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落ちこぼれのダンジョンマスターが現代地球に転生してダンジョンを創造したら何か騒ぎになってるけど僕のせい?  作者: 猫月九日
第6章

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第25話 代償の結果

---瓜生飛鳥視点---


 戦場へと戻ってきたら、やばそうなモンスターが地上に降り注いでいるところだった。

 僕はすぐにモンスターたちの周囲に小型のダンジョンを形成して、モンスターたちを消し去った。


「ふぅ、間に合った」


 真田さんとレリアの周りにいたモンスターたちも同様に消し去る。


「飛鳥くん!」


「戻ってきよったか!」


 真田さんとレリアがすぐに僕に寄ってきた。


「はい、ご心配をおかけしました」


 2人ともかなり苦戦したのか傷だらけだ。


「すぐに回復しますね」


 ついでにバフもかけておこうかな。


「えっ? あ、おっと」


「傷が……それに力も湧いてきておる」


 うん、感度良好。慣れていないせいで思っていた以上に強力な支援になったけど、強いに越したことはないよね。


「なんという力……」


「まるで全盛期に戻ったみたい……いや、それ以上かも」


 2人が驚嘆したように自分の身体を見る。


「こんなのどうやって……まさか?」


 おっと、レリアはなにかに気づいたようだ。


「その話はまた後でね。それより今は、あいつの対処をしないと」


 そう言って、見つめた先には、魔王ヘラクがこちらを忌々しげに睨んでいた。


「逃げていった蝿がまた戻ってきたのか……まぁ、良いわ。今度こそ潰せばいいだけのこと」


 そう言いながら、ヘラクが再び爆弾モンスターを生み出す。

 さっきと同じように……いや、それ以上のモンスターが僕たちに押し寄せてくる。


「下がって、飛鳥くん!」


「うむ、今の儂らなら対応できるぞ!」


 2人が僕をかばうように前に立つ。


「あ、それじゃあ、5秒くらいお願いしますね」


 多分、それくらいで十分かな?


「よくわからないけど! 任されたよ!」


「いったい何をするつもりじゃ!?」


 僕を守るようにモンスターを迎え撃つ2人を見つつ、僕は周囲から魔素を集め魔力を放出していく。

 範囲はこのくらいでいいかな。


「よし、それじゃあ、ダンジョン化」


 行き渡った魔力を一気に固めてダンジョンへと変えた。


「「「なっ!?」」」


 レリアと真田さん、そしてヘラクの驚きの声が聞こえた。

 気持ちはわかる、だって一瞬のうちに僕らは何もない真っ白な空間に移動したんだから。

 当然、爆発するモンスターだって消えている。


「貴様……何をした!」


 ヘラクが怒りに満ちた顔で僕に怒鳴る。


「何って周囲をダンジョン化しただけだよ」


 具体的には僕とヘラクのいる周囲1キロくらいかな? そこにダンジョン空間を発生させた。


「なっ! そんなありえん! ここまでの展開をあんな簡単にじゃと!」


「それにあのあたりは魔王が魔素を吸い上げていたはず。こんな大規模な能力を発動するなんて」


 うん、我ながらとんでもないことだとは思うよ。こんなことこれまでの僕だったらできなかったから。


「でも、今の僕ならできるんだよね」


 なにせ、


「今の僕のダンジョン創造スキルのレベルは100を超えたから」


 いわゆる一つの壁を突破したって状態なんだと思う。


「レベル100!?」


「そんな、無理だって言っていなかったかい!?」


 うん、僕も諦めてた。でも、ギリギリ届いたんだよ。


「レベルが100になった恩恵でね。すべての能力が強化されたみたいなんだよね」


 周囲から魔素を集める能力だってこれまでとは比較にならないくらいに強化されている。


「それに支配能力も……今だってモンスターを作り出せないだろ?」


 僕はヘラクに問いかける。


「くっ、魔素が全然集まらぬ!」


 ヘラクは悔しそうに歯ぎしりをする。

 周囲の魔素は完全に僕の支配下に入っている。ヘラクになんてちょっとでも与えてやらない。


「くっ、ならば本体を叩くまでだ!」


 ヘラクはそう言いながら、自身の腕を伸ばして僕に向けて攻撃を仕掛けてきた。


「危ないっ!」


 真田さんがそれを防ごうとしたけれど、僕はそれを片手で制して逆に一歩前に出た。

 僕を貫こうとしているヘラクの強靭な腕を、僕は片手で止めた。


「何!?」


「僕のダンジョンって言っただろ?」


 空間を完全に制御できているダンジョンマスターがどれほど恐ろしいか、どうやらわかっていないらしい。


「例えばこんなことだってできる」


 止まったままの腕に魔力を込める。


「なんだ!? 腕の力が!?」


 ヘラクの腕がだらりと垂れ下がり、そのまま溶けていく。


「このまま本体まで溶かしちゃってもいいんだけど……」


 それだと万が一がありえるからね。


「どうしようか色々と考えたんだけど、もしも前の時みたいに逃げられたら溜まったもんじゃないからね」


 レリアが討伐したと思ったら地球にやってきたみたいな。あんなことが二度と起こらないように。


「永遠に封印することに決めた」


 僕はそう告げると、ヘラクの周囲に魔素を集めていく。


「何!? なんだこれは!? 魔素が……身体が動かぬ!」


 ヘラクが驚愕した様子で叫ぶ。


「身体が……小さくなって……」


 僕の魔素がヘラクの身体を包み込み圧縮していく。


「くっ! おのれぇえええええ!」


 そうして最終的に真っ黒の球体が地面に転がった。


「これで終わりっと」


 あれだけ絶望のような存在だったけれど、終わってみればあっけなかったね。

 いや、僕が強くなりすぎただけなんだけど。


「お主……本当にヘラクを?」


「うん、小さなダンジョンを作り上げてそこに封印したんだ」


 そこは時の止まった完全な空間。僕の能力で作り上げたダンジョンに閉じ込められたヘラクが復活することは二度とない。


「それは……またとんでもないの。今の儂では全く想像もつかぬ能力じゃ」


 レリアが驚きつつ、黒い球体をつつく。


「まぁ、ともかく、これで本当に終わったんだね? 地球はもう安全ということかな?」


「ええ、そう思います」


 地上にいるヘラクが放った魔物たちも消し去ろうと思えばすぐに消し去ることができる。

 だって、地球は僕のダンジョン、支配下なんだから。


「しかし、レベル100とはとんでもないの……どうやって達成したのじゃ?」


 レリアが興味深そうに僕に尋ねてくる。


「……それは……雛香が……」



 こうして地球を守るための戦いはあっさりと終わりを告げた。

 しかしその裏には、1人の少女の犠牲があったのだった。

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