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塩撒き男登場

男は塩をまき続けていた

笑いながら、さしずめ悪魔のごとく、男は魔法のように、何時までも塩を、何処から出すのか、巻き続けている

そんな苦しみの中、僕はあることが自分の身に起きていることに気が付いていた

(動ける)

それは気が付くと、僕はベッドからわずかにずれていた

そう、死体からわずかにずれていたのだ

試しに横へとずれる

動ける

うごけた

今僕は,

動ける現状下にある

そしてそのことにまだ気が付いていないような、五棟こと、黒悪魔から逃げれるのかもしれない

反逆を考えてもいいのであるが、今の現状がどういうわけかわからない、しかしどうだろう、逃げて捕まるより、反撃した方が、幾分よしと言う事には、ならないものであろうか

僕は淡々と塩をまき続ける男を横に、苦痛に耐えながら、考えていた、思案していた

そして僕はとりあえず

奴にばれないように、ベッドからずれると、下に降りた

これも意外であるが、僕の体は、際限なく底なし沼に落ちおるようなことにはならず

ただ、床に落ちていた

落ちることによる衝撃は、僕を悲壮感に貶めるほどの力もなく、それどころか、何の感覚を僕に提供することもない、ただ床の存在が、そこにある、ただそれだけのことにもかかわらず、ひどくあやふやな違和感が、僕を苦しめた

死とはなんだ、塩をまく男の気配を感じながら思う

手を動かしてみる

そこには、透けている手が、ぐー、や、無敵を繰りだしていた

しかし、そのところどころが、まるで無機質なものを、くりぬいたかのごとく

無かった、損失していた、消えていた

大丈夫か、これが肉体なら、そう、生前だったら、どうしようもなく死を意識するような、けがとでもいうべき事態であるが、しかし、今はどうだろう、もしこのまま元に戻ることがないにしても

死ぬ・・消えることがあるのか、いや、それ以前の話のような気がしてしまう

はたしてこれは、現実なのだろか、僕の見ている幻か、もしくは、僕自身など最初からいない存在なのではないだろうか、もしそうなら、こんなおかしな事態も、説明が付く

先ほどからの激痛とか、もうどうしようもないくらい、この世はリアリズムである

無いなんてことはない、そしてあってほしくないことも、ある

来るなと思っても来るし

来いと思っても来ることはない

そして、夢は、追えば消えるし

そんなものもたなければ、勝手に手に入ったりする

誰も夢など見たくはないのだ、しかし夢を見るようにできている

夢を見なければやっていけないような苦しい世の中

夢を強制される世の中

はたして楽しいことが、希望が必要なのであろうか

それは押し売りのようなものではないのだろうか

とか考えている暇は、僕にはない

なぜなら、男が塩を今現在進行形で、撒きつづけているのだ、実に横暴的に

はたしてどうするべきだろうか、逃げるべきか、もし念能力超能力エスパー能力なんてのがあるかどうかは知らないが、あれば、コテンパンにやっつけてしまう所だが、どうしようもなく、やり方がわからない

試しに、目の前に転がっている、線香の箱を、浮かべてみようと思うが、ピクリとも動くことがなく

ただ、平然と考えを要求された

これでは、駄目だ、ではどうする、考えろ、「逃げる」どうやって、追いかけられるだろう、だいたい外に言ってどうなるというのだろうか・・いや待て、こういう時のお決まりとして、透明人間になった時にしたいことというものが必ずランクインされるはずだ

というか、どんな話でも、長くなると必ず入れてくるど定番だ

そうすると、これは行ってみるべきか

されど、どうする、そんな欲をかいて、あっけなく、塩攻めにされたナメクジのようになってしまったら

目も当てられない

だいたいこの男はどうして塩なんて延々と撒きつづけるのだ

そんなことをして楽しいのか・・いや少し待った方が良い

怨恨という線も捨てきれないどころか

そう言えば虐めていたような気もするが

しかし、人は自分に得になえるようなことしかしない

もしあいつ自身の憂さ晴らし以外で来たのだとしたら

もしや、自分でも知らないうちに、そういう分野の専門家が来てしまうような

有名なものをしていたのだろうか

しかしそんなことはない

していた記憶はない

何処に記憶が蓄積されているかは知らないが

そんなことは今はどうでもいい

こうなったら好きにすべきであろう

どうせ死ぬなら好きな方へと

と、僕は、こそこそと開けっ放しのドアへと

壁づたいに、こそこそと移動を開始したのである

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