↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ悪役令嬢は、王子の溺愛に気付かない。  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/99

魔石を拾う

 躓いてしまったからか、私はそのまま転んでシルフに抱きついてしまった。

 子供のような高い声が自分から出たと思う。

 それが恥ずかしいのもあるけれど、それ以上に私はシルフに抱きついてしまっているのが緊張してしまう。


 しかも倒れた私をシルフが抱き留めるようにしている。

 こうしてみると、シルフも“男性”らしい体つきをしていると気付く。

 肩幅だって私より大きくて、力も強い。


 いつもは優しくて、無邪気な優しい人物、そして私の“友達”。

 なのに今は妙に“異性”として意識してしまう。

 胸の鼓動が早くなる。


 でも、もう少しこのままでいたいような気持にもなる、そう私が思っていると、シルフが小さく笑ったのが分かる。

 見上げると、じっとシルフが私を見つめていて、それは笑顔であったけれどその瞳が、いつもよりも獰猛なものを秘めているよう。

 その瞳には、不安そうな顔をした私が映っている。


 するとそこでシルフがいつものように微笑んだ。


「空ばかり見ていないで、すぐそばを見ていないとね、リズは。特に足元を見ないと」

「う、だってまさか躓くとは思わず……あんな小さな石なのに」

「小さな石だからって油断しすぎだよ。でも、女の子に抱きついてもらえる感覚は味わえたから俺にとっては、よかった……のか?」

「……そこは疑問形ではなく、素直に喜んで欲しいわね」

「うん、じゃあそうしておく。わーい」


 そう言ってシルフが私を抱きとめる手を放したので、私はシルフから離れる。

 いつまでも抱きついているのはと思って離れるけれど、それはそれで何となく寂しい様な気もする。

 こんな思いをさせられたのは、全部、私を転ばせた石のせいだと恨めしく思ってそちらを見ると、その私が転んだ時に表面が削れたのだろう。


 陽の光の中で、きらりと薄い水色に光る。

 ただの石にしか見えなかったけれど、色のついた透明な何かであるようだった。

 気になって覗き込み、手を伸ばす。


 すると表面がさらりと砂のように溶けて、その躓いた石が一体何なのかが姿を現す。


「……魔力を感じるわね。これ、魔石かしら」

「こんな場所に魔石……しかもしれにリズがつまずいたと」

「……いえ、流石にこれは偶然だと思うの。でも掘り出してみましょうか……あら、簡単に地面から採れる」

「やっぱりリズの祝福の影響……」

「ま、まさか。でも綺麗な色。これは水の魔石かしら? 透き通っているから純度の良い魔石ね。お菓子作り使えそう」

「こういった魔石の質もサナが鑑定できたはずだから、後で見てもらうと良いかもしれない」

「そうなの、見てもらおうかな」


 私はそう呟きながら光に透かして見る。

 輝くその魔石を手に私とシルフは更に歩いていく。

 さらに進んでいくとそこでシルフが、


「あれ、あそこに果実がなっているね」

「どこ? ……あ、確かに赤くて小さい実が……」

「どうしようか。その先が崖になっているというわけじゃなさそうだから、行っても大丈夫ではありそうだけれど、草むらにリズは入っても大丈夫かな?」


 そうシルフに聞かれた私は自分のスカートを見てから少し考えて、


「別にかまわないわ。だってそちらの方が楽しそうだし、私もあの果実に興味があるもの」

 

 私はそう答えたのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。