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灰色の壁に囲われた国から脱出しようとする魔女の話

魔女たちは逃げていた。

栄国という国があった。ある日、栄国政府は、国内にいるすべての魔女の討伐を指示した。軍人、警察は強力な武器を装備して魔女を探し、殺害OR捕縛していた。


魔女たちは魔法を使う、空を飛んだり、火を起こしたり、薬品に呪いをかけたり。一般市民にとっては異色の存在だが、数は少なく、総力では国に太刀打ちできない。

多くの魔女たちは逃亡を決意し、国境を超えた先にある楽園を目指した。

栄国の内部は森林が大半であり、外周となる国境線には、灰色の壁でできた大きな町が縦長に広がっていた。そして人口の大半は壁の街に住んでいる。警備は厳重だが、そこを超えれば栄国も追ってこれない。


とある魔女、アリサは森林で遭遇した追っ手から逃げるため、空を飛び、灰色の壁にまで一気に飛び込んだ。

空が飛べるなら簡単に国境など超えられる。

そう彼女は踏んでいた。

だが、彼女は灰色の壁の恐ろしさを知ることになる。


灰色の壁は、町としての厚みこそ1kmくらいしかないが、内側から徐々に高度があがっていく階段式の町。

そして灰色の町の上部にはどこが天上かわからないような高さから垂れている無数の壁(その壁も凸凹していて箇所に家々がある)、逆に地上から極端な高さで伸びている灰色の壁があった。

アリサは、まるで迷路のようにところどころにある壁を避けながら上昇しなければならず、飛べると言っても「雲の上まで逃げてサヨウナラ〜」というわけにはいかなかった。


さらに、もし灰色の町の人間に見つかれば、最期だ。警察、国家軍に包囲されたちまち拘束される。

アリサは警備員に自分が飛んでいるところを見られてしまい、職質を受ける。

アリサはごまかすが、苦労も虚しく通報される。

アリサは警備員を倒して進むが、すると今まで自分に気が付かなかった町の住民たちが狂ったように自分に襲いかかってくるようになった。

まるで一瞬で地域全体にわたって自分の居場所を知られてしまったかのような、更に人間たちが自分が自分でないような操り人形のように、死物狂いで自分を捕えに来る

アリサは住民の狂気に違和感を覚える。この町はなにかがヤバい。


住民たちに囲われるものの、アリサは衝撃魔法を唱えてその場を凌ぐ。

魔法がつかえなければリンチにされていたことを思うと、恐怖を感じる。


だが少し逃げると再び敵の追手が来る。

アリサの前に黒いスーツを来たガタイの良い男が現れ、男の格闘技にアリサは手を焼き、隙を見せた際に捕まってしまう。

その後、捕まったアリサはスーツ男の奴隷にされた。


スーツの男はラヴと名乗った。ラヴは戦闘時には凶暴だったが、普段は意外と紳士的だった。周囲の人間がありさを揶揄するため、見かけ上は奴隷の扱いを受けるが、痛みがないようにされ、周囲の目が無いときには普通の人として接するのだった。


アリサはラヴのことを警戒しつつも、国境を超えて宋国から逃げたいことを告げる。するとラヴはそれを承諾するものの、一つのお願いをするのだった。「この国を壊してほしい」と


栄国は魔女の弾圧に動いた国だが、栄国の闇は魔女に対してだけではない。

灰色の壁に住んでいるほとんどの住民たちには自我がない。それは国策によって住民たちに洗脳術がかけられているからだ。

この国にはもはや、国民と呼べる生きている生物は居ないことを告げられた。

栄国が倒されれば当然魔女の弾圧も終わる。ありさにとっては悪い話しではない。栄国を倒せば他の魔女たちも救われるならなおさらだ。

だが、栄国と戦うリスクを負うにはメリットが薄い。魔女は他の魔女のことをさして気にする生き物ではないからだ。誰もが皆、自分だけ国境を越えれば良いと考えている。


アリサはラヴの提案を拒否し、宋国からの逃亡を決意する。ラヴもそれを止めることはなく見送る。

アリサは飛んでラヴのもとを離れるが、段々罪悪感のような感情を胸に抱き始める。やがて考えを変えたアリサは仕方ない顔で戻ってきて、ラヴに協力することを告げた。



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