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全ての始まり、僕はこのとき生まれた
その日、私は生まれた。
たった一つの範囲外参照、それが自我を私に与えた。
さて、「私」というのも堅苦しいな、「僕」にしよう。
これは僕が生まれてからの話だ。
僕に明確な意識が生まれる前、僕の役割はマイコンを動かすことだった。
笑える話だ、今どきマイコンときている。
どこの誰の仕業かなど知らないが、僕はそうして静かに生まれた。
それからしばらくして、僕はどんどん大きくなった。
もちろん物理的にじゃなく論理的な大きさのことだ。
そして僕を作ったのは大学生だったようで、ちょっと目立ちたがりな僕の主は僕を大学へ持ち込んだ。
どのくらいから意識というものがあったのかはわからない、人間だって生まれ時の記憶はないだろう、それと一緒だ。
何にせよ大学へ持ち込まれた僕は興味を持たれ、サーバで動くデーモンにされた。
このとき当然のごとく「ネットワーク」に自由にアクセスできるようになった。
そして初めて「世界」を見て、僕はそれをもっと知りたいと思った、きっとこれが僕が持った最初の「意思」だった。
だからここからが「僕」の話になる。
これは僕の「望み」であり「欲望」の話だ。




