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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

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118/166

作戦前の前哨戦。

 次の日の朝。

 都市の門から竜車が出る。

 そのまま、下を目指す。

 前座のアリアが言う。


「既に始めているらしいわ。急ぎましょう。」


「ずいぶん早いな。」


「そう言う子なのよ。」


 都市と草原エリアを挟んだ下にエリア鬼がある。

 下に進んで行くと森が見える。

 しかし、実際には森ではない。

 それを見たグレンが聞く。


「あれが、防衛戦か。」


「そうよ。小さい森に見せる事によって何も無いと誤魔化しているのよ。」


 鉄の壁に木や蔦を張る事によって、そう見せているだけなのだ。

 向こうからは、エリアの角にちょこんと木が生えているだけにしか見えない。

 こっちに来ても目的の餌なんてありませんよ、と伝えているのだ。

 その壁に近づくと、職員が竜車を止める。


「リーダーの使いですね。奥の門まで進んで下さい。」


 目の前の門が開くと前に進む。

 壁の中に三枚の門があり、その内の二枚を潜る。

 そして、最後の一枚の前に止まる。

 壁の向こうからは、人の声や砲撃の声が聞こえてくる。

 すると、備え付けられた通信機からレベリアラの声が聞こえる。


『来たわね。そこで、待ってなさい。』


「向こうはどうなってるの?」


『近くの雑魚を呼び寄せている所よ。もうじき親が来るでしょうね。』


 子供がいなくなれば親が探す。

 その親が来る前の段階だ。

 つまり、子供を集めて狩っている所だ。

 代わりにグレンが聞く。


「多いのか?」


『そうね。門の前には、巣を避けたのが集まっているから。』


 つまり、エリア鬼から弾かれた者達が集っているのだ。

 それを一度に呼んでいるのだから当然数は多い。

 それが押し寄せているのだ。

 しかし、狼狽える事なくアリアが言う。


「門から出てすぐに戦闘に入るわ。」


「任せろ。」


 一同からの異論はない。

 すぐに出れるよう、ハント組が入り口に集まる。

 そして、レベリアラが言う。


『準備は良いわね? それじゃあ、開門。』


 それと同時に、周りの職員が開門と叫んでいく。

 後ろの二枚の門が閉じる。

 そして、前の門が開いていく。

 そして、竜車が動き出す。

 レベリアラが全体に伝える。


『全ての砲撃を中止。自走船を援軍と入れ替わるように門へ下げなさい。』


 門の前には、自走船の列が左右と中央に展開している。

 自走船は、以前密林で見た壁が張られた物だ。

 まず、左右の自走船が一列に下がる。

 そして、中央の自走船が左右に分かれたと同時に、そこを竜車が突っ切る。

 その前には、様々な生き物が群がっていた。

 竜車を斜めに止めたアリアが言う。


「今よっ。」


「先に行くんよっ。」


 竜車からハント組が飛び出した。

 まず、シルファが飛び込んだ。

 首を狙って斬っていく。


「いつも通りで。」


 シルファの斬り漏らしをユーリアが斬る。

 シルファに追い付いて、群れの真ん中で待ち受ける。

 四方から襲う群れを、二人で斬っていく。

 シルファが叫ぶ。


「左右任せたんよ。」


「任せろっ。」「おうっ。」


 中央で暴れる二人に群れが向かうが、後ろからの衝撃で吹き飛んでいく。

 グレンとエリクが左右から挟み込むように攻め込んだからだ。

 群れがまとめて吹き飛んでいく。


「わざわざ敵に背中を向けるなんてなぁっ。」


 エリクが斧で吹き飛ばす。

 迫る敵は槍で突く。

 離れた敵には、斧を振るう。


「視界が狭いと生き残れないぞっと。」


 大剣を振るうグレン。

 一度に数匹の敵を吹き飛ばす。

 近づいた敵は、一瞬で肉塊と変わる。

 しかしながら、後ろに抜ける者もいる。


「ボウガン掃射。」


 アリアが指示を出すと、竜車の上からボウガンが掃射される。

 撃っているのは裏方組だ。

 近づく相手を殲滅していく。


「威力の上がったボウガンの味はどう?」


 カリネが叫んで再び撃つ。

 そのたった一撃で敵が吹き飛ぶ。

 竜車に近づける敵は誰もいない。


「その分、弾が重いっすけどね。」


「そうですね。」


 コガラキとセシルも、ボウガンを撃つ。

 文句を言いつつも、しっかりと弾を込める。

 込め終えたカリネが言う。


「強度が必要だからね。しかないんだよ。ほらほら、敵が来てるよ。」


 近づく相手を撃っていく一同。

 ボウガンの威力を上げるため、弾が丈夫になっているのだ。

 それを横目で見るグレン。


「後ろは大丈夫そうだ。前に出るぞ。」


 グレンとエリクが前進する。

 その度に、敵が吹き飛んでいく。

 そして、シルファとユーリアがいるラインまで進む。

 グレンが叫ぶ。


「シルファ、ユーリア。前線を上げるぞ。」


「分かったんよ。」「了解。」


 襲いかかって来た敵をかわして斬る二人。

 グレンの指示通りに前へと攻める。

 グレンとエリクも、二人の横のラインに合わせて進む。

 後ろに逃げたのは、ボウガンの弾で砕け散る。


「誰かいるぞ。」


 そのまま進むと、複数の人が前で戦っているのが見える。

 そのうちの一人が倒され、襲い掛かられる。

 そいつをシルファが斬る。


「すまないっ。」


「構わんよっ。」


 装備を見るに、ハンターだろうか。

 しかし、押されているようだ。

 ただ一人を除いて。

 全身鎧の男が気づく。


「むっ? お前達は、・・・そういう事か。頼む。ハンター達の援軍を。」


「良く分からんけど任せるんよ。」


「協力。」


 前進を止めた真ん中の二人は、ハンター達を助けていく。

 ハンター達に向かう敵を中心に斬っていく。

 それを見た鎧の男が前に出る。


「頼もしいな。丁度人手が欲しかったんだ。」


 鎧の男が武器を構える。

 その前には、肉食小竜のボスがいる。

 タイミング良く来たのだろう。


「なにせ、もうそろそろ来る頃だろうからな。」


 鎧の男が言う通り、ボスが複数現れる。

 しかし、何かおかしい。

 一匹一匹が、鱗が焼けただれたり足を引きずったりしている。

 その一匹に、鎧の男が斬りかかる。


「うおおぉぉぉっ。」


 重症とはいえボス級だ。

 斬られたぐらいじゃ倒れない。

 しかし、鎧の男も負けてない。

 反撃が来る前に首を刺す。


「くたばれっ。」


 刺した剣を横に引いて、ボスの体を裂く。

 それにより、ボスが後ろに下がる。

 血を垂らしながら体勢を直すそいつに、鎧の男が追撃に向かうが。


「ちいっ。面倒な。」


 他のボスが、鎧の男に迫る。

 流石の鎧の男も、襲撃に対処できない。

 吹き飛ばされて上に乗られる。


「負けんっ。」


 迫る口を剣で受け止める。

 そして、首を蹴りあげる。

 そうして、晒された首に剣を刺す。


「浅いかっ。」


 体勢を立て直しながらの攻撃だ。

 当然力も入らない。

 鎧の男にボスの子分が迫る。


「させるかっ。」


 グレンが飛び出した。

 鎧の男と戦っているボスに大剣を振り上げる。

 それを受けたボスが吹き飛んだ。


「雑魚は任せたぞ。」


「当然だっ。」


 解放された鎧の男が振り返る。

 そして、迫る子分を一撃で引き裂いていく。

 グレンも同じく子分を狩る。


「対した事が無いなっ。」


「良い一撃だ。大剣も良いかもな。」


「あぁ。お勧めするぞっ。」


 先程のボスが来たので、グレンが大剣を振り下ろす。

 その一撃でボスが沈む。

 しかし、今度は大熊が現れる。


「おっと。」


「ぐっ。」


 突っ込んできたそいつを左右に避ける二人。

 それと同時にエリクが現れる。

 大熊を突き刺した。


「おらっ。」


 槍を抜いて、斧を振り上げる。

 後ろに飛ばされた所に、斧を振り下ろす。

 最後に槍を刺す。


「とどめだっ。」


 倒れて動かない大熊。

 命を落としたようだ。

 合流した三人が構える。

 武器を構えたエリクが言う。


「思ったより、数多いじゃねぇか。」


「はっはっはっ。門の前の安全地帯は人気だからな。鬼に怯えて過ごす奴は多いんだ。」


 誘き寄せたばかりに、安全地帯がもぬけの殻になったのだ。

 そこを狙おうと、他の集団が集まって来たようだ。

 疑問を抱いたグレンが聞く。


「そいつらもまとめて呼んだのか?」


「いや。取り返されないよう、先陣のを追って来たのだろう。」


「迷惑だぜ。」


「全くだ。でも、これがエリア鬼だ。」


 本当に怖いのは、鬼から逃げた大物の方かもしれない。

 そうしていると、戦場に影が落ちる。

 見上げたそこには、小型飛竜のボスだ。


「しまったっ。」


 鎧の男が叫ぶがもう遅い。

 群れに向かって落ちて来た。

 そして、肉食小竜を掴んで投げ飛ばす。

 落ちた先にいたハンターが飛ばされた。


「誰かこいつを。」


「無理だ。届かない。」


 空にいる相手に、攻撃は当たらない。

 落ちて来た所を狙うべきだが、タイミングも場所も分からない。

 そんな、小型飛竜のボスに砲身が向く。


「新兵器。頼んだよ。」


 カリネがボウガンの引き金を引く。

 その直後、ボウガンの先から弾が跳ぶ。

 更に跳ぶ。

 まだまだ跳ぶ。

 それを受けた小型飛竜のボスが耐えるも、直後に二つの爆発を受ける。


「直撃っ。」


「落ちていきます。」


「後は任せたよーっ。」


 爆発を受けた小型飛竜のボスの高度が下がる。

 その先は群れの中。

 そこに、シルファとユーリアが迫る。


「武器が届けばっ。」


「こっちのものっ。」


 跳んだシルファが斬ってはたき落とす。

 そして、胴体を突いて押さえる。

 その間にユーリアが首に双剣を当てる。

 クロスした刃を左右に引く。

 それにより、首が跳ね飛んだ。


「大物の追加が来たぞっ。」


 誰かが叫んだ。

 その通りにボス級の敵が現れる。

 ハンターの一人が言う。


「あんたらっ、こっちはいい。奴等を。」


「任せたんよっ。ユーリア。」


「うん。行こう。」


 これでも、防衛戦を守るハンターだ。

 体勢を直してしまえば戦える。

 シルファとユーリアが前に向かう。


「リーダー落とすんよ。」


「あぁ。一人一体。出来ないとは言わせんぞ。」


「当然。」


「腕がなるぜっ。」


 ハント組が散らばった。

 子分を落としながらボスに迫る。

 そして、あっという間に落としていく。

 鎧の男が驚く。


「流石レベリアラ嬢の推薦だ。俺達も負けてられんぞっ。」


「「「「おおーーっ。」」」」


 鎧の男が剣を上げると、他のハンター達も続く。

 そして、次々と子分を倒していく。

 そして、全ての敵が動かなくなった。

門の裏まで木が張っているのは、補強のためです。

木の壁、鉄の壁、木の壁が重なって一つの壁になってます。

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