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王子様はゴミ屋敷の引きこもり住人  作者: 加阪あおか
第二章:新しい仕事依頼
29/75

同居人➁

二人のにらみ合いがしばらく続いていた時、部屋をノックする音がし、外から聞きなれた声が聞こえてきた。


「ルカルナ様、朝食の用意ができておりますので、こちらにお持ちいたしましょうか?」


ルカルナが返事をしようとドアに向かって歩き始める前に、フォザリアがドアに駆け寄り、先にドアを開けた。


「ビゴーラさん!」


フォザリアはビゴーラの顔を見た瞬間、満面の笑顔になりビゴーラに抱きついた。

ビゴーラはフォザリアを受けとめながら言った。


「おや、フォザリアも目が覚めたのかい、なんだいビックリした顔をして」

「どっどうしてここにいるんですか?」


「どうしてって、ルカルナ様の食事を作る為さ、昨日一度意識が戻ったって聞いたから、ルカルナ様が全部話してあると思っていたんだけどね、聞いていないのかい?」


ビゴーラは部屋の中で上半身裸のルカルナとフォザリアを交互に見ながらがそういうと、ルカルナが自分の頭をかきながらめんどくさそうに言った。


「まだ、お前たちのことは話してない、ていうか、昨日話したことは全部覚えていないようだ」


ルカルナの説明で何やら誤解したのかニヤニヤした顔でフォザリアに向かって言った。


「そうかい、じゃあビックリしただろうね。目が覚めたら急に上半身裸の殿下が横で寝ていたらさ」


ニヤニヤしながらいうビゴーラにフォザリアは真っ赤になりながらしどろもどろに返事を返した。


「えっええ、どうしてこういう状況になったのか自分でもさっぱりで、つい、あっなんでもないですけどね」


フォザリアは慌てて言葉をごまかしたが、それを聞いたビゴーラが急に笑い出した。


「あっははは、ついベッドから蹴り落としでもしちゃったのかい」


「けっ蹴り落とすなんてさすがにしてませんよ。手で突き落としただけです」


その言葉により一層お腹を押さえて笑い出したビゴーラにルカルナが怒り出した。


「ビゴーラ!笑い事ではないぞ」

「あっすみません殿下、失礼いたしました」


ビゴーラは慌てて笑うのを止め頭をさげた。


「やっぱりあんたは最高だね、この国の中でルカルナ様を突き落としたなんてことしたのはサルデーニャ様以来だね。半日で準備するのは忙しかったけど、ここに来ることを引き受けて正解だったようだね。あ~お腹いたい、フォザリアはどうする、朝食は一緒にここで食べるかい、それとも下に来るかい」


「あっあの・・・ビゴーラさん」


「ああ安心しな、私は現場を見たわけじゃないからね、誰にもいったりしないから。じゃ、あんたの部屋はこの前だから着替えもみんなからの餞別の中に入っていたみたいだから着替えて降りといで、一緒に食べよう。王宮をでてから何も食べていないならお腹がすいてるだろ」


ビゴーラはそれだけいうと、ルカルナに一礼して二人から離れて行った。そんなビゴーラに何て言っていいのか言葉に困って固まってしまったフォザリアの代わりにルカルナがビゴーラに言った。


「おいビゴーラ、フォザリアが誤解するだろ!僕が姉上にけり落とされたのは五歳の頃だぞ、寝ぼけて自分の部屋と間違えて僕の部屋に入ってきて寝てしまった姉上が朝驚いて僕をベッドから蹴り出したんだからな。今回だって、フォザリアの部屋はまだ整理できていないから僕のベッドに寝かせようと言ったのはお前じゃないか」


「あっ、そうでしたね。でっ殿下はどういたしますか?」

「何をだ」

「朝食ですよ」

「しっ下で一緒に食べてやる」


「おや、これは光栄ですね、では服を着て身支度を整えてから降りていらしてくださいっませ、王宮ではないにしても、身だしなみは大切ですから」


ビゴーラはまだ笑い足りないとでも言うかのように口を押さえながら下におりて行ってしまった。フォザリアは何故か顔を真っ赤にさせながら、自分の部屋だと言われた部屋に駆け込んだ。


「あ~ビックリした!もうどうやって私が寝ている間にあんなに家具とか入れられたのかしら?普段なら音には敏感なはずなんだけどな私・・・」


まだ心臓がドキドキ音を立てている自分の胸を押さえながら、自分の部屋だと言われた部屋も見て驚いた。タンスや机、ベッドも既に置かれていたのだ。確かこの部屋はゴミが大量に詰め込まれていたはずなんだけどな・・・そんなことを思いながらもベッドの上に置かれている箱やら袋などを見て言葉をなくしていた。


「もしかして・・・これ全部プレゼント?」


確かにこの量はきれいに整理してタンスなどに入れてからでないとゆっくりベッドで寝れないかもしれない。それに荷物の下のベッドにはすでにフカフカの布団もひかれていた。


「これ私が寝ていいのかな・・・うわ~すごい」


フォザリアはいったんプレゼントの山を床に山積みにして布団に横になり自分一人のベッドを堪能したが、ふと不安がよぎった。


「これもルカルナ様が用意してくれたってことは借金ってこと・・・返そうかな・・・」


フォザリアは慌てて布団から起き上がると、とりあえず持ってきていた唯一の着替えであるサルデーニャ様のお古のドレスに着替えて下におりて行くことにした。


(とりあえず、どういうわけか聞いてから考えよう)


意を決してフォザリアはおいしい朝食が待つ一階へと降りて行くことにした。



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