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たとえ貴方が地に落ちようと【簡易版】  作者: 長岡更紗


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95/115

第95話 どんな顔してセヴェリ様と話せばいいのっ

 本編の方は15禁になります。

 ーーーーーー


 朝を迎えると、目の前にはセヴェリがいた。顔を見ると恥ずかしくて、でも胸の内に潜む満足感がサビーナを微笑ませる。

 セヴェリもまた、サビーナを見つめながら目を細め、髪を撫でてくれている。柔らかに弧を描いた口元をサビーナに寄せ、昨夜何度もしたように口付けをしてくれた。


挿絵(By みてみん)「もう私のものだ」


 セヴェリの腕の温もりが心地良過ぎて、どうにかなってしまいそうだ。

 もう何も考えたくない。ずっとこうしていたい……そう思うのは、まだ熱があって人恋しくなっているからだろうか。

 今はまだ離れたくない。

 いつか来るその時までは、せめてこうしていたかった。


 熱が下がってブロッカ街に行くと、久しぶりにマティアスに会った。


挿絵(By みてみん)「サビーナ、久しぶり。元気?」

挿絵(By みてみん)「うん、まぁちょっと風邪引いちゃったりしたけど、元気。どっか行くの?」

挿絵(By みてみん)「ちょっとそこに用事」


 用事と言って指さしたのは、娼館である。


挿絵(By みてみん)「あ、もしかして、好きな人がここに居るとか?」

挿絵(By みてみん)「好きな人は別に居るよ」

挿絵(By みてみん)「じゃあ何でこんな所に……」

挿絵(By みてみん)「こんな所? それはここで働いてる女の子への侮辱じゃない」

挿絵(By みてみん)「そ、そんなつもりは……!」

挿絵(By みてみん)「サビーナはさ、お腹が空いたらどうする?」

挿絵(By みてみん)「へ? そりゃ、ご飯食べるけど」

挿絵(By みてみん)「うん、それと同じ。別に不思議はないだろ」

挿絵(By みてみん)「そう……じゃあ、うん……行ってらっしゃい」

挿絵(By みてみん)「言っとくけど、男は皆似たようなもんだからね」


 そうなのか、とサビーナは納得した。

 なんて事はない、セヴェリはお腹が空いて、食べただけなのだ。

 偽装結婚している手前、お腹が空いても他には手を出せない。

 ただ、それだけの話だった。


 そ日以降も、サビーナとセヴェリは会うたびに体を預けあった。

 しかし、欲を満たすためだけの行為というのは、こんなにも悲しいものなのだなと、サビーナは心で泣いていた。

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