82
どうしてこうなった。
大事な事だから二回言うぞ?
ど う し て こ う な っ た 。
「お前ら頭おかしいんじゃねえの?」
あの後周りがざわめきだしたのに気づいたリンと鈴木の二人は、野次馬の輪をくぐり抜けて人の少ないところに来た。(一応イベントエリアなので、本選開始になったらワープできるらしい。鈴木談なので信用はできないが…。)
そして、来た後に言った俺の第一声が最初のこれだ。
「「サンタコスしてる人に頭おかしいとか言われたく」」「ないです!」「ねえよ!」
「口調以外完全一致…だと…!?」
「「つっこむところは、そこじゃない!!」」
「えぇ……理不尽……。」
しかも好きでサンタコスしてるわけじゃないし?
スキルの都合上、この装備じゃないと駄目なだけだしなぁ。
「いや、わたしみたいに街中で装備変えればいいんじゃないんですか?」
「リンと会ったのイベント中だからな!?そんな都合よく服売ってる店はねえよ!」
「いや、さっきあそこから逃げてる途中の出店に服売ってたぞ。それも戦闘用じゃないやつが。」
「なんであるんだよ!?」
しかも戦闘用じゃないってことは、イベント中に防具が壊れた人も対象にしてないじゃん!?
ここで売る意味なさすぎだろ!?
「あ、じゃあそこ行きます?まだ本選開始まで時間もありますし。」
「おー、いいんじゃね?サンタは服が買えるし、俺たちは変な奴の仲間と思われなくて済む。これぞ、ウィンウィンの関係だな!」
「よーし、そこまで言うなら分かった。」
俺は眉をピクピクさせながら……キレた。
「表に出ろ、鈴木ィ!てめえ一発ぶん殴ってやる!」
「まあまあ、もちつけ……もとい、落ち着けサンタ。」
「人を落ち着かせようとしてねえだろ、それ!?」
「だいたいお前は第一条件が間違っているんだよ。」
「な、なん…だと!?」
右手の人差し指を立てて、左の手のひらで右手の肘を支えながら「チッチッチッ」として、そんなことを言う鈴木。
なんかこいつがやると、イラッとくるな?
まあ、それはともかく……。
「第一条件が間違っているだと?どういうことだ?」
「……知りたいか?」
「知ってるのか、ライ〇ン!」
「それはズバリ……ここが既に表だと言うことさ!」
バサッと言うマントをたなびかせるような音が聞こえるが、誰もマントを着けていないので幻聴なのだろう。
とにかく、そんな幻聴が聞こえるほどの動作で答えを言う鈴木。
しかも若干のどや顔付きだ。
そんなヤツに対して俺は……殴りかかった。
どや顔しているその頬に向かって、左ストレートをぶちこんだ。
清々しいまでに飛んでいく鈴木。
そして勢いを失い、こちらを「信じられないっ!」と言った目で見てくる。
そんなヤツを俺はビシッ!と指差して言った。
「『表に出ろ』ってのは、喧嘩文句だろうがぁぁぁ!」
「な、なんだと!?」
「なんでそんな『嘘だろぉ!?』みたいな表情できるんだよ!?」
「自分にもぶたれたことないのに!」
「ドMか!?もうそういうお店に行ってこい!ここにはねえけど!」
「え?でもさっき逃げてる途中にありましたよ?」
「だからなんであるんだよ!?つーか、リンはなんてタイミングではいってきてんだ!」
つ、疲れる。
コイツら(主に鈴木)の相手とか、マジで疲れる。
めんどくさくなってきたぞ、おい。
「いや、服買うなら早くいかないと本選開始まであと30分ですよ?」
「……もう服装はどうでもいい気がするし、このままでよくないか?」
「それだと俺たちは変な奴の仲間と思われるじゃん?」
「言動とかも考えたらお前が一番変なんだよ、鈴木!」
「えー?そんなことないよな?リンちゃん?」
「………ノーコメントで。」
リンもどうやら鈴木が変な奴だと分かったらしい。
でも顔を逸らしながら「ノーコメントで。」って言ったら、それはもう肯定しているのと同じだと思うんだが……?
あ、なんか知らんが鈴木がショック受けてる。
……うん、反省しろ。
白豚「なんで服の話題でそこまで盛り上がれるの、お前ら。」
サンタ「知らんがな。」
鈴木「白豚のさじ加減だろ、こればっかりは。」
リン「というかわたし、全然喋ってないんですけど。」
白豚「勝手に動いてたから、俺にもさじ加減は無理だろ。というか服装だったら戦闘中のリンが一番頭おかs……。」
リン「『暗殺』」
サンタ&鈴木「「あっ……。」」
リン「なにか?」
サンタ&鈴木「「いえ、なんでもありません」」
リン「なら、いいです。」
サンタ&鈴木((絶対リンには逆らうまい。))




