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やっぱりどうにもうまくいかない件【後編】

この回にて、『異世界に転生したのにうまくいかない件』完結となります。

「支配人、どうしたッス?なんか騒がしいッスけど・・・ってアニキ・・・!?・・・に似た幼女!」

「ひぃっ!!支配人!いくらお師匠様に似てるからってそんな幼女を・・・!はっ犯罪のニヲイがしますっ!!」

「なっ・・・!ちがっ・・・!!」

「あっ!ロバート!ギルバート!久し振りですね!」

「えーと、アッシには幼女の知り合いは居ないッスけど?」

「私ですよ、私!リリーシュカ!」

「え?えー・・・?スンスン・・・!!!!!ア、アニキィィィ!!」

「スンスン・・・!あ、本当だ!お師匠様だ!」

「え・・・?やだ、コイツら人間をニオイで区別してんの?そして私のニオイを覚えてるって事?キモッ!!」

「アッシ達、皆を呼んでくるッス!」


ロバートとギルバートが慌てて走り去って行きました。

3年経っても変わらないですね。相変わらずバタバタしている。しかし、あいつら人の事を幼女幼女って失礼にも程がありますよね!私だって3年経ってるんだから、ピチピチのナインティーン(19歳)ですよ?


「ね、ねぇ。ソフィアス様。どこかに鏡ありませんか?」

「スタッフルームにあるのだ。こっちなのだ」


ストンと下に降ろしてもらってビックリです。ソフィアス様、身長伸びました?以前よりも開いた身長の差に、とても嫌な予感がします。

私はソフィアス様に手を引かれ、スタッフルームに入って立てかけられていた姿見を覗き込みました。


「ギニャァァァァァァァァ!?」


鏡の中の私は、ピチピチのナインティーンではなく、およそ7歳前後といったとこでしょうか幼女が居ます。いやぁ、これでは確かに幼女だわ。むしろ幼女以外の何者でもないわ。


「リリーシュカ、そ、その格好は一体どうしたのだ?羽根とか」


ソフィアス様も動揺を隠せないらしく、リリーちゃん(人形)に向かって話しかけています。


「リリー!」「ハニィ〜」「リリーシュカさん」「お姉様!!」


バタバタと皆がこちらに向かってやってきました。


「「「「え?何この幼女?」」」」

「皆・・・。信じられないかもしれないけど、私リリーシュカです」


それでも信じられないという皆に、3年前の皆が当時隠していた秘密をそれぞれ言った所なんとか信用してもらえました。


信用してもらえた所で、スタッフルームのテーブルに腰をかけて、今までの事をお互い話しました。


「3年前のあの日、私はこの世界と共に消滅しました。消える前にこの世界の再構築を願いました。私の願いは叶ったみたいで何よりです」


ゼウス様の部屋で時々モニターを見せてもらっていたので、皆が無事に生活をしている事はわかっていました。


「私といえば、力を使い果たして消滅したと思ったのですが私の力以上の力の働きによって私は神となり天界へと召し上げられました」

「リリー以上の力?」


ジェシーは相変わらずムキムキですがなんだか妙な色気が出ています。恋人でも出来ましたかね?


「はい。おそらくは神の血筋のソフィアス様、ファレル様、ニーヴェン様も少なからず神の力を持っていたらしく、お三方の神の力と皆さんの願いの力がハデス様の力と共鳴し合って私を消滅から救ってくれたのだろうというのがゼウス様とアネッサ様の見解です」

「私達の願いが通じたのだ!」


ソフィアス様・・・。本当にありがとう。少しは頼もしくなったでしょうか?外見はあの頃よりも凛々しく身体つきも少年から青年へと成長しています。ハデス様はゼウス様に対して激おこで、三千年はゼウス様と口も聞きたくないと冥界にこもってしまいました。


「えっ!ていうか、ハニィ神様になっちゃったの!?」


アミュールさんはふわふわで長かった髪の毛をバッサリと切って、素敵な美青年になっていました。もう、女の子には見えません。

ついでに言うと、ジェシーの隣に居るリジットさん。なにやらジェシーにピッタリと寄り添っていますが・・・。考えたくは無いですけどジェシーを色っぽくしたのはリジットさんでしょうか?3年という月日はこうも色々な変化をもたらすものなのでしょうか。ゴクリ・・・。


「はい。赤ちゃんから人生(神生?)をやり直してずっと神様とはなんぞやとかみっちり教えこまれました。で、満を持して本日よりこのグリーンアースの神として天界より派遣されてきました!」

「お姉様が神様・・・とっ、尊いぃぃぃ!!」


プリンセス姫様、ますますの美貌と残念さが絶妙なハーモニーを奏でていますね。


「ちょーっと以前よりも幼く見える外見ですけどー・・・」

「私は全然構わないのだ!リリーシュカが生きていてくれた。それだけで私の心は満たされているのだ!」

「ソフィアス様・・・!」


私は思わずソフィアス様に抱きつきました。


「ちょっ!リリーシュカ!ソフィアスは私なのだ!!」


振り向くと、もう一人ソフィアス様が居ました。私が抱きついたのは左のソフィアス様です。じゃぁ、この私の右に居る自称ソフィアス様は一体・・・?


「今リリーシュカが抱きついているのはリリアスなのだ!!」

「へ?リリアス?」

「リリーシュカ!また会えて嬉しいのだ♪」


リリアスもグリーンアースの再構築で復活していたのですね!いや、ソフィアス様そっくりでキモッ!!


コンコン!!ココココココココココンッ!


ドアがえらい勢いでノックされています。


「ピャァ!!(忙しいのに皆でサボらないでよ!!)」


この声は、小鳥ちゃんです!!私は急いでドアを開けました。


「小鳥ちゃん!!」

「ピャ、ピャァ!?(ママっ?に似た幼女!?)」

「あぁ、またそこから説明ですか・・・あのですね・・・」




私とモルゾヴァが居なくなった後、セルドジルワールの王様代理としてソフィアス様が就き、ファレル様とニーヴェン様と三人で協力して国政を担ってきたそうです。

そして、私がこうして帰ってきたので、私を神にして女王にと据えるつもりでいるみたいです・・・。

落ち着いたらのんびりと旅にでも出ようかなって思っていたのに、どうやらその願いは叶わないみたいです。



私、神になってもうまくいかない件。

今回もお読みくださり、ありがとうございました。

拙い作品ですが、最後までお付きあい頂き、ありがとうございました!皆様のおかけで無事に最後まで書き上げられた事、とても感謝しております。

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