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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
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045.言葉は知らないと使えない

 それからまた日を改めて、図書館で前回読めなかった『魔道具における魔法陣の構造について』も読んでみた。

 この本は、魔法陣を組み立てる際に、どういった並びで言葉や記号を組み上げれば良いのかについて、基礎的な事が書いてあった。


 魔法陣は基本的には真円で描かれるのは、中心から外側に向けて力が走るかららしい。

 だから中心から外側に配置された紋様の、力の配分について細かく理解していれば、本当は真円で無くても発動するのかもしれないけど、残念な事にそこまで細かく魔法陣についての研究が進んでいないらしい。


 中心には魔法陣で行いたい事の一番重要な要素を表す言葉を入れる。例えば点火の魔法陣なら『火』を表す物を。

 それから、その文字の外側に強弱だったり継続時間だったりを表す言葉を入れていく。

 例えば内側に『強さ』と刻んで、その外側に『弱く』と刻んだりする。

 並び方、配置、ちょっとしたずれなどによっても、魔法陣の効果は変わるのだとか。


 但し、配置にはこれが絶対という物は無いらしい。

 結局は本人の魔法の素養に寄っても、使える言葉が変わって来たりするからというのも有る。


「分かった様な、分からない様な?」

 取り敢えず中央に基本の言葉。内から外に向かって構文。

 並び、大きさ、飾り、方向、などなど。色々な要素が有って、最終的には何となくこうするのが良いというのを感じるのだとか。


 後、本の半分ぐらいは基本的な魔道具に使う言葉についての辞書的な物だった。

 例えば火に付いて表す文字みたいなのから記号みたいなのまで、数百単位で並んでいる。

 並んでいる中から、どれか一つでも火と読めたなら、それが自分にとっての火を表す『形』なのだそうだ。


「でも何か、全部一応読めるんだけど、何でだろう?」

 書き連ねられた火を表す物が、目を通すと一応それが火を表しているのだと分かるのだ。

 ただ、それぞれ受ける印象(イメージ)が、少しずつ違うけれど。


 かと思えば、辞書部分をパラパラと捲れば、どれ一つも分からない言葉もある。


「それを表す世界の言葉を、知っているか知らないかの違いではないですかのう?」

 火などは前に魔法を習った時に、呪文の中に有りましたじゃろう?

 ちょっと考える風に大きな目をぐるぐる回してから、オスカーが多分そうではないかと意見を述べる。


「つまりは言葉を知っていれば記号は読めるけど、知らなかったら読めなくて、言葉を表す形がこんなに有るのは、他の人は言葉の音は知っていても意味と結び付いていないからって事なのかな?」

 何か伝言ゲームみたいで面倒くさい感じ。


「ですかのう」


「言葉を皆に習う訳には?」


「難しいんじゃないかな~? 僕らが使っているのは力で、その言葉はハイエルフとかが使っていた物だから、知らないんだよね」


「竜はそもそも理の言葉を神様から習いなさったから、竜以外には分かりませんしのう」

 記憶が飛んでなければこんな苦労はしなかった奴か……。


「つまりは、ハイエルフを捕まえて言葉を習うか、魔法の呪文に使っている言葉を頑張って覚えるかしないといけないのか……」


「ハイエルフはこの近くに居たかしら? 隠れて住んで居るから、探さないと見つけ出せないのよねえ」


「生きる長さが違い過ぎると、価値観も大幅に違ってしまうので、一緒には暮らせなくなるのですわ」


「つまりここで魔法の勉強に戻るって訳だね」

 とは言え呪文ってそんなに簡単に教えて貰えるものなのだろうか?

 大事な戦力だから秘匿しますとか言われたらどうしよう?


「まあ、手当たり次第に聞いて回るよりも、どんな魔道具を作りたいか考えてから、知っていそうな人物を探したらどうだ」

 確かにそもそもの出発点は、持て余した時間をどう使うかという暇潰しな訳だけど、目標が有った方が色々捗るに違いない。




 そうは言っても、いきなり複雑な魔道具製作に手を出したりするのはよろしく無い。

 手近な成功体験から積み上げて行くのだ。


「既存の製品を模倣しつつ、ちょっとした工夫をしてみよう」

 最近魔道具を使っていてここが足りないと思った事。何か無かったかな?


「デイライト様。この前皆で鍋をした時に、加熱用の魔道具だと使いにくいと、おっしゃっていませんでしたかのう?」

 と、その時コンロ代わりになったオスカーが手を上げる。


「そういや、それが有ったね」

 調薬で使う加熱の魔道具は、立って作業するための高さが有るから、椅子に座って鍋を囲むような用途には不向きなのだ。


「ついでに、鉄板焼きとかタコ焼きとかも出来ると良いな~」

 タコ焼きは機能が限定されてしまうけど、ホットプレートは有ると色々便利なんだよね。


「多機能にするなら、上に乗せる部分が入れ替え出来る感じで、加熱部分は機能の入れ切りと、温度の調整が出来れば良いかな?」

 そう考えると複雑になるのは側だけで、魔法陣の構造としてはそれ程難しくも無いというか、ほぼ加熱の魔道具丸パクリで良い気がする。


 試作品の外側はエドワードに頼んで土(というか陶器みたいな感じ)で作って貰えば良いかな?

 鉄板と、加熱部分はどうしよう? 金属が必要な部分は、鍛冶屋に頼んで作って貰おうかな。

 燃料はどうしよう? 魔法陣を動かす部分は魔石だけど、何か燃料に点火して加熱した方が良いのか、そのまま魔石を燃料に発熱させていた方が良いのか。

 コストの面も大事だけど、使いやすさも大事だから。

 まだまだ正月気分が抜けないというか、抜けた気合が中々戻りません。

 そしてまたよく分からない設定回です。

 大丈夫、書いている本人もよく分かってないというか、分かってるんだけどうまく説明出来ていない自覚は有ります。申し訳ありません。

 まあ、今後重要な部分に影響はないので、さらっと流してください。こんな感じなんだな~(ふわふわ)ってぐらいです。

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