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力尽きた腐ったお鼻のトナカイは、光の粒子となる。
するとまた光の粒子は、集まっていく。
形作るは、またしてもトナカイ。
何段階あるんだ、こいつ。
そしてまた強烈な光に半ば強制的に目を閉じられ、イベントが始まる。
次に目の前に広がったそこは、血の流れている何かを生きたまま解体したと言われても納得できるものだった。
壁や天井、ベッドや椅子に、のこぎりのようなものまで。
ありとあらゆるものに、返り血が赤いペンキをバケツでぶっかけたようにして、ついていた。
更に血で染っている壁の近くと、同じく血で汚れたシーツが着けられたままのベッドの上には白骨化した何かがある。
壁の近くの骨は、見たところ四足歩行の動物のような感じだ。
頭に立派な角がついてるから、トナカイだとは思うが……。
ベッドの上にある骨は、人型で服を着ていた。
ただし、来ていた服は上から下まで全部赤い服だ。
………。
ちょっとばかり「対象年齢大丈夫か、このゲーム。」と思っていると、仮名称『トナカイの骨』が動き始めた。
さっきまでまったく形を成していなかった骨の一本一本が、しっかりと動いている。
………。
〈サんタ……サんタ……。〉
あぁ…、やっぱりこの骨サンタさんなのか……。
死んでるよ、これ。
トナカイの骨は、ベッドの上にある人型の骨……サンタの骨に話しかけている。
〈サんタ……?オきてヨ?〉
トナカイの骨は、そう話しかけるがサンタの骨はまったく反応しない。
いや、死んでるから反応しない方が正しいと思う。
〈サんタ、まだネてるノならボクマってるからオきてね?〉
そう言ってサンタの骨から服を口を使って器用に取って、ベッドから離れるトナカイの骨。
そして、またしてもいつの間にか現れたドア。
それがひとりでに開いていき、トナカイの骨は部屋を出ていく。
そこでいつもの場面切りかえが起こって、イベントが終わった。
すぐに目を開けて、また同じようなモンスターが……。
【識別】!
折れたお鼻のトナカイ Lv9
モンスター アクティブ
いや、骨になっただけで折れてないんだけど?
というかトナカイ、お前!
ゾンビ化したと思ったら、今度はスケルトン化か!?
未練タラタラすぎるだろ!?
さっさと成仏してあの世のサンタを助けてあげろよ!
とりあえず、『初心者の短刀』を装備して……って、あぁ!?
また回収し忘れた!?
しかもご丁寧にまた足下に置きやがって!
……いや、忘れてた俺が悪いんだよな、うん。
だがしかし!
スケルトンだからどの道、使わないんだよな!
………はい。
今思い出しました、すいません。
気を取り直して、『初心者のロッド』を手に持ち、いざ出陣。
呪文を選択、詠唱して発動。
「『フィジカルアップ・ファイア』!」
STRを強化する。
不死者になった弊害か、素早さが落ちている。
そのおかげで、俺はすぐに折れた鼻のトナカイの横に張り付き、『初心者のロッド』で腹を下から殴る。
スケルトン化したから軽くなっているが、それでも重い。
浮かせようと思ったのだが、無理があった。
まあ怯んでいるようなので、これに魔法を使えば倒せるだろう。
呪文を選択、詠唱して殴る。
「『ライトボール』!」
威力が弱くても、弱点なので結構なダメージがある。
「『ライトボール』!」
「『ライトボール』!」
「『ライトボール』!」
「『ライトボール』」
「『ライトボール』」
「『ライトボール』」
「『ライトボール』……」
「『ライトボール』……」
「『ライトボール』……」
数分後。
全くダメージを受けずに、俺は勝てた。
やっぱりどのゲームでも、ハメ技がいちばん強いようだ。
多分修正されると思うけどな!
折れたお鼻のトナカイは、光の粒子となった。
MP残り、3割4分




