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神話
例えば
都市は
肥大化した
引きこもり
空を断ち切る無数の電線
土を殺し続ける紺の舗装
雲を撃ち抜く歓楽の閃光
見えない境界線を跨ぐ時
人々の面に表れる驚きを
わたしは何度となく見た
しまった
こんなところまで
知らぬ間に来てしまった
ここでは隠れることはできない
むき出しで顔を晒すことになる
慌てて引き返してしまう
ここでは借り物の言葉は
偽物の陳腐でしかないと
己を絞り出し続けるから
私たちはずっと
都合の良いことばかりを
見たいことばかりを見ている
そして……
わたしたちが
この星に引きこもってから
一万年以上が過ぎてしまった
或いは
この星が
太陽系に引きこもってから
四十六億年ぐらいになるのだから
もう既に
時は満ちている
閉ざされた窓の外からは
激しい波音が止まない
巨大な帆船が近づいている
我等をテリトリーからおびき寄せ
懐かしき未知へ浚おうとする者たち
かつて剥き出しであった古代人たち
もはや隠す術すら失った未来人たち
これは人類の船だ
帰結を拒絶する
グニャグニャとした
定まらない引きこもりより
飛び出していく抗いの船だ
旅立ちの時は選べない
その時は近づいている
もう直ぐだ




