第4話 相棒との出会い
九条未来との出会い、過去回想です。
第4話 相棒との出会い
そうだあの頃は、隕石の落下が発表され犯罪にテロだらけ。
自衛隊や警察は待遇改善、給与アップなどで人員を増やそうとするも無駄。誰がそんな損な役回りをする?
それに善人でいる必要が無かった。善人は見せしめに殺されるのが日本で起こるレベルだ。
私は犯罪に手を染めるか一般人でいるか悩んだ。
武器作ったり、PCいじったり、ちんこ弄ったりして数週間経つと自宅を襲撃された。
私は何よりも身内や血の繋がり、友人を大事にしていた。その家族に手を出された事は私にとって赦せん事。
怒り狂い自作の武器で運動不足ながらに強盗を撃退。そこでやめときゃ良いのにフル武装で追跡を始めた、だがそれが結果的に九条さんを助けたんだよな。
確かぁ......
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隕石落下公表から数週間後の街中 昼過ぎ
「三下チンピラのゲボカスがッ!俺の家にまで来やがって......全員警察に突き出してやる。......あー賞金首ならお得だなぁ」
貴音はこんな時でも一攫千金を忘れない。半年で終わる人生かも知れないのに、一発逆転を狙う。
悪党は単独で動く事をやめ、集まり徒党を組んで襲撃を繰り返した。各地で人々が亡くなり奪われていった。
それを聞くたびに貴音は自身に直接関係が無いのに悲しんだ。
そして被害の当事者になると怒りが抑えきれず尾行。人通りの少ない道を通り路地裏に入るともう1人と合流。
そこには服を剥がされレイプ寸前の九条を発見。貴音は咄嗟に通報、武器を準備して様子を伺う。
「早くやめなさい!こんな事をしたら損するのは貴方達よ!ご両親も悲しむわ、早く考えを改めて自首しなさい!」
そう地べたに仰向けで寝そべる九条が吠える様に言う。
「うっは!流石、エリート様は違いますなぁ?俺らを邪魔する課長サマを狙った甲斐があったもんだ......あー腹が立つ。俺より一回り年下の、その年で警察の課長だなんてよ」
そう男が話すと仲間の2人が合流し愚痴をこぼす。
「戻ったぞ」
「あー、お前ら戻ってきたか。あのいかにも金ありますみたいな家にはなんかあっただろう?」
「いやーしくじったわ〜......。あの家の若い奴がナイフと自作のスタンガンで反抗してきやがった。こっちは怪我して、まだ痛えから無理」
そう言うともう片割れも言う。
「ありゃ同業者かイカれた野郎だ。なぁ?婦警さんよぉ?俺らよりもそーゆ!馬鹿を取り締まって欲しいモンだねぇ?」
と九条の顔に近づいて嫌味ったらしく言うが、男に反論する。
「スタンガンの所持、自作は違法では無いわ。それに正当防衛よねぇ?これしたら、ああなるなんて事も考えられないの?馬鹿で有名なダチョウよりも脳みそ小さいんじゃない?ほら!頭振ってみなさいよ、きっとカラカラ音が鳴るわよ!」
とそのまま顔が近い状態で嘲り笑う九条に男達は憤慨。
「じゃかましいわ、ボケが!処女じゃなくて命も取ったろうかっ!」
そう言いながら足を振りかぶって九条の顔を蹴り飛ばそうとした瞬間、耐えれず貴音は飛び出てしまう。
「ボケはテメェだろ!その警官を離せよっ!そ、それと〜そうだ!女の顔を傷つけようとすんな!お前らと違って箔がつくなんてねぇんだよ!」
(しまった......意味わからん事を言ってしまったし、武器も警官に見られた......。つったって今更はいはいUターンしますよ、とはならねぇ。見捨てれるわけがない)
この時の貴音は実はガクブルしていた。だが舐められたら殺すが染みついた馬鹿学校出身の為に出てしまった。つまり馬鹿。
だが己の武器には自信があった。
「さっきのかっ!この野郎、よくも木刀で殴ってくれたな!ぶち殺したるわぁ!!」
そう叫び走ってくる男にはホームセンターにある消火斧。貴音の頭目掛けて振りかぶるが大きめのナイフで受け止めた。
「ぐっ!!......あっ!お、折れた......」
重い斧には安物のナイフでは勝てず折れた。
だが斧を逸らし避けた瞬間に、背負っていた木刀で顔面を思い切り殴り飛ばすと鈍い音がした。
「ひ、ひでぇ......ぐふぇ......ウッ......」
殴られたチンピラは奇声を上げて流血し倒れた。
残り2人はまさかチビにワンパンノックアウトされるとは思わず唖然としてフリーズ。
これが好機と見て貴音はヤケクソに飛び込んだ。
「この卑劣なクソカス共がァア!!!」
更にその叫び声に怯む。
「「なっ!!?」」
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貴音は運が良かった。己の恐怖なのか武者震いなのか分からない震えた手で、彼女に上着を貸して胸を隠し立ち上がらせる為に手を貸した。
「既に通報済みです。怪我とか......大丈夫ですか?俺は腕がちょいと切れたけど気にしないでください」
九条は手を取ると口を開く。
「服だけ切り裂かれただけです。ありがとうございます......本当にッ......ありがとうございます......」
警官として気丈に振る舞っていたが安心したからなのか泣き始めてしまう。
貴音はチンピラを縛って集めて立ち去ろうとするも、九条に大声で呼びかけられた。
「待って!待ってください!貴方を無視する事は出来ません!」
そりゃあそうかと自分も逮捕されるよなと判断した貴音。
「まあ、そうですよね......私も逮捕ですかね......」
この時、貴音は潔く逮捕される気なんてさらさら無い。走って逃げることしか考えていなかった。
だが呼び止めた理由は違った。
「ち、違う!貴方も救急車に乗らないと危ないです!お気づきでは無いのかもしれませんが、頭からかなりの血が......」
ものすごく心配した表情で貴音を見る。
アドレナリンが出たせいで気が付かなかったのか頭部はネチョネチョとなる程に出血していた。
斧を躱した時に掠めたのかナイフの破片が刺さったのだろう。
「ハハっ、本当だ......。カッコつけて去ろうとしてダサいっすね......俺」
それに貴音の両方を掴みながら目を合わせて真剣に言う九条。
「卑下しないでください。貴方は一生忘れない命の恩人です。これは正当防衛になるはずです!いや、私が!この私が命変えても貴方を、この卑劣な奴らと同じ犯罪者にしません!!」
最初の方は怒るかの様に言うが、最後は優しく気遣う様に言った。
「命と純潔が守られた今に、命を賭ける......だなんて言うもんじゃないですよ......お姉さん」
「それでもっ。それでもなのです!」
「ハハっ頑固ですね、気が合いそうです。お名前は?私は梶原貴音と言います、ただの病気の無職です。よっこいしょ......」
「警視庁の警視の九条未来です。......ってチンピラの山に座るのは流石にダメです......」
「あっ......」
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やはり、何度思い出しても偶々だし運が良かっただけだ。感謝される様なモノでは無い。
「まあ、あれは偶々ですから!寧ろ、私がもっと早く動けていたら......初撃を避けていたらって......」
ネガティブで後ろ向き。
「......見た目は変わっても、本当に......中身は変わらないのね。私にとっては英雄よ......」
そう優しく微笑む彼女を見て私はドキッとした。
これは?......まあいい。とにかく九条さんが助かって良かった。
彼女は強い、すぐに退院できるだろう。
「ありがとうございます......取り敢えず、今日はこれで......」
「もう......帰るの?年上の我儘なんだけどさ......まだ居て欲しいの......安心させて......」
すごく弱々しく私に言いながら両手を広げて来る。ダメだ、私なんかに甘えては。もっと良い人はいるしあなたは強い。
「っ......そんな誰にでもハグを求めてはダメですよ。それに時期ご家族も来るでしょう。私みたいなガキに甘えてはダメです、九条さんの評判に影響があっては嫌ですから......」
私は振り返らなかった。ドアを開ける時に啜り泣く声が聞こえた様に感じた。だが気のせいだろう、そうに違いない。
そのまま退室した。
「誰にでもじゃない!あなただからなの!私って魅力無いの?可愛いって前言ってくれたじゃん......うぅ、良いわ!こっちから告白して貴音を私のモノにしてやるわ......」
そう言いながら拳を握りしめた。
「計画を考えないとね......そうだ!あの人の誕生日の6/24に祝いに乗じてやらせてもらうとするわ!」
彼女は大なり小なり好意があるのは感じていた。だが相手はドネガティブな病人、彼方からのアプローチは無いと判断してデートからの告白のプランを構想する。
一方で貴音は久しぶりに浮遊して帰宅するのであった。この力を有効活用して家族や友人を絶対に守ると心に決めながら。
そして同日の昼過ぎに政府は秘匿された会議室で緊急の会議をしていたのであった。
次は政府サイドの話です。




