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落ちこぼれのダンジョンマスターが現代地球に転生してダンジョンを創造したら何か騒ぎになってるけど僕のせい?  作者: 猫月九日
第6章

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第24話 一方その頃

---レリア・真田海人視点---


 飛鳥が意識を取り戻した頃、レリアと真田は魔王ヘラクとの戦闘を再開したところだった。


「……やれやれ、全盛期ならもっと動けたんだけどなぁ」


 真田は苦笑いを浮かべて、自分の剣を握り直した。

 レリアが横で忌々しげに舌打ちをしている。


「相変わらず面倒な能力じゃな……おっと!」


 レリアが突撃してきたドラゴンのようなモンスターを一撃で返り討ちにする。

 しかしそのレリアの背後から別の同型モンスターが迫ってくる。


「ふっ!」


 しかし、そのモンスターは、真田の放った斬撃が直撃し真っ二つに割れた。


「一匹一匹なら大したことはないが、これだけ数が多いとつらいですね」


「我らが倒すよりも、ヘラクが作り出す速度の方が早いからの、あいつ、ルーウェンの頃よりよっぽど強力じゃ」


 遠くには魔王ヘラクが魔素を吸い上げながら、無数のモンスターを召喚している姿が見える。


「このままじゃジリ貧じゃな」


「数の暴力というのは厄介だね、一気に殲滅する手段とかないのかい?」


 真田の言葉にレリアは首を振った。


「多少の範囲攻撃くらいはあるがな、それでもこの数相手ではあまり意味があるまい」


 試しにというようにレリアがその手に魔素を集め、魔法を放つ。

 強力な雷が周囲にいたモンスターを攻撃する。

 雷は高範囲に及び、多くのモンスターが真っ黒焦げになりながら地面に落ちていく。


 しかし、それでもまたモンスターが補充される。

 落ちた分だけ、いや、落ちた分以上が押し寄せてくる。


「ちっ、魔素がうまく集められぬな。威力がまったく足りん」


 苦々しい顔で舌打ちをするレリア、真田も同じように苦々しい顔をしている。


「レリアさんの方もかい。僕の方も同じだ。だんだんと魔素が集めづらくなってきて剣の威力が落ちてきているよ」


 真田が握る剣は、ルーウェンでも有名な鍛冶師が作った魔剣だ。

 通常は魔素を吸収することで、剣の威力を上げることができる。

 これが万全の状態であれば、一瞬にしてモンスターを薙ぎ払うことも可能なのだが。

 しかし、今はその剣に込められる魔素は微々たるものだ。


「周囲一帯の魔素を吸い上げておるからの。奴め、自身で来るならもうちょっと戦いようもあるのじゃが」


「全然近寄ってこないからね」


 魔王ヘラクは遠くから魔物をけしかけてくるだけで2人には近寄ってこない。だからこそ打つ手段がないまま、徐々に削られていく。

 近づいて本体を攻撃しようにも、大量のモンスターに阻まれる。さらに後ろにも逃さないというように、モンスターが2人を囲んでいる。


「飛鳥くんが戻ってくれれば多少は楽になると思うんだけど」


「うむ、それまでどうにか時間を稼がなければならぬな」


 状況は先程と逆である。

 飛鳥と雛香が時間を稼いで2人を待ったのと同じように、今度はレリアと真田が飛鳥の帰りを待つ番だ。


 しかし、


「準備は整ったぞ」


 これまで魔物をけしかけてくるだけだったヘラクが呟いた。

 同時にヘラクが召喚するモンスターの種類が変わった。

 これまでの大型のモンスターではなく、小さな球体のようなモンスターが大量に2人へ向かう。


「見たことのないモンスター……ぐっ!?」


 レリアがその球体モンスターを攻撃しようとした瞬間、そのモンスターが爆発した。


「そういうモンスターか……ははっ、これだけの数のモンスターが全部爆弾ってわけかい……」


 真田は驚きながらも、すぐに状況を理解した。

 視界を覆い尽くすほどの数の爆弾モンスターが2人に向かってくる。


「ははっ! 逃げ惑うがいい!」


 どうやらヘラクが静観していたのは、この爆弾モンスターを大量に用意するための時間稼ぎだったようだ。


「くっ! 避けきれん!」


「さすがにこれは厳しいな」


 一つ一つの規模はそれほど大きくはないが、それでも数が多すぎる。

 爆弾モンスターに襲撃される2人は、なんとか逃げ惑いながら爆発を回避する。

 爆風で服が焼け、肩口が裂ける。それでも体勢を立て直して、次の爆発に備える。


「なるほど、これでは足りんか……しかし、これならどうだ?」


 そうして、その様子を見ていたヘラクはにやりと笑い……爆弾モンスターを2人ではなく、地上へと放った。


「「なっ!?」」


 地上には多くの冒険者、一般人たちが今もイベントを楽しんでいる最中だ。

 そんなところにまるで空爆のように爆弾モンスターが降り注いだらどうなるか、想像に難くない。


「いかん!」


「止めないと!」


 大量の爆弾モンスターが雨のように地上へ降っていく。

 2人はなんとかそれを止めようとするが、彼ら自身も囲われていて動くことはできない。

 そうして、地上へ降り注いでいく爆弾モンスターは……急に姿を消した。


「ふぅ、間に合った」


 声が聞こえた。

 その声に聞き覚えがあった。レリアは口の端をわずかに上げ、真田は小さく息を吐いた。

 緊張が一瞬だけ緩む。それでも視線は外さない。


 2人の周囲にいた爆弾モンスターたちも一気に消え去っていった。

 すべてのモンスターが消え去った後、そこには見覚えのある青年の姿があった。



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