あらすじ14 [死霊狩り(ゾンビー・ハンター)] 平井和正著
かなり間が空いてしまいました。
フロリダ沖カリブ海に浮かぶ孤島、ゾンビー島。そこにあるアマゾンの緑の魔境を遥かにしのぐ、猛獣やトラップの蔓延する人工の危険地帯を飢えと渇きに苛まれながらさ迷う田村俊夫が身につけた武器はハンティングナイフただ一つ。この魔境で四週間生き延びる事。それがレースの事故でプロドライバーとしての全てを失い、多額の借金を抱え、さらには人殺しとなった彼が、再起を果すための巨額の報酬と引き換えに受けた試験内容だった。だが、それすら彼に襲い掛かる更に過酷な運命の序章にしか過ぎなかったのだった……
初読が高校・大学生の頃だった為、幻魔大戦と共にとり訳印象に残った作品だ。
ハヤカワSF文庫(1972)→角川文庫(1975)→リム出版(平井和正全集:1991)→アスペクトノベルズ(1997)→ハルキ文庫(2001)→早川JA文庫(2018)と何度もの、それこそゾンビーの様に出版され続けた。漫画「デスハンター」(桑田次郎作画)の原作であり、ヤン・ギョンイル氏により(途中まで)再漫画化もされていた。手元にあるのは早川JA文庫版だが、最初に手に取ったのは角川文庫版(全三巻)。
角川文庫版は生頼範義氏のカバーイラスト(特に三巻目)が秀逸だった。
それから四十年を経た今、簡潔にこの作品を言い表すとすれば、
「田村俊夫という主人公に仮託された、魂の死と再生の物語」
だろうか。
賛否両論あると思うが、個人的には平井氏の、転換点となった作品といっても過言では無いと思う。ただ、人間の、どうしようも無い暴力性をこれでもかという程微に入り細を穿って描写されているため、気軽にお勧めはしないが、読んで損はしない(と思う)。
ちなみに拙作「D~乙女たちの終末~」を始めとした幾つかの作品は、この作品の影響をもろに被っていたりします。




