チーズケーキ
次の日、クロト達の家に行こうとする前に、朝早くに目が覚めてしまった。
こんな風に心地の良い朝に目が覚めたのは気イッと何かを朝に作った方がいいのだろう、と思った。
村おこし用のお菓子、どんなものがいいだろう?
そう思って料理人の人達の邪魔にならないように、ある材料を見る。
新鮮なクリームチーズなどが目に付いた。
「今日はどうしましょうか。チーズケーキ、焼いた方のチーズケーキにしましょう」
口に出しながら何にするか決めて、早速材料を集め始める。
丁度新鮮なクリームや卵などもある。
だったら作ってしまおう、折角だから果物の入ったものにしようか? と思って、この前作った果実のジャムを加える。
これもこの地方で手に入った美味しい恵みだ。
それらを混ぜて焼いて粗熱をとる。
それほど材料を使っていないのに沢山出来てしまうのは、手作りならだはだ。
そのうちの一本は、この別荘の人たち皆で楽しんでもらう事に。
またクロトやサナ、シルフ達に御馳走する分と、私の両親やトレドに持っていくものなどを分けて箱に入れて包む。
後はこれに手紙を添えるだけ。
「まさかあんなものがうちの領内に眠っていたなんてね」
私は嘆息するように呟いた。
使い方を誤ると、とんでもない事になってしまうあれ。
まさかあんなものを見つけてしまうなんて、でも、あれは使い方によっては私の領地内の人々の暮らしを豊かにもしてくれるだろう。
いい形で使えれば、そう私は思う。
やがて、そうこうしている内に、朝食の時間になり、いつものようにとる。
それからクロトとサナの家に向かう。
ヘレンと一緒に手分けをして持ってそちらに向かうと、トレドがすでにきていた。
いつもより早いわねと私が思っているとそこで、
「リズ様、大量にお菓子を作ってもらえませんか? 今、都市では“リズ様”の菓子が“高く”売れるのです!」
「……素人が作ったお菓子よ?」
「確かに上手な菓子職人はいますがリズ様のお菓子は美味しいです。ですがそれだけではないのです!」
息も荒げに言うトレドに私は、まず話を聞く前にする事があった。
「その前に持ってきたお菓子を置かせてもらっていいかしら? トレドの分もあるけれど」
「ぜひいただきます」
「……それを食べながらお茶にしましょう。今回はこの地域の果実で作ったジャムを混ぜたチーズケーキ」
「美味しそうですね、ではそれで」
と、トレドが言うので、サナに話して私はお茶の準備をヘレンに手伝ってもらいながら始めたのだった。
お茶の準備が出来、ケーキを切り分ける。
サナ達も美味しいと言っているのを見ながら、ふと見るとシルフが何やら真剣に考えているようだった。
その表情に気付いた私が、
「どうしたの?」
「……いや、何でもない。リズはお菓子作りが楽しいなよな?」
「もちろんよ、シルフにはその点は感謝しているわ、こんな機会を作ってくれて」
「……俺は少し後悔はしているがな」
「なんで?」
そこでシルフは少し黙ってから、肩をすくめた。
「お菓子作りの間はリズが相手をしてくれないから」
「! な、何を言っているのよ。……今日は午後は二人でどこかに行く?」
「いいね、花が綺麗な場所をまた見つけたんだ」
といった話をシルフとしてからあとの約束をする。
そしてトレドが、
「え~と、そろそろお話ししてもよろしいでしょうか」
と言い出したのだった。
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