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今日もまた夢の中で 〜現実と夢で進む物語[日本編]〜  作者: ライド
第2章 新ダンジョン攻略編

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第23話 新ダンジョン攻略5日目!②

第14階層のボス、皇帝騎士グラディウスを倒した朝陽は、第15階層に向かう階段を降りていく。

階段を降りている途中、また急に浮遊感がきて、気がついたら休息エリアにいた。


「第15階層到着だな!さて、魔物はどんなやつが出てくるかな」


「アサヒよ準備万端だぞ!」

「私も支援系の魔法で朝陽様を支えますね!」


「ありがとう2人とも!じゃあ開けるぞ」

俺は大きな扉を開けて中を確認する。


中央に胡座(あぐら)をかいている魔物がいた。

俺は見た瞬間に鳥肌がたった。


「戦鬼……Aランクの魔物か」

俺は魔力障壁を10重に増やす。あいつはやばい。身の危険を感じた。


「朝陽様、強化魔法をかけますね。天恵(セレスティア・)付与(ブースト)

体がいつもよりもだいぶ軽くなった。そして力がみなぎる。


「魔剣化 炎」

閃刃と王牙に炎が纏う。


「さて……行くぞ!」

「おう!」

「はい!」

とヴァンとアンジュが返事をした。


俺は部屋に入る。5階層、10階層と同じ円形の大きな部屋だった。部屋に入った瞬間に灯りがついた。


「待っていたぞ人間よ!」

中央にいる戦鬼が立ち上がる。戦鬼の体には傷跡がいくつもついている。そして、軽々しく大きな斧を持ち上げた。


「ヴァン、あいつもお前みたいに喋れるんだな」

「強い魔物は言葉を喋るのは普通なのだよ。喋れない魔物でもこちらの言葉を理解している場合もあるぞ」


「そうなんだな……ということはあいつはめっちゃ強いってことだな」

俺はすぐさま剣を構える。


「人間との戦闘は久しいなぁ!俺様の名はゼルガド、戦鬼ゼルガドだ!お前の名はなんと言うんだ?」


「俺の名前はアサヒだ。ゼルガド、悪いが俺はお前を倒す」


「ふん……口だけの人間とは違うようだな!アサヒ、久しぶりに血が(たぎ)る相手に会えて嬉しいぞ!楽しませろよ!」


ゼルガドは一気に距離を詰めてくる。振りかざされた斧を俺は剣と魔力障壁で受け止める。


「グォォオォォオォォ!!!」

俺はその斧の攻撃を弾き、


「二刀流、双牙連斬!!!」

「ぬるい!ぬるすぎるぞ!!!そんなものかぁ!!!アサヒ!!!」


俺とゼルガド、どちらも引かぬ攻撃の応酬を続けた。

そして、

大黒炎(だいこくえん)螺旋砲(らせんほう)!!!」

「お前!魔法が使えるのか!?楽しくなってきたなぁ!!!断界斧(だんかいふ)!!!」

渦を巻きながら進む黒炎を真っ二つに裂いた。


衝撃波が俺のところまで届き、俺は吹っ飛ばされる。


「やっべぇ!こいつやべぇ!でも戦闘がこんなに楽しいって思ったことは初めてかもしれない!」

そう、今までも強敵と言える奴はいたが、ここまで俺と同じレベルのやつは初めてかもしれない。


血滅砲(ブラッド・バスター)!!!」

吸血鬼(ヴァンパイア)が人間の味方をしているだと!?これはおもしれぇ!だがぬるい!」


ヴァンの攻撃を斧で簡単に払ってしまう。そして、ヴァンに向かって


崩天撃(ほうてんげき)!!!」

「グァァァァア!!!」

「ヴァン!!!」


ヴァンが斧で真っ二つになり、血となって周りへと飛び散る。


「てめぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!よくも俺の仲間を!!!!!!」


俺はゼルガドに突っ込んで、超近距離で

地獄の業火(インフェルノ)!!!」

「いい攻撃だ!!!だがこんなもんかぁ!?」

本当にこいつはやばいやばすぎる。戦闘狂だ。


「まだまだぁ!瞬影連牙!!!疾風迅雷斬!!!」

何度も何度も攻撃を加えるがびくともしない。


「もう終わりか?動きが遅くなっているぞ?」

「うるせぇ!黙ってこの攻撃を受けやがれ!」

俺は飛翔で空中へと浮かんでいく。


「空も飛べるのか!いいなアサヒ!気に入った!俺様の配下となるがいい!」


「誰がお前の配下になるかよ!!![魔法構築]黒雷滅殺砲(こくらいめっさつほう)!!!」


黒い雷がゼルガドに向かって勢いよく放たれる。

「消し飛べぇぇぇぇ!!!!」

「ぬおっ!?」

ゼルガドが初めて後ろに吹っ飛ばされた。


「……今のは少しだけ効いたぞ!腹が少し焦げたぞ!」


「まじかよこいつ、今の攻撃を受けても全然耐えてやがる!」


「朝陽様!炎や雷はあまり効いてないですね。ゼルガドには多分氷系の魔法が効くと思います!」


「氷系ね、魔剣化 氷」

閃刃と王牙は氷を纏う。


「お!?炎の剣から氷の剣に変わったか!?だがそれだけじゃぁつまらんぞ!」

「まぁ見ていろ」


絶対領域、それはまだできない……が魔法でアレンジしてみようじゃないか!


「[魔法構築]氷獄領域(フロストゾーン)

地面から氷が現れ、白い冷気が空間を埋め尽くし、円形の戦場は氷の世界へと変わった。


「ほう、これは絶対領域か……?いや違うな、ただの真似事か?面白いなぁ!」


「真似事でもなぁ勝てれば十分だよ!!!」

絶対領域と違ってこの氷の世界を支配できるわけではない、がフィールドが変わればいろいろと戦いやすくなる。


蒼滅大爆(アクア・カタストロフ)!!!」

氷の世界だからか、いつもよりも大きな氷塊がゼルガドに向かって落ちていく。


「これは面白い!!!断界滅斧(だんかいめっぷ)!!!」


ゼルガドが斧を両手で握り、思いっきり振った。振り下ろされた瞬間大氷塊ごと空間が割れた。


「おっと流石に強くしすぎたか、ダンジョンが壊れちまうかな。」

ゼルガドはまだまだ余裕そうな表情を浮かべている。


「Aランクとは初めて戦ったがこんなに強いものなのか!?」


「朝陽様、戦鬼は普通ここまで強くないはずなんですよ。戦ってみて分かりましたが、ゼルガドはそこら辺のSランクと同等、もしくはそれ以上の可能性があります」


……Aを飛ばしてSランクなんてそんなの無理だろ。

「まぁやるしかないよなぁ、俺の全力を受けやがれ!!![魔法構築]氷獄滅槍(ひょうごくめっそう)!!!」


氷の地獄が具現化したような槍をイメージした。

巨大な氷槍が空気を凍らせながら一直線にゼルガドへと向かって飛んでいく。


「ほぅ……これはなかなか!だが俺様は躱さない!」

ゼルガドが正面から俺の攻撃を受けた。斧を破り、腹を貫通する。


腹に突き刺さった氷の槍はゼルガドの体内からじわじわと凍らせていく。今まで余裕そうな表情を浮かべていたが、今の顔は真剣だ。


「ゼルガド……何故躱さなかったんだ?」

「ふん……お前の全力の攻撃とやらを受けた上で、お前を完膚なきまでに倒したいからだ」


ゼルガドは魔物だが、戦うことに誇りを持っているのかもしれない。

ゼルガドは腹に刺さっている氷の槍を無理やり引き抜きながら立ち上がる。


「さぁ!もっとだぁ!もっともっと!俺様を楽しませてみろぉぉお!!アサヒ!!!」

ゼルガドが走ってこちらに向かってくる。


「あぁ!」

俺は閃刃と王牙でゼルガドの拳の攻撃を凌ぐ。


鬼砕拳(きさいけん)!!!」

ゼルガドの右ストレートを俺は

蒼氷斬(そうひょうざん)!!!」

で受け流す。


「いいぞいいぞ!これだから戦闘はやめられないんだ!豪震拳(ごうしんけん)!!」

ゼルガドが地面に拳をぶつけると地面が激しく揺れ動き、氷が砕け、地面が波のように動く。


「おっと!危ねぇ!」

俺は飛翔で空中に浮かんで地面から離れる。それを狙っていたかのようにして、


断空脚(だんくうきゃく)!!!」

魔力障壁10枚を破って俺に直撃する。咄嗟のところで剣で防げたが、どちらの剣も吹っ飛ばされ、壁の奥深くまで刺さってしまった。


「剣がなければ攻撃も防御もできないだろうアサヒよ!!!崩滅打(ほうめつだ)!!!」


ゼルガドの崩滅打が打ち込まれるその瞬間、

「[気]発動」


気を発動して、全身の気を拳に集中する。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


ドゴォォォォォン!!!!!


拳と拳がぶつかり、周囲に衝撃波が生じる。


「よく防いだなアサヒ!!!」


「剣が吹っ飛ばされたからってまだ終わらないぜ!!!まだ拳が残ってる!!!」


俺とゼルガドはその後も拳と拳で殴り合う。


「オラオラオラァ!!!どうしたアサヒ!動きが鈍くなってるぞ!?」

「うるせぇ!迅雷(じんらい)!」

俺はゼルガドの周りを高速で駆け回り、背後から奇襲を仕掛ける。


豪拳(ごうけん)!!!」

「甘い!!!鬼砕掌(きさいしょう)


俺の奇襲の一撃が受け止められ、さらには衝撃波で吹っ飛ばされる。


「ちっくしょー!こいつ強すぎるって」

「朝陽様!もうそろそろ天恵(セレスティア・)付与(ブースト)の効果時間が切れてしまいます!」


「まじか!これが絶体絶命ってやつか」

「もう終わりかアサヒ?」

打つ手はもう残されていない。


「いや……まだだ!俺は最後まで諦めない!氷獄滅槍(ひょうごくめっそう)!」

「もうその攻撃は知っているぞ!戦鬼流の攻撃で叩き潰してくれるわ!」


俺は氷獄滅槍を放ち、その攻撃に隠れながらゼルガドに近づく。


「戦鬼流・破城拳(はじょうけん)!!!」

今まで以上の威力をもつ一撃で、氷獄滅槍が粉砕される。だが、俺はその影に隠れて全ての気を右拳に集め、粉砕されたと同時に飛び出して、


覇拳(はけん)!!!!!!」

俺の今出せる最強の一撃をゼルガドの腹に叩き込んだ。


「グハァァァァァ!!!」

ゼルガドはその攻撃をもろに受け、膝をつく。


「もう立ち上がってくるなよ……限界が来ちまった……」

身体中が悲鳴をあげている。もう戦えない。


「今の一撃は効いたぞアサヒ……俺も動けんわ」

俺とゼルガドはどちらも倒れた。


「なぁゼルガド、この勝負俺の勝ちだよな?」

「何を言ってんだ?俺様の勝ちだろ。」


「いやいや、俺だ」

「俺様だって!」

俺とゼルガドはどちらも地面に倒れながらも数分間ずっと言い争っていた。


「はぁ〜このままじゃ埒があかねぇ。そこでだ、ゼルガド俺についてこい。またいつかちゃんと決着をつけよう」


「逆だアサヒ。お前が俺様についてくるんだ」

その後もまた数分言い争い、聞くに耐えなかったのかアンジュが言ってきた。


「朝陽様、金貨を投げて表か裏で決めたらいいのでは?」


「それだ!いいかゼルガド?」

「望むところだ!」


俺は金貨を取り出して、ゼルガドに見せる。


「こっちの模様が書いてあるのが表、何も書いてないのが裏でいいか?」

「あぁ!それでいいぞ!」


俺は金貨を弾いた。金貨はほぼ垂直に上がる。金貨は空中で回転し、落ちてきたところで俺はパシッと取り、手を前に突き出す。そして、ゼルガドが言う。


「これは裏だな!絶対裏だ!」

「俺は表だと思うぜ!」


俺は手をどけた。そこにあった金貨は……

「よっしゃぁぁあ!!!表だ!俺の勝ち!」

「負けた……だと」


「この勝負俺の勝ちってことで、ゼルガド俺についてこい!」


「……負けちまったらしょうがねぇな。だが戦いはまだ終わってないからな!次は完膚なきまでに倒してやるぞ!」


電子音と共に、空中に文字が浮かぶ。


戦鬼ゼルガドが仲間になりました。


「これからよろしくな!ゼルガド!」

俺はゼルガドに手を差し出す。


「俺様に負けないようにせいぜい頑張るんだなアサヒ」

ゼルガドが俺の手を取り、握手をする。


その後、俺とゼルガドは数分座り込んだまま休憩していた。


「なんか忘れてるような気がするんだけどなぁ……」

「俺様が途中で真っ二つにした吸血鬼のことじゃないか?」

「それだぁぁ!!」


俺は血が飛び散っているところへと向かう。


「ヴァン!!!」

俺がヴァンのことを心配していると、血がだんだんと一箇所に集まってきた。


「アサヒよ!今復活したぞ!あの憎きゼルガドはどこじゃ!?」

ヴァンが騒ぐ。


「ヴァン落ち着けって!もう戦闘は終わったんだ!」

ヴァンがキョロキョロと周りを見渡す。そして、ゼルガドと目が合ったっぽい。


「アサヒよ!すぐ離れろ!まだそこにゼルガドがいるぞ!」

「ゼルガドは仲間になったぞ」

「……何!?」

ヴァンは目を丸くして驚いている。


「お前さんヴァンっていう名前なんだな!吸血鬼のヴァンか!これからよろしく頼むな!」


「ふん!我が先輩だからな!そこのところ勘違いするでないぞ!」


まぁヴァンとゼルガドは上手くやっていけるだろう。

俺はヴァンとゼルガドが喋っている間に吹っ飛ばされた閃刃と王牙を取りに壁の近くまでいった。


「よいしょっと!」

俺は大根を引き抜くようにして壁から閃刃と王牙を取り出す。


「とりあえず平気そうだな!よかったよかった!」

「まだお金も払ってないですもんね朝陽様」


「あっそうだ、お金払ってなかったんだった!16階層に行く前に街に寄るか!ゼルガドの武器も買ってあげないとな〜斧壊しちゃったし」


「そうですね!ゼルガドに斧があるかないかで、だいぶ今後の戦闘が変わってきますからね!いいと思います!」

俺はヴァンとゼルガドの元に戻ってきてゼルガドに尋ねた。


「ゼルガドは体小さくできるか?ヴァンちょっとやってみてくれ」

ヴァンが小さいモコモコしたコウモリへと変わった。


「ふむ、ここまで小さくなれるかは分からんがやってみよう」


ゼルガドはそう言うと、全身の力を抜いていき、どんどん小さくなっていく。そう、その見た目は子供みたいだった。だが筋肉はムキムキ。


「ゼルガド、子供みたいになったな」

俺は笑いを堪えながら言った。


「まぁ俺様にかかればこんなものだな!」

ゼルガドは自慢げに言ってくる。


「んじゃ、みんなの用意も整ったし、街に一回戻るぞ!」


「街に行くのかアサヒ!人間たちの街に行くのは初めてだな!そんなことより、街に着いたら俺様の武器を買ってくれ!お前が壊したのだからな!」


「ちょうどそのことをアンジュと話してたんだ。ちゃんと買ってやるから大人しくしといてくれよ!」


「アンジュ?さっきからたまに聞こえる声のことか?まぁそれはいいから早く街に行こう!」


俺はゼルガドに急かされ、

「ほらみんな近くによれ、瞬間転移(テレポート)!」


俺たちは冒険者ギルドの前にやってきた。


次回へ続く

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