他人の手を惜しみなく借りまくる渕脇。
美男美女コンテスト撤廃を防ぐため、
柴乃は会長の心理を探す。
そんな時、過去にコンテスト役員をやっていたという
ある人がいることがわかり・・・?
枝に咲いていた桜の花が、地面にひらひら落ちてゆく。
まだ肌寒かった季節が、少しずつだけど暖かく感じる四月末。
「柴乃さんっ、見つかりましたよ。これが一年の頃の結果の紙です」
寺濱君がにっこり笑いながら、私に差し出す。
待ってましたとばかりに、私はその紙をもらった。
撤廃のお知らせが出て、約二週間。
ついに私は、思いついたのだ。
そう、撤廃を免れる方法を!
「にしてもまさか、あんたが係だったなんてね! 寺濱君のくせにやるじゃない!」
「僕もまさか、こんな形で役に立つとは思ってなかったですよ。ただ余り物を押し付けられただけだったので……」
「これ、上位者だけじゃなくて全員書いてあるんだね」
「本来は係だけの秘密、なんですけど……姫野さん一位のためなら、そんなの関係ありません!」
「やだあ、直樹君ってばうれしい~❤︎」
どこからこのことを聞きつけたのか、姫野もいてあんちゃん達と一緒に紙をのぞき込んでくる。
まあ今回ばかりは姫野のせいじゃないと思うから、私からは言うことないんだけど。
あんちゃんが言う通り、その紙には上位者だけでなく立候補したすべての人の順位が書いてある。
中でもびっくりしたのは票数も書いてあることで……
「ちょっと! 私と姫野が百票も違うってどういうことよ!? おかしいんじゃないの!?」
「それだけ姫野の方が可愛いってことなんじゃないかなあ~?」
「なんですって!」
「柴乃、今見るところは自分の票数じゃないでしょ」
あ、そうだった。うっかり忘れるところだった。
彼女が美男美女コンテストに出ていたのなら、この紙に名前があってもおかしくない。
会長の名前……名前……って、私知らないんだけど!?
「む、むぎちゃん会長の名前……何?」
「西園寺さんだよ? 名前までは教えてくれなかったけど」
「柴乃……知らないで調べようとしてたの?」
「い、いいじゃない! 別に! ほらあんちゃんも! 調べるの手伝って!」
呆れられているようなため息を、あんちゃんはつく。
それでも一緒に探してくれるのが、彼女のいいところだ。
むぎちゃんや寺濱君達が後ろから見ている視線を感じつつ、一人一人目で追っていく。
ていうか美男美女コンテストって、こんな立候補者いたの!? 多すぎない!?
この中で二位を取った私……何気すごいんじゃない!?
って今はそれどころじゃなくて!
「あったよ、柴乃。これじゃないかな?」
そんなことを考えている矢先、あんちゃんが一つの名前を指さす。
そこには確かに、西園寺という名前があった。
でもそんなことより驚いたのは、その場所と票数で……
「これ、会長さん……なのかな」
「もしそうだとしたら、ああいうのも仕方ないのかもね……」
「かわいそうな会長さんだねぇ。せっかくかわいい名前なのに」
西園寺莉羅。それが、彼女の本名なのかは私にはわからない。
ただ分かるのは、せっかくでたコンテストで唯一票数がゼロだったってことだ。
0。いわゆる、最下位。
確かにコンテストは上位者しか注目されないし、もしこれが原因なんだとしたら……
「私、会長と話してくる」
「えっ、話すって何を?」
「コンテスト撤廃を無くすように決まってるでしょ!」
そう言いながら、私はつい走り出す。
この問題を、解決させるためにー
(つづく!)
ここにきて会長の名前が明かされたので、
ぶっちゃけちゃいますが
実はこの会長、今作品初の
サブキャラだったりするんです。
二年生編では直樹君の妹くらいだったんですけど、
正直メインキャラだけでよくやってこられたなと
我ながら自画自賛しています。
サブキャラの名前にもからくりがあったりするので
どんな子達が出るのかお楽しみに!
余談ですが、今日はあんちゃんの誕生日なんですよ!
ツイッターでお祝い小説も上げているので、
チェックしてみてくださいね!
次回、ついに決着!




