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The cuteness justifies everything

美男美女コンテスト撤廃を防ぐため、

新たな武器を手に入れた柴乃は

いざ、生徒会長のもとへ!!

「わざわざここまで押しかけてくるとは余裕だな、渕脇柴乃。その暇を勉学に生かしてほしいものだ」


生徒会長という名札の席に、両肘をつきながらがんを飛ばす。

眼圧に押しつぶされそうになりながらも、私は目をそらそうとはしなかった。

昼休み、彼女を訪ねて教室を巡っていたが案外簡単に見つかってほっとしている。

生徒会長と言えば、生徒会室。たどり着くまで、そんなに時間はいらなかった。

今まで食べていたのか彼女のそばには弁当箱が置いており、はあっとため息を漏らした。


「どーせ用件はコンテストのことだろう? まったく、どいつもこいつも口を開けばそればっかり」


「……うんざりしてるなら、お知らせを撤回すればいいじゃない」


「これには先生も賛同してるし、保護者からも満場一致の意見だ。取りやめるつもりは毛頭ない」


「発案者は誰よ」


「無論、私だが?」


やっぱり、こいつが元凶だ。

それが分かった私は、ポケットに忍ばせておいた寺濱君から持った紙を手に持つ。

こほんと咳ばらいをし、勢いよく彼女に突き出してみる。


「これ、なんだかわかる?」


「……それは……い、一年の時のコンテスト結果!? お前、そんなものどこから!?」


「あんたの名前……西園寺莉羅、でしょ? びっくりしたわぁ、会長さんってかんわいい名前なのねぇ~?」


わざとあおった、つもりだった。

しかし彼女は意外にも動揺しているようで、開き直ったように大声で叫ぶ。


「ああ、そうだよ! どうせ私は名前負けしてる、かわいくない奴だよ! 悪かったな!?」


「そ、そこまでは言ってないんだけど……」


「そもそも、その紙は係内だけの機密情報だろ! 個人情報の漏えいにもほどがある! 私に恥をかかせたくて来たのか!?」


「違うわよ。みんな見る目がないんだなあって思っただけ」


私の言葉には? と彼女は怪訝に顔をしかめる。

そんな彼女の顔を見ないように、私は紙に目を落とした。


「私、自分が一番かわいいと思ってるの。でも友達や自分に自信がない人を見るのは、見ていてイライラするわけ」


「な……なんて勝手な考えを……」


「あんただって、勝手じゃない! たった一度の失態でコンテスト自体をなくすなんて! 自分は女の子らしくないって、一線を引いてるのは自分じゃない! それを理由にかわいくなろうとしてる子達の場所を奪うのは、間違ってるわ!」


「お前に何が分かる! 二年連続上位者のお前に!」


「わからないわよ! でもかわいくなろうってするのは、誰だって一緒でしょ!?」


こんな風に考える私は、やはり勝手だ。

すべては何もかも、自分が一番になりたいだけ。

自分が一位になることで、馨君にふさわしい彼女になりたいだけ。


それでもあんちゃんやむぎちゃん、かわいい女性なんていくらでもいる。

だからこそ線なんてひかないで、正々堂々戦いたい。

女の子は、誰だってかわいくなれる生き物なんだから。


「……貴様の言うことは……何もかもめちゃくちゃだ……中身ではどうせ、自分が一番になるに決まっていると思ってるくせに……」


「当たり前じゃない。私、それだけが取り柄だもぉん」


「こんなふざけたイベントに……なぜそこまで……」


「だって、楽しいもの。一番になれなくても、名前がそこにあるだけで私は誇りに思えるわ。あなただって、クラスの人達にでてみればって誘われて出たんでしょ? なら、それだけの実力はあるってことよ」


私が言いたいことすべて言い終わると、彼女はどこか納得がいかないような表情を浮かべる。

それでも何かあきらめたようなため息をつくと、急に立ち上がって……


「ちょっ、どこ行くの?」


「どこに行こうと、私の勝手だ」


「待ちなさいよ! まだ終わってないわよ!?」


「これ以上の話はもういい。もう、十分わかった。この話は、持ち帰らせてもらう。おとなしく待ってろ、私の意味が分かる時までな」


そういって会長は、私を残してさっさと行ってしまう。

後日。GWが明けた一週間後、撤廃のお知らせはいつの間にか再開のお知らせに変わっていた。

つらつらと書いてあった内容は、あの会長らしい真面目な文章で読む気もなかったけど。

何はともあれ……


「私達の圧勝! ね!」


「お前って無駄なところでしつこいよな」


「無駄に、は余計よ! これでW首位を目指せるわね、馨君!」


「ずっと気になってたんだが、別に一位を取ろうが取るまいが俺は気にしないぞ?」


えっと思わず声が漏れる。

すると馨君はふっと笑みをこぼし、私の耳元で


「俺の中では、常にお前が一番なんだからな」


とささやいて……


「って!! あんた、何言って……!?」


「ま、頑張れば? 二年連続二位の渕脇柴乃さーん」


「だから、それは言わないでってばぁ!」


私の声が、廊下中にこだまする。

こうして三年生初めの事件は、静かに閉じていったのだった。


(つづく!)

ちなみにタイトルの意味は、

かわいいは正義、という言葉です。


なんだか紫乃って常に誰かと口論してますが

言ってることが正しいのかどうか

たまに疑問に思うこともあります。

彼女のみぞ許されるってやつですね。


次回、柴乃に再びピンチが?

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