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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
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046.ホットプレートのネックは片付けにあると思う

 そんな訳で実食会ですよ。

 じゃ無かった、魔道具の試験運用です。という名前の鉄板焼きパーティです。


 先ずは大きさ。

 鉄板の大きさに合わせるべきか鍋の大きさに合わせるべきか、悩みに悩んで鉄板の大きさに合わせる。

 と言ってもバーベキューとかの野外で使う様な大きな鉄板じゃなくて、ホットプレートサイズです。大体二人から三人用ぐらいの。

 まあ、上に乗っける物が安定すれば良いだけなので、外側の枠を付け替えて小さ目にすれば鍋でも使える様にしたんだけど。


 上に乗せる鉄板はエドワードが。

 壺みたいなのとかを土で作れるんだから、鉄は駄目なのか聞いてみたら、抽出すれば出来るとの事。

 とは言え鉱山でも無い所から抽出すると、広範囲の土から抜き取る事になるから、バランスを崩さない様にしないととか何とか。


 下の枠の部分もエドワードが。エドワード便利だな?

 他の妖精達が拗ねない様に気を付けなければ。

 今回は、取り敢えず形を組み上げなければって事だったけど、大体の形が決まったら素材も見直さないとかなあ。

 耐久性とか使いやすさとか、持ち運びとか収納とか。

 自分で使う分には、壊れたらまたエドワードに作って貰えば良いんだけど。

 うん、知らない誰かの使い勝手なんかは、知らない誰かに任せよう。


 肝心の魔法陣の部分について。

 中央には勿論【火】を。

 それから【維持】とか【威力】とか【調整】とか。これは加熱の魔道具に刻んで有った魔法陣を参考に。

 後は【消費減】も。

 【消費減】は加熱の魔道具に刻まれた言葉を見ながら、何か改良出来ないかな~って考えてたら、何となく頭に言葉が浮かんで来たんだよね。

 先人が改良して改良して改良した物でも、何かこう改良したいという素人考えだった訳なんだけど、たまたま上手く行った感じ。


 何で知らない言葉が頭に浮かんだのかよく分からないけれど、多分他の言葉の事を延々考えて手癖でぐりぐり書き出していたから、連鎖的に引っ張り出されたんじゃないかなって思っている。

 記憶喪失になったけど、多分きっと思い出せないだけで失くしてしまった訳じゃ無いんだ。

 それで関係無い言葉については、幾ら考えても頭に浮かばなかった。


 そして言葉に対応する紋様について。どうも人間だった時の意識が多分に有るのか、言葉を聞くと漢字で思い浮かべてしまっているらしく。

 象形文字と篆書を混ぜた様な、絵文字っぽくて漢字っぽい物を混ぜたのに落ち着いた。

 うん、落ち着いたんだ。

 ストンと「あ、これはこの形だ」って上から降って来た感じ。


 多分漢字その物でもいけるんだろうけど、無駄に複雑になっちゃったのは、俺の中の十四歳がそうしろと騒いでいるからなんだ。

 ちょっと恥ずかしい。


 まあそんな訳だけど、魔道具(仮)に鉄板をセットして、焦げ付かない様に油を塗って。

 何故かクレープパーティになってしまった。


 小麦粉は計量カップ一杯が大体百グラム。

 なので小麦粉カップ一杯に、牛乳もカップ一杯。塩一つまみ。砂糖大匙一杯。

 大体この分量でクレープの生地って出来る。四枚から五枚分ぐらい。

 勿論粉をちゃんと振ってとか、混ぜてからちゃんと裏ごししてとか、作った生地をちょっと寝かせてとかあるけど、無くてもまあ食べられる。

 お玉の裏で伸ばしながら、薄くなるように生地を広げてホットプレートで焼くだけ。

 後は具になる物を小さ目の皿にそれぞれ入れて、好きな物を包んで食べれば良いのだ。

 甘いのもしょっぱいのもどっちを乗せても良い。


「オスカーはチーズと腸詰肉でも乗せてみる? じゃあ包んでからちょっと加熱した方がチーズが溶けるから美味しいかも?」

 妖精達のあれだこれだという注文を受けて、好みのクレープを作ってやる。

 お店で売ってるの程は円の直径が大きく無いから、具はそんなに包まない。包み過ぎると破れて後悔する事になるから。


「エドワードは全部乗せ? 無理だよ。……ええ~、包まなくても良いからって?」

 食いしん坊なのか、面白がりなのか、多分後者の方だろうエドワードの注文を、無理だと返しつつもなるべく意に沿う様に色んな具を乗せてやる。

 包めないからそのまま皿の上にクレープを広げて、直接具を盛ったんだけどどうやって食べる心算なんだろう。

 と思って眺めていたら、かぱっと口が開いて皿ごと飲み込んで、後で皿だけ吐き出した。見てしまったけど見なかった事にしたい。

 蛇はそういや顎が外れるんだっけと思っていたら、外れないとの事。むむむ。

 その分骨の構造が特殊で大きく開く事は間違いじゃないとか。


「デイライト様、クリームの上にジャムで模様を描いて欲しいですわ」

 相変わらずゾーイは見た目重視。

 俺に絵心なんて求めないで欲しいんだけど。

 これは生クリームを絞るための口金を、早々に作って貰わなければいけない気がする。クリームの形が綺麗なら多少は満足してくれると思うんだ。


「ララはどうする?」

 食べ物に関して特に好きも嫌いも主張しないけど、その分ララでも食べられる形なのかどうかっていう制約が出て来る。

 何と言っても嘴だし。

「主様のお勧めでお願いします」

「……じゃあ、しょっぱいのと甘いのとどっちが良い?」

「しょっぱいので」

 て事で、サラダ菜をぺらっと一枚敷いて、ポテトサラダを適量。くるくるっと巻いてお皿に乗せて渡す。

 昨日の残りの再利用とか言っちゃ駄目。ポテサラはサンドイッチにも合う万能選手ですよ。


「ユースタスは……?」

 流れでユースタスの分も作ろうと思ったら、皿を差し出して来る。

「ありがとう?」

 受け取ってみれば、ガレット風に四角に端が折りたたまれたのが乗っていた。

 魔道具で四人分のクレープを焼いている間に、備え付けの魔道具焜炉の方で俺の分を作ってくれていたらしい。

 卵とほうれん草とゴロゴロベーコンの奴だ。美味しそう。

「どういたしまして」

 答えて席に着いたユースタスの手にも同じ物が有る。


 そんな感じで満足するまでクレープを作ったら、残った生地はちょっと冷ましてから、クリームと薄切りのフルーツやジャムを挟んでミルクレープにした。

 乾燥しない様にしてから保冷庫に仕舞う。


 魔道具の試作品の改善点を話し合いたいところだけど、もうお腹が一杯です。

 焼肉回にしようか悩んだ末にクレープ回。焼肉は大人数でお外でやると良いけど、家の中は煙と油と臭いで終わった後ちょっと憂鬱になるんですよね。ファンタジーなのでそこまでは描写しませんけど。

 クレープはわいわい楽しみたい時に割と盛り上がります。ホットケーキとかでも良いですけど。


 読んで下さってありがとうございます。嬉しくて続きを書こうという意欲が湧いてきます。

 取り敢えず正月休みに一回休みせずに済みました~。

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