第1章:美しき悲劇
ポタッ……ポタッ……ポタッ……
冷たい雨のしずくが、街の狭く悪臭の漂う路地の、ひび割れたアスファルトに落ちていた。
路地のすぐ外、大通りではネオンライトがこれ以上ないほど眩しく輝いていた。高級車がスピードを上げて通り過ぎる。人々は笑い、おしゃべりしながら歩いている……まるで、この世界に「悲しみ」という概念すら存在しないかのように。
人生は全開で動いていた。外のその眩い光の中で、派手な店構えのすぐ裏側……この漆黒の路地の奥深くで何が起きているかなど、誰も気に留めなかった。
もし大通りから間違って覗き込む者がいたとしても、絶対的な闇しか見えないだろう。
しかし、もう少し奥へ踏み入れたなら……腐敗したゴミの山を通り過ぎ……路地の完全な行き止まりに辿り着いたなら――
どんな平凡な人間の魂をも芯から揺さぶるような光景を目の当たりにするだろう。
行き止まりで、古く湿ったレンガの壁にもたれかかるように……一人の少年が座っていた。
19歳にも満たないであろう年齢。
無造作な石炭のように黒い髪。
鋭く整った顎のライン。
そして……映画スターかトップモデルのような顔立ち。彼がもし生きて健康な状態で通りを歩いていたなら、誰もが間違いなく立ち止まって見とれてしまうほど、息を呑むほどに美しかった。
しかし今、彼の状態は……その美しさとは正反対だった。
彼の下半身は血まみれだった。絶えず地面に滴り落ちるドロドロとした真紅の血が、雨の水たまりと混ざり合い、路地の側溝へと洗い流されていく。
グチャッ……ペチャッ……
3、4匹の飢えた野良犬が彼の周りに立っていた。犬たちは彼の肉を引き裂いていた。時には足の肉を食いちぎり、時には地面にたまった血を舐め取っている。
不潔な牙が彼の皮膚を引き裂くたびに……命が半分ずつ削り取られ、彼の体は激しく痙攣した。
それなのに……
少年は叫ばなかった。泣き声も上げない。助けを乞うこともしなかった。
ただ、非常にゆっくりと、重い頭を壁にもたせかけた。痛みの絶対的な限界を超えているにもかかわらず、乾ききった唇に、疲れたような、生気のない微笑みが浮かんだ。
目の前で自分の肉を食いちぎる犬たちを見つめ……長く冷たい溜息をついた。
「……食えよ」
彼の声は信じられないほど弱々しかった。風の中で消えゆく炎の最後の揺らめきのように。
「俺のこれまでの人生で……一度だって、腹いっぱい飯を食えたことなんてなかった……」
彼は疲れ果てた目を半分閉じた。「……せめて……お前らだけでも、腹を満たせよ」
雨は激しさを増した。大量の出血のせいで、彼の肌はゆっくりと氷のように蒼白に変わっていく。
彼は空を見上げた。黒い雲が月を完全に飲み込んでいた。彼の心に、最後の思いが浮かんだ。
(……もしかしたら、俺は前世で本当に酷いことをしたのかもしれない。だから、この人生でこんな罰を受けているんだ……)
呼吸が喉で詰まる。
(でも、神様……どうしてここまで? 俺の罪は、本当にそこまで重かったのか?)
数瞬の間、彼の頭の中のすべてが完全に静まり返った。
そして、彼はゆっくりと目を閉じた。
「……まあ、いいさ」
意識が急速に薄れ始めた。精神が崩壊していく。死はもう数分後に迫っていた。
そして、死の直前によくあることだが――最後の呼吸を前に、彼の苦痛に満ちた全生涯が、走馬灯のように脳裏を駆け巡り始めた。
【回想】
小さな男の子。わずか7歳。
破れて汚れた服を着ている。汚れにまみれた無邪気な顔。そして飢えで背骨に張り付くようなお腹。
彼はごく普通の公園の片隅に立ち……金持ちの子供たちが笑いながら遊ぶのを遠くから見つめていた。涙ぐんだ目には、ほんのわずかな希望の光が宿っていた。(もしかしたら……もしかしたら、誰か僕も一緒に遊ばせてくれるかもしれない)
怯えながら、彼はゆっくりと近づいていった。しかし、近づいた瞬間――
「あっちへ行け!」
男の怒鳴り声が響いた。男は彼を強く突き飛ばした。「薄汚い乞食め! こんなゴミがどこから湧いてくるんだ!」
小さな男の子はバランスを取ることもできず、石のように地面に叩きつけられた。目に涙が溢れたが、一言も発することなく、起き上がって走り去った。
彼には家がなかった。家族もいない。名前すらない。
生き延びるためには、ゴミ箱をあさるしかなかった。時には飢えに耐えきれず、店から乾いたパンの切れ端を盗まざるを得ないこともあった。パンを一つ盗むたびに……彼は警棒やブーツでその何倍も殴られた。
時が流れた。少年は少しずつ成長した。体は常に弱々しく、脆いままだった。
しかし、その顔は……時と共に、圧倒的な美しさを持つようになっていた。
そしてその不潔なストリートにおいて、その美しさこそが、彼の最大の呪いとなった。
【回想終わり】
走馬灯がゆっくりと薄れ始めた。
雨は今や激しい嵐に変わっていた。最後の息を振り絞り、少年はもう一度だけ目を開けた。
犬たちはまだ彼の骨をかじっていた。しかし今は……もう痛みを感じなくなっていた。
(……もしかしたら、俺の人生も、完全に最悪ってわけじゃなかったかもしれないな……)
死を少しでも楽にするために、彼は人生最大の嘘を自分自身に言い聞かせた。
彼の中の最後の涙がこぼれ落ち……雨水に溶け込み、側溝へと流れていった。
(……もし二度目の人生が与えられるなら……俺は二度と、こんな無力な生き方はしない)
(家族を持ち……友達を作り……俺を心から愛してくれる人を見つけるんだ)
心臓が、最後の鼓動を刻んでいた。
ドクン……ドクン……
(そして何よりも……次の人生では弱者にはならない。誰よりも強くなって……俺のような無力な人間をすべて助けてやるんだ)
呼吸が、永遠に途切れようとしていた。彼は重い瞼を完全に閉じた。そして、残された最後の一滴の力を喉の奥から絞り出し……信じられないほど静かに呟いた――
「俺を……全部、食い尽くせ……」
「欠片一つ……残すなよ……」
「俺は……もう二度と……こんな惨めな世界を見たくないんだ……」
彼の頭がゆっくりと湿った壁を滑り落ち、肩へと力なく垂れた。
美しかった瞳からは、生命の光が完全に消え去っていた。
こうして彼の存在は……この平凡で身勝手な世界から、永遠に消し去られた。
雨は降り続いた。
大通りのネオンライトは眩しく輝き続けた。
そして世界は……あの暗い路地で何一つ起きていなかったかのように、今まで通りに回り続けた。




