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プロローグ
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
武器商人とは、自らの営利目的で敵味方を問わず兵器を販売し富を築く職業である。それは同時に戦争の片棒を担ぐことと同意義であり、その戦争による被害や犠牲の間接的要因の一つである。
つまり、最も原始的であり、暴力的な解決手段である戦争と言う国家間の対立を一つのビジネスとしているのだ。様々な理由から直接武器を売ることが出来ない当事国は、武器商人を経由して武器を売ることが多いのである。
当然のことながら、これらは戦争が起きるからこそその意味を成すものであって、戦争が起こらなければ利益などありはしない。しかし、戦争が起こるからこそ、武器商人がいる。
いつしか、そんな彼らを卑下するようにこう呼ばれるようになった。
死の商人――と。