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落ちこぼれのダンジョンマスターが現代地球に転生してダンジョンを創造したら何か騒ぎになってるけど僕のせい?  作者: 猫月九日
第6章

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第26話 その後の話

「あー、これはピンチかもなぁ……」


 地球を守るための戦いが終わってから早いもので半年もの月日が流れた。

 もちろんあの魔王ヘラクとの戦いは表に出ることはなく、僕たちの中だけの秘密として終わった。


 あ、当然あの時のイベントは好評だったよ。魔王と戦えた人は自慢げに自分の活躍を話していたりとか、次のイベントはいつだとか、熱望されるくらいには評判が良かった。


 とはいえ、実はあれ以降は今までみたいな積極的なダンジョン的なイベントは行っていない。

 さすがの僕も1年間走り続けたのと、あとレベル100になった影響でできることが格段に増えちゃったから、その確認をしないといけなくなったからだ。

 まぁ、他にも理由はあるけど……


 でも、ダンジョンを閉鎖するとかはまったくなく、これまで通りにダンジョンには入れるし、定期的に今までのイベントのリバイバルみたいなことはしている。

 まぁ、正直、これまでがやりすぎだっただけで、今の分くらいでも十分に楽しめるダンジョンになっているはずだ。

 さて、ダンジョンの管理をミミにまかせて、僕は何をしているかというと……


「うーん、ルシアもゾーイももうちょっとってところかな」


 今日の僕は久しぶりに"先生業"だ。


「さすがにまだ甘いですね」


 僕は今里楽さんと一緒にルーウェンにいる。

 僕と里楽さんの前には、モニターが並んでいて、そこには僕のものではないダンジョンが映し出されている。


「2人も結構レベルは上がってきているんだけどね。でも、さすがにこれを高難易度と呼ぶのは厳しいかなぁ」


 このダンジョンは僕の弟子とも言える2人、ゾーイとルシアが作り上げたダンジョンだ。


「あ、終わった」


「大愛さんはさすがですね、初見のボスでもしっかりと対処してました」


「攻撃役の結衣ちゃんもかなり強くなったなぁ」


 モニターの中でダンジョンのボスを倒したのは結衣ちゃん。

 今回は2人が作ったダンジョンを視察するために、大愛さんと結衣ちゃんに手伝ってもらったのだ。

 大愛さんが弱点を見つけて、結衣ちゃんが攻撃をするっていう形なんだけど、結衣ちゃん、雛香の影響受けてない? なんか動きが雛香っぽい気がする。


「いかがでしょうか?」


「あー、ボス倒されちゃったよ」


 ルシアとゾーイがやってきた。


「ダンジョンとしては悪くないと思うよ。けど、高難易度かっていうと微妙なところだね」


「地球の人たちはそれなりに強くなっているので、これを最新のダンジョンとして実装するとまだまだ不足しているかと」


「そうですよね」


「ボスもあっさり倒されちゃったからなぁ」


「でも、そこまで気にすることはないよ」


 このあたりはレベルの問題だからね。


「ええ、ダンジョンとして光るものはありました。また別シリーズとして出していきましょう」


「うん、僕もそれでいいと思うよ」


 2人のダンジョンも僕のものとは違った面白さや個性があるからね。

 僕らの言葉に2人は安心したように頷いた。


「良かったです! あ、それじゃあ、一旦中を見てきますね。行くわよ、ゾーイ」


「うん、気になったところの反省会だよ」


 そんなことを言いながら2人はダンジョンの中へ入っていった。

 随分と仲良くなったもんだなぁ。


「ただいまもどりました」


「ただいまー」


 反対にダンジョンから帰ってきた大愛さんと結衣ちゃんが僕らの前にやってきた。


「おつかれさまです。楽しめましたか?」


「ええ、久しぶりに新しいダンジョンに潜れて楽しかったです」


「私も! お姉ちゃんと一緒にダンジョンに入れて楽しかったよ」


 2人も満足そうだ。


「このダンジョンも別シリーズとして出していくから、もしも、2人から相談がきたら乗ってあげてね」


「はい。もちろん、私ができることでしたら」


「ありがとう」


 微笑む大愛さんに僕も微笑み返す。

 ほんと大愛さんには感謝している。今日だって急に呼び出したのに快く引き受けてくれたしね。


「2人とも見つめ合っちゃって、これは私は先帰ったほうがいいかな?」


 結衣ちゃんの言葉で僕は我に返った。


「あ、えっと……そういうことでともかくよろしくね!」


「は、はい! こちらこそ、今後ともよろしく……」


 いけないいけない、僕も少しドキドキしちゃったよ。

 ちなみに、大愛さんとの例の約束は、死亡フラグにはならなかったよ。うん……つまりそういうことだ……

 って、僕は誰に説明をしているんだ?


「それじゃあ、私たちはこれで帰りますね」


「ばいばーい」


 顔を赤くした大愛さんとニコニコした結衣ちゃんは帰っていった。

 これで僕と里楽さんだけが残った……わけだけど……


「飛鳥さん、今日は『私の日』なんですが?」


 そう言って、少しムッとしたように里楽さんが寄ってきた。


「あ、あはは、ごめんごめん、つい……」


「まぁ、いいですけど」


 そういうことで、日替わりで色々と担当が変わっている感じ。なんかとっかえひっかえしているみたいだけど、一応全員で話し合った結果だからね。


「さて、これからどうしようか」


 正直、今日の予定は特にないんだよね。


「そうですね……私としては、飛鳥さんと2人ならどこでもいいですけど」


 里楽さんは、ほんと好意を隠さないよね。おかげで僕だけがいつも一方的に照れる羽目になるんだけど。


「それじゃあ……ちょっとだけ散歩……デートしようか」


「はい……それもたまにはいいですよね」


 里楽さんが一歩、距離を詰めてきた。ほんのりと香るシャンプーの匂い。

 うん、これはこれで緊張するやつで……


「飛鳥さまーっ!」


 突然の声とともに、柔らかい何かが僕に突撃してきた。


「うおわっ!? ミミ!?」


 慌てて顔を上げると、そこにはミミがいた。こんなことをしてくるのは黒ミミの方だな。


「ミミさん? 今日は私の番ですが?」


「えへへ、ごめんなさい。つい飛びついちゃった」


 里楽さんが半眼で黒ミミを見ているけど、黒ミミの方は笑顔のまま僕の右腕を掴んだままだ。


「ふぅ……それで、黒ミミはどうしたんだ?」


 黒ミミが来たってことは、何かあったんだと思うんだけど……


「あ、そうそう。ちょっと報告があってね!」


「報告?」


 そんな悪い感じじゃなさそうだけど……


「それは私の方から話します」


 さらっと左腕が柔らかいなにかに包まれた。びっくりしてそちらを向くとそこにはまたミミがいた。

 こっちが白ミミの方だ。


「報告します。先程、レリア様が家に来られました」


「レリアが?」


 あれ? 今日は特に予定とかなかったんだと思うけど……


「はい、理由を尋ねましたところ、例のものができあがったとか」


「えっ!?」


 まじで!?


「はい。ですので……」


「あ、うん。すぐに……あ、でも……」


 今日は里楽さんの日だし……

 ちらっと里楽さんの方を見ると、里楽さんはすでに動き始めていた。


「飛鳥さん? 早く帰りましょう」


「里楽さん? いいの?」


「ええ、問題ありません。私としても雛香さんの件は気になっていますから」


 そう言ってくれるとありがたい。


「ありがとう、この埋め合わせはまた」


「ええ、この埋め合わせは、飛鳥さん……それに雛香さんに埋めてもらいますから」


 里楽さんはそう言って、僕の手を引っ張った。



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