お茶会の後で④
フォザリアはルカルナの館から出た後、ロンダの館でサルデーニャ王女から額にシュンナゼリアの花の絵を描いてもらった後、代わりにサルデーニャ王女の胸にあった。ルカルナよりも大きなあざが確かにあったがとても綺麗な形だった。ルカルナの頬のあざは鷲が羽を休めている形に対してサルデーニャ王女のあざは大空を飛びたとうとしている形のように見えた。
「いいなあ、母上、どうして僕のはお尻なの?」
フォザリアがサルデーニャの胸にペイントをしている様子を隣で眺めていたロンダが可愛く膨れながら言った。
「あら、そんなの知らないわよ。文句なら神様にいいなさいな」
そういうサルデーニャに反論する言葉が出ず、可愛い顔で更に頬を膨らませているロンダにフォザリアは優しく言った。
「ロンダ様、じゃあ、これが終わったら、ロンダ様にも鷲の絵も描いてさしあげましょうか?」
「いいの?じゃあねえ、僕のは左側に描いてよ。叔父様のは右側にあるでしょ」
「ええいいですよ仮面をつけてからでも見える位置に描きましょうね」
フォザリアがいうとロンダはうれしそうにその場に飛び跳ねてた。
「まあロンダ、絵ならわたくしが描いてあげるわ。フォザリアだって準備があるのよ」
「やだ、フォザリアがいい!」
「まあ生意気になって、母親の描く絵を断るなんて」
「だって~嫌なものは嫌なの、僕はフォザリアがいいんだよ」
本気で抵抗するロンダにフォザリアは苦笑いを受けベながらサルデーニャ王女に向かって言った。
「あの私なら大丈夫です。まだ舞踏会までは時間がありますし、私の準備は今のままでも構いませんから」
そういうフォザリアに対してサルデーニャは息子を睨みながら言い切った。
「あら駄目に決まってるでしょ。今夜の注目の的にならなきゃ駄目なんだから、その為にあなたに金貨を支払ったのよ」
「えっ?最初だけルカルナ様に話しかけてくる相手と会話して数回ルカルナ様とダンスをしたら、後は舞踏会の隅っこで壁の花をしていればいいんじゃないんですか?」
「あら、何を言ってるのかしら、私があなたを雇ったのは、ルカルナ目当てで群がる女性陣と、あなたと踊りたい男性陣の嫉妬の嵐の中、舞踏会中ルカルナがあなたとダンスをずっと楽しむ構図がみたいからなのよ。磨き上げるには時間がかかるのよ。もちろんわたくしもこの絵で注目を浴びる予定だけどね。あなた絵が上手ね、すごく素敵だわ」
サルデーニャは完成に近づいている自分の左胸に描かれている鷲の絵を見下ろしながら言った。すると、ロンダがうらやましそうにしながらも言った。
「あああっ!僕もフォザリアに描いてもらいたかったけど、母上の絵で我慢するよ。僕もフォザリアがもっと綺麗に変身する姿を見たいし、今夜のダンスパートナーはルカルナ叔父様に譲るけど、最初のエスコートは僕だからね」
「はい、よろしくお願いしますねロンダ様」
フォザリアの言葉で満足したのか、ご機嫌でその場を離れて、別の部屋へ行ってしまったロンダにサルデーニャは軽くため息をついた。
「嬉しそうな顔しちゃって、健気ねぇ・・・可哀そうだけどあの子はそうそうに失恋を味わいそうね」
「えっ?」
「いいえただの独り言よ」
部屋からでていくロンダに手を振っていたフォザリアはサルデーニャの言葉が耳に入っていなかった。




