表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第四章 ダークエルフの村へ
71/73

071.ここだけの話

「ところで、お礼はどれぐらいお支払いすれば良いのでしょうか?」

 朝食を食べ終わって、ちょっと甘みのあるお茶を煎れて貰って飲んでいたら、シルビアさんが恐る恐るといった感じで切り出して来た。

 ちなみに朝食の途中ぐらいでヒューバートさんも、リンドンさんの様子見ついでに朝食をちゃっかり食べさせて貰っていた。

 狭い村でずっと一緒の顔ぶれで暮らしているから、村全体が家族みたいなもんなんだって。


「えっと……」

 お金の話は大事だよね。とはいえ、俺の懐には実は全然影響が無かったというか、再生薬の素材はユースタスがアイビン先生から巻き上げて来たから実際の支払いは無かったし、これは後でウィルウルマイヨールの毒でも持って行けばチャラにして貰えると思うんだよね。

 毒消し薬自体も素材の殆どはこっちに来てから採取して作ったから、材料費自体も生じて無いし。

 まだ投与して無いけど造血剤は、割と一般的に使われる薬だから材料は地下の畑で作ってたしで、これもお金が掛かった訳でも無い。

 後は、俺の出張費とか技術料ぐらいのもんなんだけど、う~ん、う~ん。


 ここで材料費とか掛かって無いから、格安で良いですよって言うのは簡単なんだけど、それも何か違う気がするんだ。

 後であの時はそんなに請求されなかったとか、そんな事を言われても困るし、他所であいつの所はそんなにしなかったとか言われても困る。

 絶対にそんな事は無いとは言い切れないからね。


 でも、森で自給自足の生活をしてて、偶にどうにもならない分だけ森から出て何かを売ったお金で手に入れるみたいな生活をしている彼等に、払える額では無いと思うんだ。


 難しいよね……。


 ていうか、無い物は取り様が無いんだし、仕方無くない?


 でも一応正規の値段はどれぐらいかってのは、ちゃんと伝えておこう。


「先ず毒消し薬なんですけど、王都にも素材が無くてここまで来ることになったので、往復の日数と投薬治療に大体五日ぐらいと見て、薬師ギルドで規定の出張費と技術料で銀貨四十三枚掛かります」

 本当はヒース君の足で片道七日間掛かるから、それで計算するなら往復十四日分と治療日数五日の計十九日分を一日銀貨三枚分として五十七枚。技術料として銀貨十枚で計算するところなんだけど、そこは片道三日で済んだからそっちで計算で。

 日当とか技術料は俺が駆け出し薬師なので、最低限度の計算になってるけど、ウィルウルマイヨールの毒消し薬自体は割と高難易度の調薬だったから、正規に値段を付けるならもっと上乗せされるんじゃないかと思う。


「これに素材代とかが掛かるんだけど、今回は毒はヒューバートさんが獲って来たし、その他の素材もヒース君と一緒に採ったので掛からなかったって事で良いです」

 蜘蛛の毒は一瓶貰って帰るしね。

 毒消し薬は正規の値段の分からない奴だから、曖昧にしておこう。


「それから、傷んだ内臓を修復するのに再生薬を使ったので、こちらは金貨二枚と銀貨五十枚になります」

 毒消し薬の値段が、思ったよりも高いけど払えなくも無いかもと思った所で、再生薬のお値段を聞いてシルビアさんとヒース君とついでにヒューバートさんが震えあがる。

 うん、うん。分かる、分かる。


「後は再生薬の効果が出て内臓が治ったら、造血剤を使うつもりなんだけど、それは銀貨一枚かな」

 と、付け加えたけど皆あんまり聞いてないかも?


 まあねー、再生薬のお値段高過ぎてびっくりするよね。

 再生薬に使っているインタニスダの尾っていうのが、尾って言ってるけど火山の火口付近に生息しているインタニスダっていう鳥型の魔物の尾羽で、孔雀の上尾筒みたいなのなんだけど、そもそもこの魔物が凄く強いらしい。

 強いので素材だけを目当てにしている冒険者なんかは、巣の持ち主が不在の時を狙って巣の周囲に落ちている抜け羽根を採って来るんだそうだ。

 でも巣の周囲に生息している魔物も強いのが多いし、火山の火口自体が物凄く熱いから、採取は困難を極めるんだとか。

 そんな訳で素材自体がとてもお高いのです。


「ええと……、済まない。兄の治療をして貰って、こんな事を言うのはとても心苦しいのだが、我々には言われた金額を払える程の手持ちが無い。必ず、どれだけ掛かっても必ず払うから、暫く待って貰えないだろうか?」

 何なら誓約魔法を使っても良いと、ヒューバートさんは覚悟を決めた様な顔で言った。

 ちょっとだけ世知辛い話。

 とはいえデイライト君が言ってるお値段は大分値引きされてるんですけど。毒消し薬とか。蜘蛛を倒したのも殆どデイライト君達ですしね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ