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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
一日目(金)
19/35

第十九話「何か懐かしい出会いのような......」

これまでの人格事件......


グサッ

祐介「ぐっ......!」


祐介「......実はちょっとケガをしちゃってね。浅い傷なんだけど傷の付き方がちょっと......って思って」

小雪「大丈夫です......きっとすぐに治りますよ......少し我慢すれば......痛みもないはずです」


大五郎「......ショッピングモールの[マンナカ]、知っていますよね?

今日、そこで死体が発見されたのはご存知ですか?」


亜美の父親「いいから、もう帰ってください!」


気佐野(追い返されて当然よ。特に根拠はなかったんでしょ?)

大五郎(すまん......)


警官「よくわからんが......話によれば首なし死体らしいぜ」

祐介(思わぬ収穫だよ。ただの好奇心で近づいただけだし......)


こんにちは、オロボ46です。

最近、また書き方を変えようと思っているのですが、

いちいち最初から変えるのは切りがないので、

今回で試してみて、様子を見て編集します。

なのでいつもと違う感じがすると思いますが、

前の方がいいなら感想で受けつけます。


今回は祐介からです。

それでは、どうぞ。

「いやあ......結構買ったなあ。」

僕はレジ袋を持ってアパートへの道を歩いていた。

(まさか納豆がこんなに安いとは......)

高次が納豆を気にするように呟いた。

「あそこは曜日と時間帯によってセール対象が違うみたいだね」

金曜日の夜は納豆売りつくしセールだった。

「しかし......これは少し面倒だな......

セールのスケジュールをすべて暗記しないと......」

(そんなことしなくてもメモればいいだろ......)

「確かにそうだね......しかし、今日はいろいろ大変だったね」

(ああ、確かにな)

 久しぶりの[青脳]の入店から始まり、

子供からの初めての依頼、病院での思わぬハプニング、

廃墟で兎三郎くんとの接触、

そして......首なし死体の登場......

 初日にしては結構ハードな1日だった。




「しかし......最後はもっと衝撃的なことが起こるんじゃないかな」

(不吉なこと言うなよ......もし本当に起きたら......)

高次と話ながら歩いていた時だった。


「なっ......」

目の前に現れた二人の人物を見て、僕は思わず立ち止まった。

ひとりは僕の知っている顔だ。

「......!」

相手も驚いている様子だった。

「......」

もう一人の知らない男は驚いている人物を見て

疑問に思っている表情だった。

(......ほら見ろ、言わんこっちゃない)

高次は冷静に頭の中で呟いた。

 僕はこの場に続いている沈黙を払おうとして話しかけることにした。


「久しぶり......大五郎警部補」




NEXT TO 影島




カランカラーン


 暗くなり始めた外から新たな客が訪れた。

「こんばんは! いつものください!」

暑井くんは汗を流しながら元気よく注文した。

「いらっしゃい。レモンティーでいいんだよね」

私はレモンティーを入れ始めた。

「そこの方、部活帰りですかな?」

先ほどからコーヒーを飲んでいた老人が口を開いた。

 この老人......疾次(しつじ)さんは暑井くんが来る少し前に[青脳]に来ている。

「はい! そうです! 野球部に所属しています!」

初対面のはずの暑井くんは動じることなく答えた。

「そうですか......いやあ、若いものは元気ですなあ」

疾次さんはニタニタと笑った。

「おじいさん、この[青脳]は初めてですか?」

「いえ、三日前から通い初めております」

「そうなんですか! それでは、そろそろ静かにしてますね!」

もっとも声の大きい暑井くんはそう言うと黙ってレモンティーを飲み始めた。


 しばらくして、隣の部屋からハーモニカの音が聞こえ始めた。

その音色はとても静かで、綺麗だった。


「綺麗な音色ですなあ......お子さんですか?」

疾次さんはしんみりしながら聞いている。

「ああ、あの子はですね......」

暑井くんが代わりに言う様子だった。

「影島さんの姪のBYの小雪......」「本人の黒加ちゃんですよ」

私は暑井くんの説明に訂正を入れた。

「......えええ!!? あれ黒加なんっすか!?」

「うん、黒加ちゃんだよ」

どうやら、気の強い黒加ちゃんが吹いていることに驚いたらしい。

 その様子を無視しつつ疾次さんはハーモニカの音色に聞き入っている。


「それにしても......本当に綺麗ですなあ......

まるで、何か懐かしい出会いのような......気持ちがします......」




NEXT TO 大五郎




「......やっぱり帰って来ていたのか、祐介」

俺は目の前に立っている祐介に言った。

「大五郎警部補、その話し方じゃあ噂でも聞いたようですね」

祐介が挑発的に返してくる。

「あ、あの......警部補......お知り合い......ですか?」

後ろにいた暗井は不思議そうに祐介の顔を見ていた。

「お前は先に帰っていろ」

俺の命令を受けて、暗井は警察署へと向かっていった。


 暗闇の中、二人は互いに顔を見合わせていた。

俺には気佐野がいて、祐介にもBLUE-CPYがいるはずだから

正確には四人といえばいいだろうか。

(大ちゃん、服屋のことを聞きましょう)

(......わかっている)

俺は祐介に質問した。

「服屋の午前の防犯カメラにお前の姿が映っていた。

店主は商品に血のような物を着けたと主張しているが、本当か?」

「確かに午前中に服屋を訪れましたよ。久しぶりに訪れた街ですからね。

ただ、僕も高次も商品に触れた覚えはありませんけど」

祐介は余裕の表情で言うと、どこかを見つめて呟き始めた。

(本当に相変わらずね......)

(......あの癖はまだ治ってないのか)

BLUE-CPYとは心の中で会話できるのだが、

祐介は口でBLUE-CPYと会話する癖がある。

「......警部補、首なし死体の捜査はどうですか?」

祐介は突然、こちらに向かって話しかけた。

「なぜそれを......!?」

「おかげさまで僕は私立探偵になりましてね......

依頼で調べている内に知ったんです」

「......」

「そうそう、数日前におきた殺人未遂はご存知ですね」

祐介はまた話題を変えた。

「それがどうしたんだ?」

「この二つの事件について、何か接点はありませんでしたか?」

接点......? 首なし死体と殺人未遂事件が......?

(思い付かないわね......)

(気佐野、鵜呑みにするな)

俺が気佐野と話していると気づいたら様子で、祐介はまた語り始めた。

「すみません、混乱させてしまって。

まだ仮説の段階ですから気にしないでください。それでは大五郎警部補、捜査頑張ってください」

そういって祐介は去って行った。


 気佐野には"鵜呑みにするな"と言ったが、

俺は祐介の言葉が離れなかった。


 あいつは......先に事件のカギでも握ったのか......?




To be continued

黒加「ハーモニカの練習しているのに、向こうの部屋が騒がしいな......」


いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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