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ある追憶の戦術使い  作者: 神崎蒼葉
四章 悪魔と危険な遊び
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転移

 俺は先生に口がほころび頭では『なんてね』と浮かぶ。


 そうして「言うわけないでしょ」とわらっていた俺は思う。


 きゅうしょを知りたいって言われ、流されそうになっていたのだ。


 俺は自分に嘘を付くとずっと後悔してしまう。


 例えは誰にだって認知の歪みがあって、その境遇かんきょうが自然のように。


 ここで面白可笑しく居れるかは。


 そりゃできるさ。


 バカになればいいのだから。


 認知を歪ませ麻痺させればいい。


 頭が痛ければ薬を飲んで、憂鬱ならその道で輝いてる思想でも受け入れたらいい。


 一日ずっと素晴らしいって唱えてればそう遠くない内になれる。


 何者かの夢を叶えるためにそうして。


 依存する。


 鈍感な快適になれても。


 ガタが来て。


 それでいて。


 ──自分に嘘付いてるのだから──


 不満しか口にしなくなる。


 でも嫌いじゃない。


 体が反応してエネルギーが湧く感じは心地よくて、けど人に話せる向き合い方が分からない。


 きっと行動から分かることもあって、いつかその時に、また話そう。


 また。


 そんな返事のしようもない先生になぞらえて、森林が発色した。

 樹木が太く長く根付く、青い光景となり「不味い…」との声に向くと白光を纏う姿があった、その後のこと。


「じゃあね先生」


「ああ!」


 メイミアと先生がそう交わした。

 俺は眩しくて視界を閉ざすと薄い残像が手を振っていて、夢を見てる様に、翼の生えた少年が助けてと大人達に取り押さえられ、消える少年に走っていた俺は一面が水に変わった。

 水の音が鳴る地平線、半月が映る水面にメイミアがいて、用事あったんだ。来てと誘われ、追い付くと水深が胸に達した。

 水中に階段があり、一段目に下りるメイミアに息できるよと聞かされる。


 …でも。


「行くんでしょう?」


 手を差し出された俺は意を決して握った。息を止め、引かれる体が水中に入っていく。

 もがけば水面が高速で遠ざかる。


「ぶくぶくぶく。ぷく……ぼふぁ!」


 吸い込んだら酸素が満たされる水と一緒に吐いていた。

 その大胆に前によらし目を擦る、大爆笑のメイミアから「さて」と満足気に直ぐそばだと聞こえる。

 体感より深水していた様で仰げば真っ暗、けど水晶が発光していて地は明るい。

 また「はい転移するよ!」との事で「そこから動かないでね」とメイミアが前の方を探っているが、動いてしまった俺はなんで?と返した。


「丁度シオンが立ってるそこ! 境界だから動かれると亜空間に行っちゃう」


 片手間で応える凄そうな言葉にどきどきして、亜空間が何か聞くと視界いっぱいに光があふれ「体がひん曲がっちゃうところだよ」と聞こえる。


◇◇◇


 太陽を大の字で浴びる俺はゴツゴツする感触があった。

 おはようと覗かれ、起き上がるとバケツやスコップ、大人子供の団体や水流がある。

 俺は捻じ曲がって死んだんじゃと焦っていたら「捻じ曲がる。。あ〜冗談だよ。私が亜空間の事知ってるわけないでしょ」と遊ばれていた…。

 そんなメイミアとこの場を離れ、前方から鉄の塊が来る。


「車来るよ。白線の内側に入ってね」


 道路を優先的に走るものらしく、横切る窓に人がいた不思議な乗り物。

 また上の方にコンクリートの柱同士が繋がる線に翼を持った生き物がカーカー鳴いていた。

 見上げて「アレはメイミアの仲間か? 凄い似てる」と観察中にカラスと似てるかな?って吐息が掛かる。

 カラスという生き物は知らないという飛びっぷりでいってしまったし、横に首を振ると「ねえシオン。私はここに置き去りにしたりできるんだよ。次(かん)に障ったら何するか分からないよ」とガン見のメイミア。


「分かった」


「よろしい」


 殺意が収まる。

 俺は熱した道を進むメイミアに大人しく付いて行く。

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