鎧。間に合って良かったよ。」


 取り出した防具は二つ。

 一つは、漆黒の鎧。

 もう一つは、紫の鎧。

 シルファが言う。


「漆黒竜の鎧か。あんま固そうな感じがしなかったんよ。」


「生きていた時は、自身の筋肉で割れていたから剥がれただけよ。鱗自体は丈夫だから安心しなさい。」


「死骸を見たときは驚いたよ。鱗が体に合って無かったんだからね。」


 それほどの筋肉だったという事だ。

 それでも鱗は鱗。

 硬いことには、変わらない。

 漆黒竜の鎧を持つアリア。


「この鎧はユーリアに。」


「私?」


「えぇ。本当ならあなたに着せるのは気が引けるんだけど。」


 アリアがユーリアに鎧を渡す。

 何か事情があるようだ。

 グレンが言う。


「よりにもよって、肉食の奴に家族を奪われたユーリアにか。」


「そうよ。ユーリアにとって、これは過去を思い出すかも知れない物。でも、軽いドラゴンの鱗をシルファに渡すべきと判断したのよ。」


 ユーリアがハンターになる前の事だ。

 肉食のモンスターに全てを失った過去がある。

 つまり、漆黒竜が起こした惨劇とほぼ同じもの。

 当時の事を思い出すには充分な代物だ。

 ユーリアが言う。


「良いよ。必要らしいから。」


「そうか。ユーリアが良いなら別に良いんだが。」


「昔の事。」


 そう言い切るユーリア。

 鎧を着けていく。

 そして、シルファが前に。


「そういう事なら、もう一つは貰うんよ。」


「えぇ。」


 シルファもまた着けていく。

 着け終わると、武器を持って確認をする。

 先に着たユーリアが武器を振る。


「ぴったし。」


「武器の固定具の邪魔になってない?」


「問題ないよ。」


 腕に着ける武器なので、籠手が長いと邪魔になってしまう。

 武器と接触しないように籠手の内側が短くなっている。

 今度はシルファが着け終える。


「片方が大きくなってるんよ。」


「武器を持った時に合わせたのよ。利き手しか使わないでしょ?」


「わかってるねぇ。バッチリなんよ。」


 基本シルファは、利き手の方しか持たない。

 なので、空いた方の腕とバランスを取るため片方の籠手が大きくなっている。

 それを眺めるトーパ。


「問題無さそうだね。」


「そうね。良くこんな短い間に出来たわね。」


「各地から、職人を集めたからね。」


 職人の数を増やした事により、早く完成させる事が出来たようだ。

 他の二人も、武器の確認を終える。

 こうして、ハント組の準備が完了する。

 アリアが研究所の横にある竜車に呼び掛ける。


「カリネ。後は、よろしくね。」


「あいあーい。」


 竜車の横から顔を出したカリネが返事をする。

 どうやら、車輪をいじっていたようだ。

 竜車の後ろに向かうと階段を下ろして中に入る。


「はーい。持ってきてー。」


 ハント組も、竜車の後ろに向かう。

 そして、武器をカリネに渡す。

 受け取ったカリネが、武器を壁に掛ける。


「おもっ、たい。凄いね、これ。」


「手伝おうか?」


「いやいや。だいじょーぶだよ。」


 次々と壁に掛けていくカリネ。

 次に受け取った防具を、エリクの防具の横に置く。

 棚に三つの防具が並ぶ。


「いやぁ。壮観だねぇ。」


「今までに倒した奴の防具だから、なおさらなんよ。」


 苦労して倒したモンスターで作った防具なのだ。

 その防具への思いも、相当なものだろう。

 すると、エリクが一本の棒がある事に気づく。


「ん? なんだこりゃ。」


「おっと。危ないから触らない方が良いよ。」


「って事は新兵器か?」


「そう言う事っ。」


 棒を回収して、作業台奥にしまうカリネ。

 作業台の上は散らかっている。

 何か作っていたようだ。

 グレンが聞く。


「カリネの方の準備はどうなんだ?」


「完璧だよっ。一体につき一つの兵器を開発したからね。」


「随分と、自信ありだな。」


「任せてちょーだい。私達裏方だって負けてないんだよ?」


 裏方にも裏方の戦いがある。

 非戦闘だからこその仕事だ。

 竜車の準備も完了だ。

 アリアが言う。


「皆。準備のやり残しは無いわね?」


 返事は無し、代わりに頷いた。

 これで、グレン達の全ての準備が完了した。

 すると、エメリナとガーネリヤが出てきた。

 ガーネリヤが言う。


「揃ってるね。準備は出来たのかい。」


「今終わった所よ。そっちは?」


「もちろん出来てるよ。」

 

 エメリナ達の準備も終わったようだ。

 後は、その時を待つだけ。

 エメリナが言う。


「ちょうど良かったわ。先程、作戦の決行日が決まったのよ。」


「いつなの?」


「二日後よ。でも向かうのは明日。防衛戦付近の生き物を片付ける作業に参加するわ。」


 エリア鬼にも、いろいろな生き物がいる。

 鬼と互角に戦うには、邪魔になる生き物を排除しないといけないのだ。

 その為の掃討作戦という事だ。


「そういえば、レベリアラは?」


「先に向かったわ。防衛戦の準備をするそうよ。」


「そう。顔ぐらい出していけば良いのに。」


 挨拶もしないで向かったようだ。

 監視リーダーとして忙しいのだろう。

 ガーネリヤが言う。


「レベリアラなら明日会えるから問題ないさ。」


「そうね。私達は、私達のするべき事をしましょう。」


 ついに、作戦の日が決まった。

 とうとう、エリア鬼の攻略の時だ。

 それぞれが、明日に備えて体を休ませる。

久し振りの主人公達。

いきなりの昔の話はどうなのかと思いましたが入れました。

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