↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤道  作者: につき
PR
12/20

湖畔

わたしの周りは水ばかりだ

すっかりと湖に囲まれている

霧は深く対岸は見えない

目を凝らしていると

遠くで何かが跳ねる水音が聞こえた

あれが言葉になる前に

絵を描くことを覚えなければいけないのだ


わたしの後ろに疎らに広がる

針葉樹の森の奥の小さなせせらぎの

遥か後ろで銀嶺の気配がする

彼女はきっとまだ雪の冠を戴いたまま

疼く木の芽を宥めているのだろう


不意に森閑が破られた

バタバタと水鳥たちが飛び立つ

メリメリとヒマラヤ杉の巨木が倒れる

ゆっくりと現れたのは森の王だった

その頭に大鷲の翼のように悠々と角を広げ

その巨大な肩に漲るものを隠そうともしない

彼はわたしの前を通り過ぎる時

確かにわたしを見た

長く豊かな睫毛がフッサリとしていた

その下に大きく黒い瞳が星のように輝いていた

そのまなざしは澄み渡る夜空のように深く静かだった



挿絵(By みてみん)

写真は空乃 千尋さんより頂いたものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。