信じない
「悪いが信じることが出来ない……」
「そうか……残念だ」
オレがはっきりとした意思を伝えると、石熊童子はもといた床の間に鎮座し瞳を閉じた。その姿はまるで彫刻のようで、微動だにしない。
「タクマ殿、本当にいいのですか?」
「義経、男が一度口にしたことは取り下げられない。わかってくれ……」
オレの中に、信じてやりたい気持ちはあった。しかし、茨木童子や、四天王の仲間だと言うとが引っ掛かり、信じてやれなかったのだ。
「さぁ、皆。上へと続く階段を探すぞ。必ず何処かにある筈だ」
オレ達は手当たり次第に壁や畳を叩き、何か仕掛けがないかと試みた。
「これ何かしら?」
お雪が石熊童子の背後に掛けられた掛け軸の裏に、小さなボタンを見付けたのだ。
「お雪、でかした。恐らくそれは隠し階段を出現させるスイッチだ。押してみろ」
「うん」
お雪は、そのボタンを押すが特に変化はなかった。
「違ったか……」
オレがそう言うと、義経が何かに気付いた。
「タクマ殿、壁が……」
「壁がどうしたってんだ?」
オレが義経にそう返した時には既に遅く、両側の壁が迫って来ていた。
「くそ……罠だったか」
それがオレの最期の言葉だった。壁は無情にもオレ達を押し潰していく。
生まれ変わりの痛み。今度生まれ変わるなら、争いのない世界がいいと願い瞳を閉じた。
BAD END




