第二十一話 居着きの雷、見越し入道VS一本だたら、震震
初めてのダブルス戦――。一本だたらと震震がどれ程か知らないが、立ち塞がるものは叩き切るだけだ。
「バトルフォース展開――っ!」
見越し入道 LV11 ランクC 特性 連続攻撃
HP93 MP27
攻撃力11
素早さ24
1.祟り
2.3 通常攻撃
4 ミス
5 踏みつけ
6 怨念
どうやら、見越し入道になったことで、スキルに変化があったようだ。それに特性の連続攻撃。新たなスキル踏みつけ。攻撃力こそ衰退したものの、期待が持てる。
そして、居着きの雷。こっちはレベルが上がったようだ。
居着きの雷 LV11 ランクD 稲妻に強い
HP81 MP28
攻撃力22
素早さ21
1.2 通常攻撃
3 火炎の息
4 鋼の爪
5 稲妻
6 ミス
抜群の安定感だ。これなら、ダブルス戦だろうと何だろうと問題ない。
そして、妖怪百科事典が勢いよく開いた。
一本だたら(いっぽんだたら) LV12 ランクD
HP110 MP10
攻撃力19
素早さ15
スキル『踏みつけ』『体当たり』
――一本だたら……普段は大人しい妖怪だが、キレると手がつけられない。巨大な一本足と、鍛え上げられた腹筋が特徴。鍛冶職人としても有名で、数々の名刀を世に送り出している――
見越し入道と同じスキルを持っているようだ。それに鍛冶屋としての能力。是非ともテイムしたい所だ。
さて、もう一体の震震は……。
震震 LV10 ランクC 特性 ステルス
HP71 MP29
攻撃力12
素早さ31
スキル『ステルス攻撃』『憑依』
――震震……存在感がなく、気配を消すステルス攻撃が得意。いつの間にか、憑りつかれてしまうこともある――
ステルス攻撃に、憑依か。これは侮れないな。
「準備は整ったようじゃな。それでは始めるさね」
「望む所だ」
先手を取ったのは、震震。無表情のまま居着きの雷の前に立ち、姿を消した。
「ぐはっ……」
突然、居着きの雷は前のめりになり、12のダメージを受けた。どうやらこれが、ステルス攻撃のようだ。――HP69/81――
姿を消し背後からの攻撃。これは厄介な相手のようだ。
しかし、反撃はここからだ。こちらには、連続攻撃を習得した見越し入道がいる。
「見越し入道、頼んだぞ」
「御意」
オレが振ったDDは、1を示した。若干パワーアップした祟りだ。これは期待が持てる。
見越し入道はその巨体を活かし、両手いっぱい雷を集め一本だたらの腹部に降り下ろした。
一本だたらの鍛え上げられた腹筋に、19のダメージ。――HP91/110――
更に、震震にも祟りである雷が炸裂する。しかし、姿を消した震震は攻撃を受け付けなかった。
「何だと? また姿を消しやがった。クソ……次は居着きの雷だ。お前の力を見せてやれ」
DDが示した目は2。通常攻撃……。問題はどちらに攻撃を仕掛けるかだ。やはりここは体力のある一本だたらか。
「居着きの雷よ、標的は一本だたらだ」
「御意」
居着きの雷は一本だたらの足にバチを叩き込み、22のダメージを与えた。――HP69/110――
すかさず一本だたらは、居着きの雷に反撃に転じる。体勢を崩した居着きの雷に、巨大な足で踏みつけ25のダメージ与えた。――HP44/81――
鬼童子とやり合った居着きの雷が、意図も簡単に追い込まれている。
「旦那の妖怪は弱いのう。これでは酒呑童子とやり合う前に、ここで終わりそうじゃて。皆の衆、食事はもうじきさね」
「おぉ――っ!」
子泣き爺め、勝手なことを言いやがる。
「さぁ、震震。お前の力を見せてやるさね」
「…………」
震震は再び音もなく、消え去った。居着きの雷、もしくは見越し入道の背後に回っている筈だ。
「どはっ……」
今回の標的は、見越し入道だったようだ。まるでひとりでに、背中から血が噴き出したようにさえ見える。見越し入道は、12のダメージを受けた。――HP81/93――
「よし、見越し入道反撃だ」
DDが示した目は1。再び祟りだが、今度は火炎の息だ。
見越し入道は深く息を吸い込み、一本だたらと震震に向かい、火炎の息を放った。炎に包まれた一本だたらに、28のダメージを与えた。――HP41/110――
震震は消えようとするも、炎に包まれ同じく28のダメージを与えた。――HP43/71――
いくら姿を消そうとも、これだけの火炎だ。逃げることなど、不可能に値する。
「よし、いいぞ! 居着きの雷よ。お前も後に続け」
「御意」
オレの振ったDDは、2を示した。
「通常攻撃か……」
肩を落とすオレと対照的に、居着きの雷は、一本だたらに果敢に攻撃を仕掛け22のダメージを与えた。素早いバチ捌きは、芸術品である。――HP19/110――
一本だたらは、もはや風前の灯。あと一撃で確実に倒せる。
「ひっひっひ」
「子泣き爺、何が可笑しい?」
「アッシらに勝てると思ってるじゃろ?」
「勝てるかどうかはわからないが、勝とうとは思っている」
「勝とうと思っている? チャンチャラ可笑しな話でさぁ。さぁ、一本だたら。お前の力を見せてやるさね」
「おう、言われなくったってやってやる。刺し違えてもな。行くぞ! うぉぉぉ――っ!」
一本だたらは地面を蹴り上げ、居着きの雷に体当たりした。無謀とも思える愚行だが、居着きの雷は27のダメージを受け吹き飛んだ。――HP18/81――
予想外の痛恨の一撃だ。こちらの居着きの雷も瀕死の状態。次のターンで、居着きの雷か一本だたらのどちらかが、必ず死ぬ……。
「タクマ、大丈夫だよね?」
「お雪、オレ達がやられる訳がない」
鬼童子との戦闘が可愛く見える――。子泣き爺が放った妖怪との戦闘は、更に激化していった。




