第4話 改めて自己紹介
おひさです。
投稿久しぶり。
夏バテがね〜、酷くてね
それではどうぞ。
さて、これまでの回想はさて置き、今は朝だ。
ベッドというには余りにも硬い、毛皮が数枚敷かれただけの寝台から降りる
因みに衣服はお下がりのチュニックのみ。
まるで風呂上がりにバスタオル一枚だけになったような心地だ。おかげ様でお股がスースー、ゾウさんがぶらんぶらんだ。
我が家に子供用の衣服など存在しない。
正確には幼児用の衣服などない。
7、8歳になれば親子3代で着まわしたお下がりの子供服が支給されるが、俺はまだその年代に到達していない。
なぜなら、ぼく、5ちゃい、だから…。
寝室から出て居間に向かう。
因みに我が家は全床土間である。
よく踏み固められた土床は雨の日でも泥濘む事なく、しかし何処からか入って来た砂でジャリジャリしたコンクリートの様な踏み心地である。
周りの壁も日干し煉瓦を積み上げたもの
窓に至っては十字に組み上げた窓枠を嵌めただけ
天上はスレートと呼ばれる薄い石板を積み重ねたものになる
…此処本当に材木が主力製品だったのか?ってくらい土と石に囲まれている。
何だかホビットの里の家というか、遥か彼方の銀河系のサーガに出てくる砂の惑星の住人になったようだ。
閑話休題
居間では既に両親が朝食を食べる直前で、我がチュニック仲間の妹3ちゃいが子供椅子という名の監獄に囚われ癇癪を起こしながら朝食を待ち侘びている。
「…やっと起きてきたわねエイル。さっさと食べてちょうだい」
会って早々お小言を賜るエイルこと、俺。
そう、俺の名はエイル。
エイル・ウッドクラフトという。
苗字付きだがお貴族様という訳ではない。
この寂れた開拓村の開村当初からある古参?名士?だからだ。
この寂れた開拓村の正式な名前は"ランバー村"
まぁぶっちゃけ'木こりの村"とか'材木の村"とかそんな意味だ。
そのランバー村開村に際し7世帯の居住者家族がいた
初代からずっと村長として村をまとめている木こりを生業とする《ランバージャック家》
代々行商人としてずっと辺境領都とランバー村の物流を担ってきた《ペドラー家》と《ホーカー家》
元は旅の聖職者だったのがランバー村に腰を落ち着けて以来代々薬師を務める《ファーマシー家》
開村当初から流血沙汰を取り締まる影の長…と噂されている代々猟師である《ヴェナトール家》
代々炭焼きや陶芸、野良鍛治など火を専門に取り扱って来た《バーナー家》
そして、代々村の木工を一手に引き受けて来た我が《ウッドクラフト家》となる。
この7世帯が何やかんや切り盛りして今のランバー村はあるそうだ。
それは兎も角、今は朝食だ。
丸椅子によじ登り食卓に着く。
しかし、我が家の朝食は惨憺としている。
主食は麦粒が浮いた湯漬けというのも烏滸がましい粥擬き。勿論塩なんていう高価な味付けはない。
これのみ。副菜なんてものはない。
これに文句を言おうもんなら朝から修羅場だ。
父も母もイライラを隠そうともしないで黙々と匙をかき込んでいる。
こんなひもじい食事はさっさと済ませるに限る。
本当はしっかり噛んでゆっくり食べた方が腹持ちがよいんだろうが、今は時間が惜しい。
「ごっそさん」
俺はお椀の麦粥をサラッと書き込み食事を済ませると、背負い籠を背負って玄関扉に駆け出した
「まきひろい、いってきゃ〜す」
「コラ!エイル、また変なもの拾ってくるんじゃないわよ!あと森の奥まで行かないでよ!またあんな事になったら今度こそ許さないからね!」
母ちゃんの小言を背に玄関扉に手をかける。あんな事とは鰻事件の事だろう。俺もそんなヘマは2度と起こさない…つもりだ。
「あ〜っ!にぃ〜、ずーぃ!えむぁもいく〜!」
妹が癇癪を起こす。因みに妹の名前はエマだ。
「エマはちっちゃいからおるすばん。おみやげやるからがんしろ〜」
「やぁ〜!!えむぁもいぐ〜!!」
俺は泣きじゃくる妹の涙声を背に玄関から飛び出した。
さぁ、今日も今日とて異世界スローライフを満喫する事にしよう。




