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オカ研の旗の下(もと)  作者: 淡太郎
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オカ研より愛をこめて。・最終幕・真実の行方

そして最後の最期。終わりの始まり・・。

辺りはあっという間に真っ暗で、少しひんやりとした風が吹き、身の丈以上に伸びたススキの草むらを両手で掻き分け、四人は前進していた。

「がんばって!これを抜ければもう直ぐよ」

綾乃が先頭に立ち、蔽いはだかるススキを倒して道を作り、一人ずつ幅を開けて後に続いて歩く三人を元気付けた。

「もう体がクタクタよ。全身筋肉痛だわ」

綾乃の次に続く沙織が弱音を吐いている。

「何言ってんの!そんなのマシだわ。私なんか足が棒よ!」

その後の由香が痛そうな足でゆっくり歩いて来る。

「二人とも・・あとちょっとの我慢よ!」

最後尾の翠が、自分を含め四人の残っている元気を奮い起こさせた。

目の前を大きく憚る強く伸びたススキを押し倒し道を作り少しずづ進む。と、いった連続する作業が長い時間続いた。始めは声を掛け合いながら、お互いを励まし合って進んでいたが、もう今となっては出てくる言葉も無く、妥協で黙々とロボットの様に同じ動作を繰り返している。無言のまま体中にじめっとした汗を湿らせながら、長く広がる最後の砦を最後の力を振り絞り崩して前進している。

幾度となく同じ作業を繰り返し先頭にいる綾乃のもう力が出なくなった腕で、今までと同じように最後の力を出してススキを押し倒した。すると、今まで視界を遮っていたススキが、ようやく出口を促すように軽く倒れていった。眼に飛び込んできたその景色には、雑草が生え広がった広大な敷地に、そこそこ大きな建物の影が忽然とその姿を現した。

「やっぱり嘘じゃなかったのね」

綾乃が呆然と立ち尽くし見上げている。

「ようやく此処まで来たのね」

翠も力無く見つめている。

「長い道のりだったわ」

由香の薄着のシャツが肌に張り付いている。

「私達が初めてなのね」

沙織の顔も汗でギットリしている。

四人は体の力の気が抜けて立っているのが精一杯だった。時間を忘れ眺めていると空には赤い月が昇り、その褐色の月明りが影で覆われていた大きな建物の全貌を照らし出した。そこには雑草の蔓やシタ等で蔽い尽くされ廃墟になった学校らしき建物が姿を現した。

「多くの心霊好きの人が挑戦してその殆どが大概・・いや、100%が此処を見つけるのに断念して失敗しているわ」

綾乃は息を整えながらこれまでの事を振り返った。

「本当に逢えたなんて感動的だわ」

由香にも色々な思いがあった。

「幾つもの偶然が重なり合い、あらゆる条件が合わないと辿り着かないのよね」

沙織は此処に来た理由を思い出した。

「そう私達の苗字って珍しいでしょ。しかも名前も血液型も星座も同じで、好きな色や季節まで一緒なんて!そんな兼ね備えた条件を全部満たしているのよ!」

翠はもう何も悔いはない。

四人は自分達それぞれ気持ちを整理して覚悟を決め、朽ち果てた校門を同時に一歩一緒に踏み込みで入って行った。

「だけど私達・・。此処に踏み入って幽霊達の反感を買って呪われない?」

沙織が少しの不安を問い掛けた。

「呪われる訳ないでしょ!此処の住人の幽霊達は、ずっと永遠に学生生活をエンジョイしているわよ!」

そう言って、綾乃が笑って崩れた見る影もない暗い校舎の中に最初に入って行った。


「行方不明者の続報です。既に消息不明のまま、ひと月になる早乙女沙織さん。鷹塚翠さん。飾磨由香さん。栗須川綾乃さん。ですが、安否が気遣われる四人の部屋から遺書めいた手紙が発見されたようです。内容は個々とも、家族や友人に宛てた文面となっておりますが最後に、“誰しもが見つけ出せないものを見つけに行きます”といった内容の文章が四人全員が綴っております。インターネットのサイトで知り合った四人ではありますが、これがいま都市伝説の噂で有名な幻の心霊スポットと関連性があるかどうかはまだ分かっておりません。しかしながら、これまで百名以上を動員した四人の捜索も本日で残念ながら打ち切りとなります。四人の情報提供はまだ引き続きお待ちしておりますので、心当たりの方はこちらの電話番号まで・・」

テレビニュースの女性キャスターは深刻な顔で四人の事を報道している。

「沙織・・何処行っちゃたの・・」

そのテレビを見ていた和中妙子は目に涙を浮かべ心配した顔で画面に釘付けであった。


「さぁ~て来週のオカ研は初心に返って“ツチノコ探し”よっ!」

拝啓。翠も沙織も由香も綾乃も、仲良し四人組は今日も元気です。

・・・・完。



※今回のウィキペディアで検索してみよう!※


●魔女

●降霊術

●オーパーツ

●タイムパラドックス

●ツチノコ

●第最終話・オカ研より愛をこめて(全五幕)



●出演者


オカルト研究会メンバー

早乙女沙織、鷹塚翠、飾磨由香、栗須川綾乃


●ゲスト出演者


神主・光明寺春江

巫女・黒木美紗

氏神・お狐様

霊能力者リーダー・西園寺公佳

小佐井和哉先輩・野良猫の輔清

和中妙子


※この物語はオカルト研究会の四人組のドタバタコメディのフィクションであり実在の個人名、団体名、建物名、本のタイトルなど一切関係はございません。


長い間、ご愛読本当にありがとうございました。また今後の展開にご期待ください。

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