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プロローグ
いつもの光景があった。誰もが見る光景が。
けれども違う、なにかが違う。
そこには人がいない。
そこには命がいない。
まるで時間が止まったように。
蛇口を捻ると水がでる。その音が建物に不気味に響きわたる。窓を開ければ風が吹き、草木が揺れるが鳥の鳴き声はしない。
「ここは……どこだ?」
途方に暮れる俺は、空を眺める。
「確か、屋上に居たよな」
記憶を辿る。いつものように授業をサボるだけに屋上に居た筈……そして、青空を眺めていた。
「……で、なんでこうなっちまう。それとお腹空いた」
どんなときでもお腹は減る。生き物の性かな。




